阪西:皆さんこんにちは、スパイダーの阪西です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さんこんにちは、森辺一樹です。
阪西:前回に引き続き私、阪西がナビゲーターを務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
森辺:はい、よろしくお願いします。今日は?
阪西:今日も前回に引き続き、内容を中国にフォーカスしてお話しいただこうかと思います。
森辺:前回、中国の話、出張に行った話、確か国内線が遅延するって話をして。僕いくつか中国の出張中に感じたことがあるから話しましょうっていう、そんなことを前回言ってたね。
阪西:はい、お願いします。
森辺:じゃあ今回は、別の話だね。僕ね今回ね、中国に行ってね…仕事もすごく忙しかったんだけど、移動する時間もすごく忙しくて、あまりにも忙しいと、ちょっとご飯を食べてる瞬間とかにね、すごくホッして、物事をすごく冷静に見れる瞬間っていうのが僕、あるんですよね。今回上海にいたときにすごく感じたのって、中国人本当に豊かになったなっていうことをね、すごく感じましてね。
それは当たり前なんです。豊かになってるのは、もうそんなことはとっくにわかってる、ということなんですけど、ちょっとそういう表面的な豊かではなくてね。心の豊かさ。これがすごく「ああ、中国人、心豊かになったなあ」って感じたんですよね。
1990年代とかね、上海とか北京とか行くと、灰色なんですよ、町が。人々が着てる服は、黒か灰色か濃い緑。そこで生活してる人達の目がね、何かに追われてるような、もしくは何かを狙ってるようなね、そういう目をしてて。僕はとってもあんまり居心地がよくなかったんですよね。
そんなこの15年20年で中国って色付き始めてね。人々の生活が変わって、着てる服はカラフルになり、色んなことがオープンになって、国際的になって、中国は今や経済大国第二位でね。もう新興国とは呼べない、先進国になってきたと。その中でやっぱり、中国人の金銭的な豊かさが、たぶん精神的な豊かさを作り上げていったと思うんだけど。僕はね、この心の豊かさってすごく重要でね。当然お金が無くったって心が豊かな人っていうのはたくさんいるし、それこそ人間の幸せだと僕は信じてるんだけど、なんか余裕が出てきたんだなっていう。中国人の考え方とか心にね。
たまたま入ったお洒落な中華風のレストラン、喫茶店的なカフェレストランみたいな。そこのおばちゃんが忙しいんですよ。一人で切り盛りしてて。すごくお洒落な造りで、上海でね。厨房に何人かいて、フロアは15席ぐらいあるんだけど、おばちゃん一人でやってて。そのおばちゃんがね、忙しいのにね、すごく丁寧でね。「もう忙しいんだから」みたいなのが顔に出て来ないって言うのかな。なんて言うのかな。たまたまその人がって言われちゃそれまでなんだけど。
その時に僕が感じたのはね、昔の中国って飲食店行ったら、注文は取りに来ない、注文しても返事しない、お金払ったらお釣り投げてくる、みたいなのがしょっちゅうあったわけですよ。間違った物運んできて「これ違う」って言ったらすんごい嫌そうな顔をして「これじゃダメなのか。これ食え」みたいなね。で、嫌々取り替えるとかね。そういうことが結構あって、日本人の日本の感覚を持ち込むと、もうストレスで3日持たない、みたいな。そういう状態だったと。タクシーの運ちゃんは本当に、行き先言っても返事しない、電話でずっと喋ってる、しかも140km150kmぐらいで「これたぶん、ぶつかったら死ぬよね」みたいなスピードでね、走るみたいなね。とにかく愛想とかっていうのは無かったわけですよ。けどやっぱりここに来てね、本当の意味で心の豊かさみたいなものを持って。
それは何でかと言うと、中国の例えばウェイターやウェイトレスもね、今までって、飲食店のウェイターやウェイトレスは、自分達はご飯を出す人だったんだね。出されることは無かったわけ。でも彼らも飲食店に行って、お客として食事をするようになった。だから彼らもサービスを提供する側じゃなくて、受ける側にもなってるんだよね。例えばタクシーの運転手もね、タクシーを運転をするっていうことが彼の仕事だったんだけど、今では彼らも豊かになって、彼らもタクシーを使うことがあるわけだよね。そうすると、そのサービスを受けると。色んなシーンで、サービスを提供しないといけなかった側、していた側の中国人がね、今度は自分達もそのサービスを受ける側になって、そのことによって、すごく豊かさみたいなね。サービスを受ける側の気持ちも理解するようになっただろうし、色んなことが発展してったっていう。そこって大っきいなと思って。
今までの中国の経済成長って、ひたすらサービスを受けたい人が、どんどんどんどん増えてった。だからそのサービスの質が上がってったっていうのはあったんだけど。今度はサービスを提供する側が、サービスを受ける側に変わってったことで、本当の意味での豊かさがそこに生まれている現実があってね。すごく僕はね、中国いいなって思ったんですよね。当然まだまだ田舎の方に行けば、それだけじゃないし、我々の日本に比べたらね、国土は何倍も大きくて、人口も10倍あるから、色んな中国人が当然いるんだけど、相対的にすごく豊かになったっていうね。そんなことを感じた、そんな出張でした。改めて感じました。
こんな話でいいですか?
阪西:ありがとうございます。では、今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。