サカニシ:皆さん、こんにちは。ナビゲーターのサカニシです。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
サカニシ:今日も前回に引き続き、森辺さんの気になる会社パート3になりました。では、3社目をご紹介ください。
森辺:今日は「丸川製菓株式会社」という。
サカニシ:「丸川製菓」。
森辺:漢字で普通に丸いの丸に三本川の製菓株式会社で。創業が明治21年、1888年、すごいね。設立が1948年なので、僕が1974年生まれだからだいぶ前だね。社員数139名で菓子の製造販売なんだけども、ぶっちゃけ風船ガムの製造販売をしている会社なんですよ。菓子は別にもうつくっていないのかな。基本的にはガムばっかりつくっていますと。この「丸川」という会社、中小企業ですよね。中小の風船ガム会社、実は日本人1億2,000万人誰でも知っていると思います。ちっちゃいときに必ずこの会社の商品を食べている。一番、たぶん有名なのが今でもコンビニなんかにあるフィリックスガムという、「FELIXthecat」というの?これはアメリカのキャラみたいなね。
サカニシ:キャラクターの。
森辺:うん。黒い、黒白のネコのかわいいやつのね、かわいいというかカッコいいネコかな。これがパッケージに塗ってある、書いてあるガムとかコーラガムとかね、あと、丸いガムで4つ入っていて箱の中に、風船ガム、オレンジとかイチゴとかグレープとかあって、僕はイチゴとグレープがめっちゃ好きでね、箱を開けるとね、なんか箱のこのふちにアタリとか昔あったんですよ。
サカニシ:ああ、駄菓子っぽい。
森辺:うん。で、駄菓子屋のおばちゃんに当たったって言って、もう1個もらうみたいな、これを僕は1個1個みんな食べているんだけど、4つ一気に口にグワッと入れて食べるみたいなね。昔から思っていたんだけど、どこの国のどのメーカーのガムを食べるよりも、この丸川のガムのほうが、さすが風船ガムというだけあって柔らかさ、噛み応え、もうすべての配分が完璧なんですよ。この、葉でガムを噛んだときの弾力と歯の横にガムがぶにゅーっと出るじゃん。この伸び方、出方、量、もうすべてが完璧なの、このガムは。風船をつくるときにこの噛んで柔らかくしてドロドロになったガムを舌にこう、グーっと伸ばしてウェーって舌をこう伸ばしながら風船ってつくるでしょ?そのときにこの舌に触れたときの感触、こんなマイルド風船ガムは初めてみたいな、それぐらい素晴らしいんですよ。
サカニシ:さすが風船ガムですね。
森辺:うん。いや、本当にさすが風船ガムだなと思って、僕はちっちゃい頃から感心していたの、この「丸川」という会社に。僕が小学生だから、分かんない、7歳とか8歳のときにこの「丸川」というガムを意識し始めてね、今42歳になっちゃいましたから35年ぐらい経っているわけですよ。35年経って世界征服ぐらいしているのかな、この丸川は?と思ったんだけども、残念ながら海外市場は外から見ている感じだと、僕知らないんでね、この会社ね、社長に会ったことも、お会いしたこともないし、お会いしたいですけどね。日本の輸出入商社を通じて港から港のビジネスがあると。日本の問屋を通じてちょろっと出ているのか、もしくは、平行で少し出ているのか、そんなものが限定された香港とか台湾とかシンガポールとか韓国とか、そういう一部の先進的なアジアの一部の近代小売、もしくは、日系の菓子小売の棚にちょろっと並んでいるというレベルで、全くもって海外ビジネスじゃない、こんなのはね。日本でもたぶん、問屋ビジネス、昔ながらの菓子の問屋ビジネスになっているんだと思うんだけども、こういう会社が日本でどう逆立ちしたってロッテのガムに勝てるわけないじゃないですか。なんだけど、それは日本国内をマーケットにした話でね、こういう宝のような会社こそ世界をステージにすれば、世界で勝てば日本での負けなんて帳消しですから、こういう会社こそ僕は海外やってほしいと思うんだけど。でも、この会社にしてみたら従業員130人ぐらいで中小企業じゃないですか。海外やると言ったって、海外に輸出したことある商社に売るのが関の山だと自社でやったらね、だってノウハウもないし、販売チャネルって何ですかと。たぶん、チャネルって何ですかと、ディストリビューションネットワークって何?という、そういうレベルだと思うんですよ。ごめんなさいね、会ったことないのに勝手にこんなことを言っているの聞かれたら怒られちゃうかもしれないけど。でも、当たり前なんです。だって、大企業だってそうだから。なんだけど、こういう会社が本当にグローバル・マーケティングとかをしっかり投資して、ディストリビューションチャネルの構築に投資をしていく。お金の投資よりも、むしろストラテジーの投資、労力の投資、時間の投資、知性の投資、そういう投資のほうが多くなるわけだから、そういうことをしっかりしていけばもっともっと海外で売り上げが上がって、日本の子どもたちが育った「丸川」のガムじゃなくて、アジアの子どもたちが育った「丸川」のガムに生まれ変われるわけですよ。海外でガムってね、ロッテのキシリトールか、アメリカのフォールズか何かの会社のエアーウェーブだったかな、なんかがダブルミントとかっていうアメリカのまずい風船なんか全然膨らまないようなガムが出ているだけで、もうすごいポテンシャルあるんですよ、こういう会社。今、いくら売り上げがあるのか、未上場だから分かりませんけどね、あって100億でしょうね。でも、それを500億、1,000億にできるチャンスがこういう会社にこそあって、僕はこういう会社を本当はやりたい。大手の菓子メーカーやりますよ。大手の菓子メーカーの皆さん、やらないって言っていませんよ。やるし、それもやるんだけど、本当はこういう会社を勝たせたいですよね。
サカニシ:なるほど。
森辺:「丸川」は3年5年で世界の、アジアの丸川ガムになったらこんな面白いことなくて。悲しいよね、香港の、日本の菓子ばっかり置いてあるような、そういう小売にだけ並んでいるとか、そうじゃないでしょと。メインストリームにやっぱり並ばなきゃみたいな。
サカニシ:並んでほしいですね。
森辺:香港のコンビニ、ドラッグストア、全部並ばなきゃだし、インドネシアだったら日系スーパーにだけ並んでどうするんですかと。そうじゃなくて、伝統小売に並ばなきゃ。アルファマートに並ばなきゃって、そう思うわけですよね。インドマレットに並ばなきゃ、そう思うわけですよね。だから、こんな会社、すごい気になります。以上です。
サカニシ:はい、ありがとうございます。では、今日はこの辺にしたいと思います。
森辺:はい、ありがとうございます。
サカニシ:ありがとうございました。
森辺:どうも。
<終了>