東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、今日はちょっとまたディストリビューターの話に戻って、ディストリビューターの選定を森辺さんはお得意とされていると思うんですけども、選定する内容というか、選定の仕方もそうなんでしょうけど、結構、タイミングとかによってもディストリビューターが扱いたい、扱いたくないみたいな話もあるんですけど、その辺についてあまり今まで話してこなかったと思うんですけど、その辺はどう思われますか?
森辺:なるほど。今日は、もしかしたらこのPodcast史上トップ10に入るぐらい重要な話をしちゃうかもしれない。
東:じゃあ、皆さんよく耳を傾けて。
森辺:と思うんですけど。今、ちょっと東さんに言われて思ったんだけど、結局、一旦現地法人があって、現地でディストリビューターを直接マネージメントして、工場も持って本格的に展開している現産現販型のチャネルビジネスではなくてね、一方で輸出ベースでやっている場合、多いじゃないですか、大手の消費財メーカーでもまだまだ。ある特定の国では工場もあるし、現法もあるし、現産現販型のビジネスをやっていると。一方で世界50カ国に輸出していますという会社って非常に多いと。ただ、その50カ国をすべてで本当に最適化できているかというとそうではなくて、各国で付き合っているディストリビューターってもうはるか昔、20年前に前々々…々任が決めたとかね。そんな中で定期訪問しているんだけど、当然フラストレーションもあれば、本当にそのディストリビューターでいいのか悪いのかということすら分からないまま、ただ、それが弊社のディストリビューターなのでと言って付き合っていると。だから、競合のディストリビューターとの配荷力の違いなんて比較したこともないわけですね。僕がすごく危機感を持っているのが、多くの消費財メーカーさんって、ディストリビューターを選定してマネージメントするのは自分たちの仕事だと言っているんですよ。それはそうです。メーカーの仕事はアジア新興国に合った製品の開発と、それをディストリビュートするためのチャネルづくりと、それを選んでもらうためのプロモーションと投資、この3つしかないのでね。チャネルづくりも本来はメーカーの仕事ですよ。ただ、アジアなんかだと、特にASEANなんか各国優秀なディストリビューターって10社20社ぐらいしかないわけですよね。そうすると、その10社20社を世界中の同業と取り合っているというのが今の姿で、今、多くの世界50カ国に輸出していますというメーカーさんって再構築をしないといけない必要性に迫られているのに、その本当の選択肢が10社20社しかないということにすら気づいていないからね。これは早いもの勝ちなんですよね。競合がいいディストリビューターを取っちゃったら、自分たちはその競合のディストリビューターよりも下のディストリビューターを使ってそこを育成していかないといけない。こんな損なことないわけじゃないですか。僕は早くしないとだめですよ。今、50カ国に輸出している、そのディストリビューションが本当に適正化されているかなんか分かっている企業なんてほぼいなくて、そのチャネルの再構築、ディストリの再構築って今、求められていてね、選択肢も限られている、そんな中で僕はメーカー急がないといけないという危機感をすごく持っていて。最近やっぱりそういうお問合せというかご依頼が非常に多い。大手でもそんな状態なので、本当にそこはクリティカルに重要であると。
東:そうすると森辺さんが言う、その優秀なディストリビューター10社20社いないというのは各カテゴリー毎に10社とか20社という感じなのか、どんな想定値なんでしょうか。
森辺:例えば、フード系で、食品系で20社とかね。ノンフード系で、非食品系で20社とかなんですよね。これ、本当にもっといいところという、うちの基準でね、スキルセットとマインドセットがある一定度以上だって言ってきたら、それぞれ10社とかしかいなくなっちゃうんですよね。だから、各カテゴリーでというとフードとたぶんノンフードで分けるぐらいがいいと思うんですよね。チョコやっているところにチョコやらすってなかなか難しかったりするじゃないですか。ガムやっているところにガムやらすというのも。なので、そうするとここにこのガムを持っていったら配荷力が上がるぐらい、すごく上がるだろうなということが想定できる優秀なAというディストリビューターはもう限られているわけですよ。A社とB社C社とD社しかないと。で、A社が一番いいわけですよね。それを競合に取られちゃったら自分たちはB社にするしかないし、C社にするしかないし、そんなのをアジア市場で目にしているわけでね。またやられた、またやられたということを日々目にするので、私自身も日本の消費財メーカー早くしないとなということはすごく感じる次第でございます。
東:なるほど。分かりました。皆さん、ちょっとこの会は繰り返し。
森辺:これね、もう1回ちょっと焼いて。今日すごい重要なことを言っているんだけど、この後、予定が詰まっていて言葉に熱がまだ乗り切っていないんだよ。もう1回やりましょう。
東:分かりました。もう1回引き続きこの議題で議論していきたいと思いますので、皆さんお楽しみにしてください。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。
<終了>