東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、今日は久しぶりにベトナムのお問合せが、今年ですか、ここ数カ月結構多いんですけども。以前ベトナムの話は、結構このPodcastでもしているんですけども、改めてベトナムという市場がどういうものでというところからではなくていいと思うんですが、結構苦労している理由が共通しているのかなという感じがするんですが、その辺いかがですか。
森辺:苦労している要因って、ベトナムはASEANの中でもいわゆるVIPと言われる後進ASEANで、これからのポテンシャルが高いという期待値が非常に高いわりに、いざ行ってみると当然後進ASEANなので遅れていますと。消費財メーカーなんかが行ってみて分かるのって、生産拠点としてはだいぶ上がってきているけど、言ったら中国の次のチャイナプラス1の流れでベトナムに工場をつくったという流れがあって。なんだけども、一方で消費マーケットとして見たときに、まだマーケットが発展段階であって、ひと言で言うとまだ小さいと。なので、例えば日本の企業が得意としているようなモダントレードというものの数自体がそもそも少なくて。具体的に言うと、主要の小売で1,000数百店舗、非主要を入れても2,000店舗弱ぐらいの話なので、そうするとやっぱりなかなかモダントレードだけでは現地に工場を出しちゃうと黒字化は難しいと。工場の稼働率も上がってこないと。なので、トラディショナルトレードをいかに取っていくかということが非常に重要になる市場で。ちなみにトラディショナルトレードの数って50万店ぐらいあって、そのうち飲料とか食品が置けるTTというのは30万店ぐらいあるわけですよね。だから、本当にTTをやらないと儲からない市場であると。輸出でやっている会社も、消費者がまだ成熟していないのでMTも大した数ないから輸出でやっていても儲からないと。だって、そんなに高くしたら買わないし、MTの数も少ないし。現産現販で向こうに工場を持って向こうで売るというパターンでも、やっぱりTTをやれなかったら儲からないというのが最大の特徴じゃないですかね。
東:そうすると、やっぱりMTの数がほかのアジア新興国に比べても結構少ないという話なんですかね。
森辺:そうですね。なので、MTは当然マストでやるんだけども、MTをやりつつTTを攻略するということがベトナム市場最大の課題で、もっと言うとそのためのディストリビューションネットワークをどう組むかということが成功のカギを握る市場であるかなと思いますけどね。
東:なるほど。だいたいMTでどのぐらいの数があるか、もう1回教えていただけますか。
森辺:主要で1,100ちょっとぐらいなんですよ、非主要で2,000ないので。どこまでをMTとしてカウントするかですけど、2,000ないというふうに思ってもらったらいいと思うので1,500~1,600というとこだと思うんですよね。セブンがようやくインドネシアをやめてベトナムに出るというところなので、ここ5年10年見ていけばコンビニも増えていくでしょうけど、一番大きいコンビニでも100店舗ないですよね。だから、まだまだですかね。
東:そうすると、まだまだ。MTは増えていくかもしれないですけど、その増えていく速度というのはほかのアジアに追いつくほど多くはないという感じですね。
森辺:まだ時間かかると思いますね。TTが主になる、ここ5年10年見ていますけど、劇的にという感じはないですかね。発展はしていますよ、急速に発展はしていますけど、インドネシアのコンビニみたいに一気に2強化、ダーっていう、そういう感じはないのでね、まだまだ時間がかかるんじゃないかなと思いますけどね。
東:分かりました。森辺さん、今日はありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>