東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回、前々回に引き続きなんですけれども、参入戦略とかうまくいっているところとそうでないところの差ということでいろいろお話いただいたんですけども、ちょっとまとめていただくと、どういう情報、事前準備をして、そこからどうやって実行に移ってそれを微調整していけばいいのかというところを、ちょっと森辺さんなりにもう1度レビューをいただければいいと思うんですが。
森辺:情報に関しては、マクロ環境分析的なことは比較的日本企業はできているかなと。要は、その市場どれだけ儲かるの?ということですよね。市場にまつわる情報、それは比較的、出る前に集めることなのでできている印象がありますと。一方で弱いのがミクロ環境で、いくら儲かる市場でもそこではいくつかの競合が必ずいると。日本企業の場合は先人を切って海外にということはないので、出遅れている感のほうが多いので、アジア新興国はね、そうすると必ず競合がいますと。その競合に関する情報がミクロ環境分析だとすると、ミクロ環境分析のほうが弱いかなと。別のフレームワークで言うと3Cとかというフレームワークがありますけど、これはCompany自社ですよね、それからCustomer市場、Competitor競合って3つのCの情報を集めるというフレームワークがありますけど、そんなことをやって情報を集めないといけないと思うので、そういうフレームワークを使ったらいいと思うんですよね。それが重要だという話をして。なぜそれが重要かというと、仮説を持つのに情報ってインプットじゃないですか。インプットゼロだと仮説を持てないんですよね。仮説なので間違っていてもいいんですよ。ただ、大きく方向が間違っていたら困るのでだいたいの方向を定めるための仮説を持つために情報が必要であると。その仮説が持てたら、右上だと、これが左上だったら困りますよ。けど、右上の45度が50度でも55度でも別にそんな細かいのはあとで微調整したらいいので、とにかく右上だということがすごく重要で。そのために情報収集して。右上という仮説を立てたら、あとはもう進んでいくしか、その厳密な角度が何度がいいのか、勝てる角度なのかというのは分からないわけなので、ひたすら進みながら微調整と、そういう話だったと思うんですよね。
東:なるほど。そこでやっぱり重要になってくるというのはポイントポイントで言うとどんな感じなんですか?
森辺:仮説を持つということが絶対的に重要で、実はわれわれの行動って何でもかんでも仮説を無意識のうちに持っていると思うんですよね。例えば、簡単な例えで言うと、靴をちゃんと履かないでつっかけで履いていたら転んでしまうとかって、それって小さいときの経験が転んでしまうという仮説を持っているから靴をちゃんと履いたりするとか。あと、分からないけど、アロハシャツで会社に行ったら当然上司に怒られるわけじゃないですか、だから、アロハシャツでは行かないとか。ちょっと例え悪いね。すごい悪いね。
東:いえいえ。
森辺:何て言うのかな。とにかく仮説がないと進まないわけですよ。どっちの方向に勝ちがあるのか、そこを見極めると。ただ、情報ゼロだったら定まらないですよね。
東:仮説を立てたとしてもその仮説の精度があまりよくなくなっちゃうということですよね。
森辺:そうですね。それこそASEANの中でこのAという商品を一番早く売れるのはどこだ?と言ったときに、ASEAN6だけで考えても、シンガポールとベトナムじゃ全然違う市場だし、インドネシアとタイも全く違うし、そうすると、どの市場が一番勝てる可能性が高いのかというのは見極めていかないといけない。そういう仮説を持つために情報が必要ですということなんですよね。この仮説を検証して修正してまた新しい仮説をつくって、動いて検証してまた新しい微調整して仮説をつくっていって、この繰り返しがゴールに最短で行ける道筋なので、ひたすらこれをやっている企業は成功するし、どこかでそれをやめてしまって、ただただ大変だなあとなってしまうと、負のスパイラルにどんどん、どんどん、落ちていくということだと思いますけどね。
東:分かりました。森辺さん、今日はありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>