東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、最近、BtoBのお客さんからも、結構お声がけをいただくようになっているんですけども、どんな感じか、またお知らせを。結構、悩みが多いような気がするんですが。
森辺:マーケティング研究協会さんのセミナーも、BtoBとBtoCと、実はやっていて、BtoBのクライアントもいるんですよね。そんな中で、BtoCもBtoBも製造業さんの課題って共通であるということは1つあると思うんですよね。モノには自信があるけど販路が弱いと。10年15年前に築いたというか、10年15年前からお取引しているディストリビューターとやっているけど、そこがいいのか悪いのかも分からないし、自分たちが競合に比べてどういうディストリビューションネットワークを持っていて、それが適切なのかどうかということも可視化したこともないと。だから、課題認識としては同じと。ただ、1つ大きく違うのが、やっぱりBtoBの会社さんのマーケティングのレベルの低さというのは驚きを隠せないぐらいにたぶん違うと思います、BtoCに比べると。
東:それは具体的にどんなところが? それは、今までたぶんマーケティングというよりはBtoBは営業というようなところに重きを置いてきたと思うんですけど、その辺の違いもあると思うんですが、どんな感じですか?
森辺:レベル感で言うと、BtoCが社会人だとしたら、BtoBは小学生ぐらいのレベルの違いがあって。要は、マーケティングというものに触れてこなかったんだと思うんですよね。だから、何か戦略を立てるとか、マーケティングをするとかということがひどい話だと、「BtoCの企業が消費者相手にやることでしょ」って、こういう認識を持っていると。自分たちには関係ないと。言ったら、日本企業のBtoBは強かったし、モノさえよければよかったと、売れていったと。BtoBなので、基本的には消費者云々じゃないじゃないですか。
東:そうですね。企業対企業。
森辺:企業対企業なので、基本的には、企業に言われたものをちゃんとつくればその企業が買ってくれるという、そういう構造なので、何かこちらから戦略的にという要素は、もしかしたら…。
東:必要なかった?
森辺:必要なかったのかもしれないですよね。なので、マーケティングの基本プロセスとか、フレームワークをもうそもそも知らない。いろんないくつかのフレームワークあるじゃないですか。4Pとか3Cとか4Aとかね、そのフレームワークすら聞いたことがないという人は多いし、そこにお金をかけるというか、それに投資をしないといけないという認識もすごく薄いという、そんな印象がありますかね。
東:なるほど。そうすると、社内的にはマーケティングというのはあまり必要とされないものだという認識なんですかね?
森辺:マーケティングが必要か必要じゃないかという議論すらなされていないという感じですよね。だから、上司が「なんで売れないんだ?」って、「いや、マーケティングができていないから」という、「何言っているんだ、お前」という、例えば、そういう感じなんだと思うんですよね。でも、一部のアンテナの高い、センスのいい人は気付いているわけですよ。自分たちの会社が、この時代に来て、もうモノづくりだけじゃ世界で売れないと、マーケティングしないとと。社内見渡したら、今まで過去10年、マーケティングのマの字もしてきていないと。どうしようって気付いている人はいるんですよ。けど、じゃあ、そのマーケティングをするために予算をとると。でも、上司がマーケティングという言葉すら分かっていないから、言葉は分かっていても、マーケティングが何なのかということを理解していないので、そんなところに何百万も何千万も予算をとるって意味が不明って、その狭間で苦労しているというケースが大変多いと思うんですよね。
東:分かりました。今日は、森辺さん、時間が来たのでここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>