東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回、前々回とBtoBの話をしてきたんですけども、マーケティングをやることによってゴールというか、やる意味がたぶん分からないというか、「やった結果どうなるの?」というところが具体的に分からないとなかなか一歩を踏み出せないというところもあると思うんですが、その辺もう少し詳しく教えていただけたらと思うんですが。
森辺:マーケティングというとすごく広いじゃないですか。BtoBの企業さんから相談を受けている内容としては、非常に共通していて、状況としては、欧米の競合がまずいますと、いわゆるアジア系の競合がいます、アジア系というのは、中国とか韓国とか台湾とか。そんな中で、自分たちは欧米ほどブランド力もないし、かといってアジア企業ほど安いものもつくれないと、けど、品質はいいんですみたいな中で右往左往しちゃっていると。ディストリビューターさんもいますと。代理店と言ったほうが聞こえがいいですかね、販売店さんもいますと。1カ国1代理店制度でずっとやってきましたと。そんな中で、果たしてディストリビューションネットワークが適切なのかどうかも分からない状態で、とにかく売り上げがなかなか伸びていないと、むしろ、下がっていますと。この状況を何とかしたいという、そういう状況でご相談に来られるんですよね。競合のことを聞いてみると、「知っています」と言うんですよ、競合のことは。いろいろ聞いてみると、あんまりよく知らないんですよね。自分たちの現地の営業が営業をする中で挙げてくるようなレベル。だから、例えば、「御社はこのA社というディストリビューターを1社ここで使っているけども、そのディストリビューターのユーザーさんってどういうとこですか?」と、「何社ぐらいのユーザーがいるんですか?」とかね、「うーん…」って、ちょっと踏み込む質問をすると、自分たちのディストリビューターのことすらよく分かっていないと。ただ、15年付き合っているとかね。一方で、「競合さんって、じゃあ、インドネシアで何社ぐらいディストリビューターを使っているんですか?」とか、「タイで何社ぐらい使っているんですか?」「ベトナムで何社ぐらい使っているんですか?」と言うと、「それもよく分からない」と。当然、競合のディストリビューターが何社いるかも分からないので、その競合のユーザーがどれぐらいいるかというのも分からないと。どこで案件がバッティングしているのかとか、例えば、BtoBとかだと入札になるような案件もあるじゃないですか、それも、入札でだめな要因が何なのかも分からないとか、ちょっと一歩踏み込むと分からないことだらけなんですよね。それが分からないと対策が打てないから戦略をつくるも何もないじゃないですか。ひたすらいい商品だけつくって、また市場に投入するんだけどまた売れなかったみたいな、そういう状況の繰り返しで。そこをやっぱり分かっていないことを明らかにするということがBtoBにとってのマーケティングの、僕は、第一歩だと思うんですよね。それをやらないで、いつまでも、そこにお金がかかるからとか、予算がないからとか、やったことがないからとか、言っていても前に進まないじゃないですか。なので、僕、そこがBtoBの第一歩じゃないかなと思うんですよね。欧米の先進的なBtoBの製造業はお金をかけていますからね、そこにね。だから、そこがすごくやっぱり違うなあという気がします。
東:分かりました。もうこれで今日は時間が来たんですけども、そうすると、具体的に今後BtoBのお客さんとしてはどうしていったらいいかなというのは?
森辺:僕は、BtoBは、やっぱり今の自分たちの海外でうまくいっていない国、ベトナムならベトナムでいいですよ、インドネシアならインドネシアでもいい、タイならタイでもいい、そこを自己診断するというのが一番重要だと思うんですよね。それを客観的に第三者に診断をしてもらう。要は、同じ競合、業界の競合と自社とどれぐらいの差がどこにどうあるのかということを客観的に診断をする。そこから始めないと何の対策も打てないと思うんですよね。だから、まずそこから始めるのが、僕は、BtoBの企業のマーケティングの第一歩じゃないかなと思います。
東:はい、分かりました。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>