東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、最近、オリンピックが近づいてきていてニュースでは下町ボブスレーですか、のことが結構取り上げられていますけど、どうですかね、あれは?
森辺:あれね、可哀そうだなと思って僕もニュースを見ているんですけど。あれってちょっと、ごめんなさい、僕の理解が正しいと、大田区を中心とした下町の中小企業の技術でボブスレーの機械をつくりましたと。それをジャマイカのボブスレーチームが「平昌オリンピックで使う」って約束をしていたんですよね。そしたら「使わない」と言い出して、別の国のそりを使うと。大田区の中小企業の人たちが「約束したのに何なんだ」という、そういう問題ですよね。
東:はい。
森辺:何かビジネスを見ているような感じでね。分からないですよ、ジャマイカの人のことを悪く言うつもりはないけど、ぶっちゃけ、大田区の中小企業のつくるボブスレーを使うよりも、別の国のボブスレーを使ったほうが何らかのメリットが選手なり協会なり国にあったから単純にそうしたというだけの話で、アジア新興国のビジネスじゃよくありがちな問題がオリンピックの世界でも起きていたなという、そんな見え方を僕はして、うがった見方なんだけども、ちょっと性格悪いかな。
東:それは森辺さん的にはどんな感じなんでしょう?
森辺:下町の中小企業、大田区の中小企業が一生懸命つくっているボブスレー、それを使うよりも別の国、どこだったか知りませんけど、何とかという国のボブスレーを使ったほうが先方にとってメリットがあるわけですよ、おそらく。それは、建前上「そっちのそりを使ったほうが速いから」とかって言っていますけど、そんなことはもうあり得なくて。
東:(笑)
森辺:ごめんなさいね、僕、性格が悪くて。アジア新興国とかでビジネスしているとそうなっちゃうんですけどね、もう金銭的なメリットが絶対あるんですよ、裏でね。それで、そっちのほうがいいからそうしたと。外国人を差別していませんよ。上位とか言っていませんよ。ただ、外人なんてそのときどきで自分の都合のいいように全部解釈しだすからね。僕、アメリカンスクール行っていますから、外国人の友達もいっぱいいます。その前提でこういうことを言っています。もう外人なんか自己都合でどんどん、どんどん、自分の見解を変えていくから。日本人みたいに1回決めたことを変えないとか、貫き通すとかっていう、そういう考えないですから。あのときはこう思ったけど、そこからいろいろ状況も変わって環境も変わって私の考えも変わったから今こう思っている、みたいな話なので。仮に契約書があったとしたって、その契約書よりもより得をするんだったらそっちを選ぶわけですよ。契約書があるから守らなきゃなんていうのは、海外では全くないので。例えば、その契約書の賠償金が1億だとするじゃないですか。でも、それを破っても別のことをやったら2億入るんだったら別のことをやるんですよね。それぐらいの話なので、中小企業の海外展開って騙され続けて何十年の世界だと思うんですけど、オリンピックでもこうして騙されちゃうのかという、なんかそんな感じで可哀そうだなと思って見ていました。
東:これって日本側から見たらそうだと思うんですけど、そもそも海外で下町ボブスレーという名前って、たぶん、下町ロケットをちょっとなぞったみたいな感じだと思うんですけど、そんな呼び方されているんですかね?
森辺:いや、どうなんだろうな、下町って。
東:通じないですね、普通の。
森辺:「Shitamachi」と書いてあるのかな? 「Shitamachi」と書いてあるTシャツは着ていましたけどね。どうなんですかね。おそらくそういう認識はないんじゃないかな、どうなんだろうね。
東:そうすると、相手側としては大田区、日本の中小企業がつくった単なるボブスレーと、ほかの国のという見方をされるというんですかね。
森辺:ほかの国も、ちょっと僕、小国だった気がするんですけど、そんな感じで。下町ボブスレー、大田区の中小企業の団体がつくっていて、スポンサーもたぶん大手が結構豪勢にステッカーをぶわーっと貼っていたので、どれぐらいお金を出しているのか知りませんけど、出しているんだと思うんですよね。契約上の賠償金額がニュースの報道で6,400万とか、そんな桁なんですよ。こんなの約束破ってくださいと言っているような桁じゃないですか。通常もう絶対に破られたくなければあり得ない金額を記載するので、もう破ったらまずいというような。だから、ちょっと契約書もどこまでどうなっていたのかというのは、僕、分からないですけどね。契約書が破られるというのは当たり前と言ったらあれですけど、ある意味当たり前で、それよりも契約書での握り方とコミュニケーションをとっていく、日々のやり取りの中での握り方って2つあると思うんですよね。これ、もうボブスレーの話は一旦置いておいて、新興国の海外の人たちとビジネスをするというのは、ちょっと僕、表現力がなくて申し訳ないんですけどね、契約面でのリーガル面での相手のキンタマの握り方と、ビジネスプロセス、オペレーション面でのタマの握り方という、この2つの握りがないと外人とビジネスなんてできないわけですよ。だって、彼らは1回言ったことをコロッと変えることを悪いとは思っていないですから。
東:なるほど。分かりました。ちょっと森辺さん、今日はここまでにして、次回その続きをお聞かせいただければと思います。今日はありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>