東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回の続きになるんですけども、新しい概念を取り入れるのがなかなか、うまく言えば保守的であるということだと思うんですけど、日本企業が。アメリカはそこがうまいということだと思うんですが、1つは新たなサービスが結構アメリカ発であるというのも結構大きいと思うんですが。
森辺:大きいですね。
東:その辺はどうなんですかね?
森辺:僕も本当に自分が保守的で日本人だなと思う瞬間が非常に多いので、たぶんこれを聞いているリスナーの皆さんも一緒なんですよ。いけないな、いけないなと思いながらすごい保守的。もう新しいこと嫌いですからね。基本的には今までやってきたこと、古き良き価値観を守り通す、偉そうなことをPodcastで言っていますけどね、そういうタイプの人間ですと。
東:ただ、そうは言っても時代的には流れていっていると。
森辺:そういう中でアメリカがすごいという、特にシリコンバレーという話だと思うんですけども。こんなデータがあって、日本の世界の競争力のランキングって2017年で26位なんですね。アメリカは1位なわけなんですけど。20年前、日本1位だったんですよ、世界競争力が。それが今26位まで低下していて。フォーチュン500ってあるじゃないですか、フォーチュン社が選出する優秀な企業500社とか。ああいうところに日本企業ってちょっと数字が定かじゃないんだけど、20年(前)、当初150社ぐらいランクインしていたんですよね。それが今、60社ぐらいになっちゃっていて。アメリカも20年前、もちろん日本が2位でアメリカは1位だったのかな、180社とかランクインしていて。でも、今も当時180社なのが今150社とかちょっと減ったぐらいで依然1位で。2位が中国で3位が日本というようなランキングなんですけどね。すごく面白かったのが、20年前のランクインした日本企業と今ランクインしている日本企業って一緒なんですよ。要は、大企業がたくさんランクインしていたのが数が減ったという。ただ、プレイヤーは変わっていないと、20年前とね。一方でアメリカって20年前にランクインしていた企業と今ランクインしていた企業が半分違うんですよね。
東:入れ替わりが大きい。
森辺:入れ替わりが大きい。それって何かというとイノベーションなわけじゃないですか。新しいものをつくっている。例えば、20年前にグーグルあったかというとないですよね。20年前にツイッターあったか、ないですよね。フェイスブックあったか、ない。ウーバーあったか、ないですよね。こういう新しい産業が20年の中でどんどん生まれてイノベーションが起きて。同じ100というランクインの数でも半分が入れ替わっているってこれ、僕、すごいことだなと思って、これがやっぱりアメリカの強さ、生み出す力。これがやっぱり日本はあまりないので、そこがちょっと、うーん…、という感じですよね。
東:なるほど。
森辺:新しいものが入ってきたらまず防御という。そこから、「やばい、もう防御しきれない」となったら、二番煎じ、三番煎じで出ていって、より小さく、より安く、よりよくつくっていくという話だと思うんですけど。でも、このより安く、より小さく、より品質よくつくっていくというのは今、中国や韓国のほうが長けちゃっているから、●伸び量を●(06:07)それから本当にどうすべきなのかって考えていかないといけないですよ。
東:そうすると、1つは新しい企業が生まれているということだと思うんですけど、ハードからソフトへ結構転換されているのでそういう新しい企業が生まれているというのもあると思うんですけど、その辺をやっぱり受け入れていかないと、先ほどのオープンイノベーションの話ではないですけども、いけないということですよね。
森辺:そう。受け入れるってすごくいいことを言ったと思うんですけど、ハードからソフトへの転換で、もともとハードだってアメリカがつくっていたわけじゃないですか。テレビだって日本企業じゃなくてアメリカの企業がつくっていて、それを日本企業が安くよく小さくしていったという話ですよね。それを韓国、中国に取られていって、日本に取られたときアメリカはソフトウェアに転換していったわけですよね。一方で日本企業が韓国や中国企業に取られてきた中で、日本企業はひたすら、「いや、技術力」とか言い続けて、ここまで来ちゃって。今はまだひたすらテレビつくっているメーカー何社残ったんですか、携帯電話つくっているメーカー何社残ったんですかって、BtoCの家電白物、黒物やめているメーカーさんいっぱいいるじゃないですか。世界シェアだってどんどん落ちて、今や世界最大の家電メーカーは中国のIRで、スマホに限って言ったらサムスン、Apple。20年前に韓国の企業に日本の家電メーカーが負けるなんてたぶん誰も想像し得なかった話ですよね。だから、ここがやっぱりすごくまだ尾を引いているんだと思うんですよね。受け入れられないんですよね、特に年配の人たちはこれを受け入れたくないんですね。
東:なるほど。そうするとなかなか、今でも受け入れている部分とやっぱり受け入れていない部分があるということなんですかね?
森辺:と思いますね。
東:特にそれが企業になると鮮明になってくると。
森辺:なってくると。トップが受け入れない、企業、トップだけじゃないんでしょうけどもね、それって。受け入れないで言うと、ちょっと話が飛んじゃうかもしれないけど、ウーバーとかまさにそうじゃないですか。僕、いろんな国に行くときにウーバー使うんですよね。日本だけな気がするんですよ、ウーバーをこれだけ拒否しているの。
東:最近、規制がもっと厳しくなったのか、見なくなりましたもんね。
森辺:こんなことをしていたら本当に世界に取り残されるというか、だって、インドネシアなんかウーバーみたいな会社をどんどん生んで雇用をもっと創出しているわけですよね。交通事情がASEANは圧倒的によくなったでしょう? ウーバーが入ってきたおかげで、ぼったくられない、速い、きれいになったし、バイクなんかも。
東:ウーバーバイクみたいな感じですね。
森辺:ウーバーバイクみたいなの出てきて、それが今度、食品とかスーパーで買ったものの配達。
東:はい。ウーバーイーツありますよね。
森辺:ウーバーイーツみたいなね、あと、ケータリング、そういうものにも発展して新しい産業をどんどん、どんどん、生んでいっているのに、ものすごいそこで遅れていてね。タクシー会社を守りたいのかなんかよく分からないですけど、そんな状態になっていて、どうなんだろうなと思うんですけどね。
東:分かりました。今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>