東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、戦略で重要なことというのは、その1つの要素として情報だということをおっしゃっていたんですけども。情報がインプットだとすると、アウトプットを上げるためにはインプットが必要だということをおっしゃっていたんですけども。もうちょっとイメージしやすいように、情報がないとどういうことが起こり得るのかとか、情報があると逆にこういうメリットがあるとか、そういったとこをちょっと森辺さんなりに教えていただければと思うんですが。
森辺:やっぱり優れたアウトプット、戦略だったり、決断だったり、判断だったりがアウトプットなわけですよね。自分たちの日々の小さなことでもいいと思うんですけど、何を軸に判断がなされているか、しかも正しい判断を迫られるようなときっていくつか、生活をしていても、私たち個人の生活の中でもあると思うんですけども、過去の経験とか情報がものを言うわけじゃないですか、それと同じでして。何だろうな、僕、例えが下手だから、リスナーの皆さん、分かりやすいか分からないけど、シャンプーを選びますというときに、いろんなメーカーでどういうシャンプーが出ているとかっていう情報、どこの店がいくらだとかいう情報、それから、一番いいのは使ったことがあるという情報、こういうものがあると、シャンプー選び、間違えないですよね。シャンプーなんか選び間違えたって別に大したことないですよ。なんですけど、これが海外戦略だと言うと、選び間違えるととんでもないことになるわけで。私たちの日々のいろんな判断というのは情報から成っているわけで、その情報がないのにどうやって戦略を立てるんだろうと。情報がないとどんな戦略ができるかと言うと、日本でこうだったじゃないかということを国内のお偉いさんが言ってくるわけですよね。そこから30年40年遅れた国なんだから、アジアは、日本の30年前をやったらいいんじゃないの?というのが過去の日本の海外進出失敗の非常に大きな要因なわけですよね。
東:よくわれわれもお偉いさんというか、偉い方々にプレゼンをすると、何となくの印象として、すごい偉い人って60代とか70代ですか、森辺さんが言った30年前の、今のアジアに近いところを経験して変なチャネルを築いてきた人たちがいるじゃないですか。ただ、今、一方で海外をやっているのって、どっちかと言ったら40~50代で、そこを知らないで日本でやってきた人たちがやっているので、そういう、昔やっていた人に報告すると、そんなの日本でやっていたことじゃないかとおっしゃるようなことも言われることあると思うんですけど、その辺の年代によっての経験の差が、結構オーナー社長で70代の人が乗り込んで市場を見て判断してうまくいっちゃうみたいなところもあると思うんですけど、その辺はどうなんですかね、結構、組織的な問題もあると思うんですけど。
森辺:例えば、業界にもよると思うんですけど、FMCGで言ったら、まだコンビニとかがこうなる前、いわゆる小売の近代化が起こる前にまさにビジネスの第一線でやっていたような、今で言う、70代ぐらいの人たちに言うと理解しますよね。けど、そのちょっと前の50~60代はもう既に近代化されていたときなので、やっぱり近代化に行っちゃうんですよね。70代と話すとMTやれと、時間かけてやれということになるんだけども、年代によってやっぱり。
東:TTをやれって。
森辺:TTをね、70代はね。そんなの5年10年かかるものだと、かかって当たり前だという傾向の人が僕も強い気がしますね。ただ、50~60代になると、彼らが日本国内で第一線でやっていたときというのはもう、小売は近代化だったので、近代小売とどうやるかという話だったので、アジアでも近代小売だという話になると思うんですよね。それは1つありますよね。
東:ただ、組織的にはもう30代40代50代60代の人たちが基本的には海外に行っているから、今の日本がある程度出来上がったところしか見ていないので、日本のやった通りにやれとなるとなかなかアジアじゃうまくいかないということですかね?
森辺:いかないというのはありますね。あと、1つあるのが、30年ぐらい前の日本と同じなんじゃないの?みたいなことをおっしゃられる方がいらっしゃって。それは、ある意味正しいんだけど、ある意味間違っていて。30年前の日本にインターネットとスマホを持ち込んだ状態が今のASEANだったり新興国だったりするので、そこをやっぱり見てもらいたいという。30年前の日本にインターネットとスマホを持ち込むと相当市場変わるので、そこがやっぱり大きく違うんじゃないかなと思うんですよね。
東:分かりました。森辺さん、今日はここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>