東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回に引き続き、法政大学の特任講師の内容をお聞かせいただきたいんですけども。企業の経営者を呼んでケーススタディをやるということをお聞きしたんですけども、簡単な流れというのをちょっと、どういったことをやっているのかというよりは、どういう流れでやっているのかというのを知りたいと思うので、その辺を言える範囲で教えていただければと思うんですが。
森辺:米倉誠一郎先生なので、言ったら、イノベーションですよね。だから、企業の経営者にイノベーションになり得る提言をしてほしいというのが、先生の、本来のたぶん思いだと思うんだけども。イノベーションとは何か、イノベーターとはどういう人たちのことを指すのか、そんな授業を、歴史を振り返りながら。実は、米倉先生ってハーバードで歴史学を専攻して、歴史学者なんですよね。そういうイノベーションとかイノベーターの歴史を学びながら、イノベーションとは何か、イノベーターとはどういう人たちを指すのか、そんなことを学んでいって。それから、僕が請け負うところというのは、マーケティングのフレームワークを教えるんですよね。ただ、フレームワーク自体は参考書を読めば分かる話なので、どちらかと言うと、フレームワークをどう応用するかと。フレームワークに基づいた戦略の立案が日本の製造業がいかに弱いかみたいな。この20年、一時期はものすごく、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』とまで言われた時代が大きく変わってしまったという、そんな授業をやらせてもらって。実際には、今度、実践みたいな話になっていくんだけども、企業研究するわけですよね。お招きする企業の社長さんの会社を徹底的に研究をすると。研究をして、その会社の次なる一手を社長に直接提言するという、ものすごい内容が充実した、米倉先生だからこそ呼べるという。だから、社会人の学生なんかもものすごく満足度は高いんじゃないかな。価値が分かるからね。学生だと、偉い人が大学に来て話してくれているのに、価値があんまり分からないで。
東:聞いていますよね、たぶん。
森辺:へたーというような、いっぱいいるので。僕も学生のときそうだったので、あれですけども。たぶん、すごく価値のある、バリューの高い授業だと思うんですよね。
東:そういう意味じゃ、課題自体はこういう人が来るから企業研究を事前にしておくみたいな感じなんですかね?
森辺:そう。グループに分かれて、異業種、保険会社に勤めている人もいれば、コンサル会社に勤めている人もいるし、メーカーの人、金融の人、いろんな人がいて、それがそれぞれ5グループぐらいに分かれて、グループで課題を乗り越えていくわけですよ。MBAって、米倉先生も言っていましたけど、授業の内容もそうなんだけども、そこでどれだけの仲間と出会って、その仲間と共に苦しい思いをするかという。で、その苦しい思いを乗り越えるから仲間意識を芽生えて、それが世界に散ったときに、MBAなので世界中からいろんな人が来ていますから、それがまた、人脈としてグローバルに生きてくるという、それがMBAの醍醐味だというふうに言っていたので、まさにそういうことですよね。課題の量なんて言ったらかなりの量なので、もう本当に毎日夜遅くまで学校に残ってみんなやっているという、そんな感じですよね。日中はたぶん仕事しているんでね、社会人だからね。
東:そうですよね。
森辺:夕方から、今の授業土曜日なんだけども。なので、僕も結構。
東:じゃあ、毎週土曜日。
森辺:毎週土曜日行っていて、4時ぐらいから始まるんだけども、午後から準備して授業に挑むわけなので、こっちも結構真剣で、学生も真剣なので。社会人なのでごまかしがきかないんですよ。適当なことを言って、適当に終わらすなんていうのはなかなか難しい、大学院だしね。なので、結構こっちも本気でやらないといけないという、そんな内容で。でも、楽しんでいますけどね。僕、あんまりこういうの向いていないのかなと思ったんですけど、米倉先生に、「手伝え」と言われて。始めたのは今年で2年目ですけど、なかなか楽しんでいる感じです。
東:分かりました。そこに来ている学生さんは、ある一定の選考を経て来ているわけじゃないですか、たぶん。それはどういう人たちが来ているかというのは?
森辺:言ったら、やっぱり志の高い人たちが多くて、何割かというのはあれだけど、クラスによって30人ぐらいの、40人ぐらいのクラスもあるんだけども、10%以上は卒業後起業したいという、そういう人たちが多いですよね。
東:じゃあ、今、企業に勤めているけども、いろいろ考えて、MBAを通じてその後起業をしたいみたいな。
森辺:そうですね。MBA取得後は起業をして自分で事業をやっていきたいという人だと、10%は超えていると思う。
東:結構多いですよね、そしたら。
森辺:だから、そういう子じゃないと、やっぱりMBA来ないと思うんだよね。なので、MBAやるよりも現場に出て実践でという考え方もあるんだろうけど、基礎固めしたいと思っている人もいるだろうし。あと、やっぱり、もちろん今の勤めている会社の中でより大きな仕事をしていきたいと、会社を舵取りするようなポジションに、つまりは、役員、社長を目指すというような子たちもいるし。あと、ジョブを変えて、よりいい仕事に就いて、より充実した生活なり待遇なりを得たいという人たちもいるし。それと、海外からも来ていて、比較的裕福な人たちが来ているよね。アジア圏からも来ているし、アフリカからも来ているし、南米からも来ているし、いろんなところから来ているんだけども。みんなやっぱり志が高いし、国に帰ったら政府機関で働いているような人たちが来ていると。アフリカから日本までMBA取りに来るって結構なことだと思うので、偉いなあと思っていて。そういう人たちがやっぱり日本の企業に1回勤めて、日本の奨学金とかをもらって来ているんだよね。それが、やっぱり国に帰らせちゃうんじゃなくて、それをいかに日本の企業で流動させて、日本の経済に貢献して、最終的には国に帰ったとしても、そういうところまでいかないと、なかなかだめなんだとは思うんだけど。日本の●(09:42)の本社、●(09:43)本社がやっぱりグローバルじゃないでしょ。だから、外国人が働きやすい環境のある会社というのはなかなか少なくて、就職もまた大変なんですけどね。
東:分かりました。今回ここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>