東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、ちょっとビジネスのほうに戻りまして、最近、お客さんが結構お問合せいただく。
森辺:増えたね。
東:と思うんですけど、ちょっと内容の細かいとこまでは言えないと思うんですけど、どういう傾向にあるのか、大手の企業さんたちがどういう考えを持っているのかみたいなところをちょっとできるところまででいいので、リスナーの皆さんにも共有していただきたいと思いますが。
森辺:うちに問合せしてくる企業さん、そもそも販売チャネルどうしよう?という会社さんがほとんどですと。海外に売りたいという方向性の中で、販売チャネルがうち実はだめなんじゃないかというところまでは何となくお気付きになられて問い合わせをしてくるというケースがたぶん大半だと思うんですよね。その中で、最近やっぱりトレンド、僕、2つある気がしていて。その1つが、今まで闇雲にアジアをやってきましたと、別にそんなにアジア、アジアしていなかったし、国内がよければアジア重要だって分かっていたけども、今ほど必死にもなっていなかったと。一部の国ではもう進出しているし、やっているけども、アジア全体を捉えて本気でグローバルなんて言うことはそんなになかったので、言ったら、戦略的じゃなかったと。なので、何だろう、ぶんぶんやっていたという、そんな印象が強い。それをやっぱり戦略的にやらなきゃだめだなということを言い出している企業がやっぱりトレンドとして1つ増えてきたというのと。あと、もう1つ、大手でも、というか、タイと中国には現法があってやっているけど、そのほかの国は輸出でやっていますよみたいな。もしくは、アメリカには工場あるけど、アジアはまだまだ輸出でやっていますよという企業さんって多いじゃないですか。その輸出もやっぱり日本国内外の貿易会社とか問屋さんにひたすら輸出をして、その商品がどこの国にどういうふうに売れているのかというのは全く理解というか、ほとんど知らないでやってきたけど、結局それだと売上どっかで止まるわけですよね。それをやっぱりもっとわれわれが言う、「輸出型でもいいからチャネルビジネスをしなさい」というところにピンときて問い合わせをしてこられる会社さんが多いので、2つじゃないかなと思うんですよ。
東:じゃあ、もう1回ちょっとその2つを整理していただくと。
森辺:1つはグローバル戦略そのものを、工場がベトナムにあるからベトナムだーとかという、今までのね、もしくは、インドネシアにいいパートナー、銀行が紹介してくれたのがインドネシアだーみたいな、そういう話ではなくて、もっとアジア全体を捉えた上で戦略的にどこの国からどう攻めるのかということをもう1回組み直したいという、そういうトレンド。もう1つは、大手でも中堅でも輸出でやっている国というのはまだまだあって、現地に生産工場を持たないステージ、やっぱり持つというとそれなりにシェアがないと持てないので、持たないステージのときに、問屋さん任せじゃなくて、自分たちで現地の消費者、それから小売、中間流通事業者、つまりはディストリビューター、こういったところと接点を持ち、知り、学び、やっていくという、そういう2つのトレンドがあるんじゃないかなと思うんですよね。
東:そうすると、1つ目のトレンドについて1つずつお聞きしていきたいんですけども、戦略性を持って、たぶんグローバル戦略というよりはチャネル戦略を考え始めているというのがたぶん1つ目だと思うんですけど、その辺は、今までどうで、今ちょっと森辺さんが感じている戦略性というのはどういったところにあるというのは、少し教えていただきたいんですけど。
森辺:今までだと、例えば、自分たちの製品は優れていると、非常に優れているのでこれを持ち込めば大丈夫だ、ドーンと行って失敗をするパターン。その失敗に気付いた企業さんは、今度、自分たちの商品はやはり優れていると、なんだけども前回失敗したのは現地にいいパートナーがいなかったからだと。強いパートナーを見つけているから今度こそ成功する、ドーンという、この2パターンだと思うんですよね。けど、これでやっぱり成功してこなかったわけですよ、日本企業って。そうすると1P+パートナーみたいな、そういう戦略じゃなくて、例えば、マーケティングミックスで言ったら、しっかり4P整えて出るとかね、内部環境で自分たちにはそういうノウハウやナレッジがないんだとすると、ただ、ひたすらパートナーに頼るのではなくて、やっぱり自分たちが現地のことを知らなかったら、やらせるのはパートナーだったとしても、知らなかったら、それは現地のパートナーが何を言ったって従うしかなくなっちゃうので、それはやっぱり学んでいかないといけない。そういうことに気付き始めていると思うんですよね。チャネルに関してだって、競合のチャネルが具体的にどういうディストリビューションネットワークというか、デザイン、ストラクチャーが組まれていて、どれぐらいの規模のディストリビューターを何社ぐらい使っていて、どういうエリアに展開していて、小売の配荷力がどうで、小売のSKUってどれぐらい配荷されているのか、MTとTTで配荷率がどうだというのとか、そんなことは全く考えずに、ただひたすら自分たちの商品がいい商品だって出ていっているわけですよね。いい商品なので、気合と根性で頑張れば必ず敵には勝てるはずみたいな。ローカル企業なんて敵じゃないという状況で出ていった、今はね、つまりは品質が悪いから。けど、これってファイブフォースで言ったら、自分たちよりも品質が悪いんだけど代替品としてそれが使われていたりするということは全然あり得るわけだから、そういうことをきっちり調べて戦略を組んでいきましょうみたいな、そういうふうになってきていますよね。
東:分かりました。2つ目に関しては次回お聞きしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>