小林:皆さん、こんにちは。スパイダーの小林マアヤです。今回も、東が海外出張に行ってるため、私がナビゲーターを務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
森辺:皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。よろしくお願いします。小林さん、今日はどんな。また日経新聞の記事かな?
小林:はい。今回も日経新聞の記事をピックアップして、それについて森辺さんにコメントや解説をしていただきたいと思います。今回ピックアップする記事なんですけども、2018年4月25日、朝刊8面に出ておりました「タイ、次代の産業集積 アリババやボーイング誘致 高付加価値にシフト」。こちらを
森辺:見た見た。高付加価値にシフトってやつだよね。記憶にあります。この記事の内容は、たしかタイって、言ったら製造業の産業集積地だよね。日本の企業も相当数出ているし、ASEANでは多分最大規模の産業集積地だったと思います。この産業集積地が最近変わり始めてるっていう記事で、どちらかっていうと、次世代の高付加価値の産業集積地になってきてると。まあ、これは当然の流れで、タイもいよいよついにそのレベルに達したなという状況なんだけども。僕、すごく思い出すのは、1980年代のシンガポールなんだけども、当時、僕14歳ぐらいでそこに住んでたんですよね。当時のシンガポールっていうのは、まさに現在のタイのように生産拠点としての位置づけが非常に強かったと。当時から当然金融が非常に盛んでね、シンガポールでは金融としての国の位置づけってのは当然あって。あと、もちろんシンガポールのポートの立地を活かした港としての重要拠点でもあったんだけども、三つ目として、生産拠点としての需要ともにありましたと。ただ、80年代後半、90年代に入っていくと、当然シンガポールの人件費も上がってきていて、シンガポールよりもマレーシアとかね、バタムなんかに工場が移転してったり、インドネシアに移転してったりってのがあったんですよ。その中でタイっていうのも出てきて。どっちかっていうと日本の企業はマレーシア・タイっていう方が多かったのかな。フィリピンは外資の優遇施策ちょっと遅れたし、なかなか危険な国っていうのがつい最近までやっぱりあったので。フィリピンでの工場ってのは、日本の企業少ないと。で、ベトナムとかは、まだまだな国だったんでね、当時はね。なかなかベトナムに工場ってのもハードルが高かった。インドネシアもそうだった。VIPに工場ってのは、なかなかなかったんですよ、当時。SMT、シンガポール、マレーシア、タイに工場っていう、そういう流れで来てて。今でこそ、ベトナムやインドネシアっていうのは消費地でもあるけども、これからのポテンシャルを考えた消費地でもあるけども、生産拠点にもなりつつあると。そんな中で、タイが生産拠点としての位置づけが、すごく変わってきたっていうのは、一番の要因は、タイが豊かになったってことの表れなんですよね。豊かになった。タイの国民が豊かになった。所得が高くなったと。よって、工場で働く人の人件費が当然上がるので、タイで作ってたんじゃ、なかなかグローバルでビジネスにならないと。特に、ローテクの製品を作ってたんじゃ、ってことなんですよ。そりゃそうですよね。一個100円のものをね、タイで、人件費が例えば10ドルの国で作るのと、一個10000円で売れるものを、人件費が10ドルの国で作るのでは、全然●(6:32)が違うので、そういう意味ではタイの人件費の高騰を考えると、もうローテクのものをタイで作ってたんじゃだめですと。人材の所得も上がったけど、彼らのスキルも上がってるんでね。より高度なことができる、インフラがある、人材がいる。したがって、アリババとかがたしか誘致されてるんだよね。ボーイングとかね、そういう会社がやっぱり誘致をされてきてて。逆に、これからローテクって、もう進んでるけどやっぱりベトナムとか、メコン経済圏、カンボジアとかミャンマーとか、そういった所に移っていくっていうことなので、タイの経済成長を考えるとね、いよいよそういう時期に来たか、という状況じゃないかなと思うんですよね。もう今、シンガポールなんかは普通に製造業を誘致なんてのはまずやってないし、製造業がそこに工場を持ちたいとか会社立てたいってなったら、日本人駐在員一人に対して何人のシンガポーリアンを雇わなきゃいけないとかね。そもそも、シンガポーリアンの管理職の年収って、日本の管理職の年収よりも高かったりするんで、正直R&Dの拠点にしかならない。逆に言うと、高度な研究開発とかね、AIとか、ああいう今積極的にあれが進められてるブロックチェーンとか、ああいうものの研究開発は、シンガポールはお金まで出してくれるから。そんなことは昔は無かったんで。それと同じようなことが、またタイでも起きはじめてるっていうことなんじゃないかな。まあ、ASEANがやっぱり豊かになってきてると。特に、SMTはそういう市場に変わってきてるよっていうことなんだと思います。こんな感じでいいですかね。
小林:はい、ありがとうございます。では、そろそろお時間がきましたので。
森辺:はい、じゃあこの辺にします。じゃあ、皆さん、また次回お会いいたしましょう。
小林:ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>