小林:こんにちは。ナビゲーターの小林マアヤです。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
小林:本日は、5月18日に私同席させていただいた、マーケティング研究協会主催の、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカー向けの「先進グローバル企業に学ぶ アジア新興国における戦略的チャネル構築」。
森辺:うん、長いね。
小林:長いですね、すいません。
森辺:いやいや、俺がつけた名前だからね。テキストに書いてあるんですよ、リスナーの皆さん。すいませんね、毎回毎回。こっから番組聴く人もいるんで、一応言っとかないといけないからね。
小林:そうですね。
森辺:丁寧に、小林が言ってますけども。はい、それについて、また質問をやると。
小林:はい。
森辺:会場で質問がたくさん出ましてですね、その質問をリスナーの皆さんと共有したいということで、引き続き、じゃあ質問と。今日はどんな質問ですか。
小林:本日は、欧米企業は日本の企業よりも20年早く参入しているが、欧米企業も初めはどうだったのか、という質問です。
森辺:はいはい、覚えてますよ。欧米企業は、日本企業よりもASEANに進出したのが20年ぐらい早いでしょっていう話をしていて、進出っていうのは、マーケットとしてASEANを見てるのが20年早いよと。日本企業も80年代90年代出てなかったかったら、出てたけど、生産工場として出てて、物も売ってたけど大して本気になってないっていうかまったく本気になってない状態だったわけで、ここ最近本気になってるわけですよね。でももう1980年代後半ぐらいから、欧米の企業ってのはASEANのマーケットを本気になって取ってるわけですよ。これ、FMCGの業界の話をしてますけどね。ネスレとかユニリーバとかP&Gはね。当時じゃあどうだったのかっていうと、20年前っていうと、ASEANのディストリビューターの社歴が2・30年。長くて30年ですよ。大体25年とか20年とか、そんなもんなんで、当時欧米企業が出た時なんて、ディストリビューターっていう業種がそもそもほとんど存在してなかったっていうね。小売りもMTが無い時代。想像つかないですよね。ベトナムとかも、国営デパートが一個あるとか。エアコン効いてないみたいな。たまに北朝鮮で変なデパート見るでしょ。北朝鮮の報道の中でね。ああいう状態ですよね。それが他のASEAN行ったって、モダントレードなんていうのがほとんど無かったと。車で1時間ぐらい走った所にドーンと大きく一個あったりとかね。そういうレベルですよね。だから、ほとんどが所謂TTと言われるようなもの、グローサリーストアとかね。そういうレベルですよね。そんな中からやってってるわけですから、本当に欧米企業と日本企業の最大の軸の違いって言ってもいいぐらいのことその中間層、頭では重要だと分かっていても、富裕層に上振れする日本企業と、中間層がアジア新興国の、ASEANの最大の魅力だと芯から理解してる欧米企業の大きな差にも繋がるんだけども、彼ら、そんな時代から出てますからね。思いっきり中間層を狙ってやっていたと。だから、初めはどうだったのかっていうと、今の日本企業よりも大変だったんですよ。その中で、どうやって中間層の人たちに本当に買ってもらえるんだろうかっていうことを考えに考え抜いたから、あれだけのディストリビューションネットワークを作ったし、チャネルの重要性を理解したし、商品を小分けにするっていう技というかテクニックというか、ことも考えたし、原材料も変えるし、色んなことやってったわけですよね。だから、その覚悟が違うんじゃないかなと。今の日本の企業、今のASEANをやってる企業よりも、よっぽど大変だったと思いますよ。だって、MTないんですよ。ベトナムが1500で少ないとかって言ってる状態と違って、無いんですからね、MTがね。だから、ディストリビューターなんかは、「私たちはP&Gに育てられた」と。「彼らは絶対に裏切れない」とかね。「我々は、ネスレと共に成長したんだ」ってオーナーが言いますからね。そうすると、ネスレの競合になるような物は、独占契約になってなくても扱わないし。それぐらいやっぱり思い入れがあるディストリビューターってのがいるので、今より大変だったんじゃないかなという風には思います。コカ・コーラとか見てもらって分かると思いますけど、世界中どんな僻地に行っても、コカ・コーラとスプライトは絶対置いてません?
小林:そうですね。
森辺:あれがまさにでね。「こんな所、商売になんないよ」って、多分日本の飲料メーカーだったら言うんですよ。けどそうじゃなくて、彼らはそういう所にも行くわけですからね。だから、欧米企業、初めはどうだったのかと。いやあ、もっと大変だったよと。大変だったんだけども、中間層を取り込むというところからブレずにやってきたのが、今じゃないかなという風に思います。
小林:分かりました。ありがとうございます。
森辺:はい、ありがとうございます。
小林:では、お時間やってまいりましたので、本日はここまでにしたいと思います。皆さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。
<終了>