東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:では、森辺さん。引き続き、大石先生を迎えてですけど、前回の引き続きで、中小企業とかBtoBの企業さんからのご依頼が増えたとかっていうお話だったんですけど、よろしくお願いします。
森辺:大石先生、よろしくお願いします。
大石:はい、よろしくお願いします。中小企業でいうと、今年出す本の中で取り上げようと思っているのは、CChannelですね。元LINEの社長の森川さんが立ち上げられた女性向け動画。30秒動画。あれ、森川さんに聞いたら、もう10か国に出てるんですよね。ほいで、パートナーシップを結んで、向こうの方に現地の方は任せてるんですが、やっぱり結構アクセスがあって、そこの中で物販もやっているという形になってるんですね。これが一つあって。それから、二つ目のサービス業では、足立区に喜久屋というクリーニング屋があるんですが、喜ぶに久しい、屋号の屋、ですね。そこの中畠社長という方が非常に面白い方で、すべては顧客志向。顧客のために、というビジネスを徹底されてるんですよ。従業員に。で、副社長のシマダさんという方は、工場を任されてるので、「いや、そんなことばっかりやってたら、常に赤字になっちゃう」と言って、そのせめぎ合いがあるんですが。例えば、喜久屋有名な話は、この、シャツなんかのボタンが取れてたら、必ずつけて返すということ。だから、300種類以上のボタンを常に保管していて、元々取れていても、クリーニング中に割れても、とにかくすべてチェックして、つけて返すと。でも、これが喜久屋の一番の問題ではなくて、実は、衣替えで預かった服を、冬物を、例えば半年間預かると。夏物を半年間、無料で預かるわけです。
森辺:それ、助かりますねえ。
大石:でもね。これは単なる顧客サービスという風に考えると、間違いなんですよ。これ、有料でやってるクリーニング屋さん、他にもあるんですよ。中畠さんは、これを設備の平準化と抱き合わせてやるんです。つまり、MAX合わせて機械、洗濯機だとか乾燥機を用意しなければいけない、従業員を手当てしなければいけないと、コストがかかるじゃないですか。ところが、今預かったものを11月に返せばいいっていうことになると、クリーニングを9月ぐらいにやっても十分にいいんですよ。そしたら、機械の稼働率、従業員の手当てを平準化できるわけです。これを週ベースでもやっていて、土日にクリーニング屋はドッと来ると。それを3日で返すということになると、その時のキャパが必要になってくる。これを10日で返せばいいということになれば、指定日に「来週の水曜日でいいですね」っていうことにすれば、機械の平準化ができるのでコストが下がる。お客さんは喜ぶし、自分のところはコスト削減でwin-win関係だから、冷暖房入れた倉庫に預かってもOKだと。そういうビジネスモデルなんです。
森辺:なるほどね。いや、たしかにそれ助かりますよね。
大石:これをタイでも、今25店舗あるんですが、全部同じサービスをタイでもやってる。
森辺:ふーん。
大石:だから最初は、駐在の日本人の人たちに大変喜ばれたんだけど、今やタイの一般の人たちも「喜久屋のサービスは素晴らしい」っていうことで、そういうお客さんになってるわけで。今年はそれを東南アジア諸国にワッと広めようと考えておられるということで。中畠社長には、群馬県でグローバルマーケティング研究会を9月が10月にやっていただくというお約束をしているんですけどね。見た目もごっつい、ちょっと、ファッションも抜けたおじいちゃんなんですけれど。今度孫ができたというから、孫競走やってんですけど。
森辺:おいくつぐらいのお方なんですか?
大石:どうなんですかね。60…見た目は若いんですけどね。私と違って髪の毛もバリバリあるし。だけども、60過ぎてるかもしれませんね。二代目らしいんですけども、なかなかね。従業員全体が、顧客志向を徹底していて、という形で。森川さんの所は、別に面白いのは、動画を作るの、最初は男で作っていたけども結局だめで、もう今は従業員で動画が作れてモデルになれる人を従業員に雇ってるんですって。だから、赤坂のオフィスに行くと、若い綺麗なお嬢さんたちがいっぱいいて、みたいなね。そこはもう、謂わば「女性のために」という形になってるし、喜久屋の場合は、別にミレニアル世代を対象にしているわけではないですけど、まあ平均顧客の年齢がやっぱ40ちょっとだというので、大体その近い、お母様世代の人たちが対象で、その人たちのためになることだったら、何でもやると。こういうビジネスモデル。
森辺:なるほどね。まあ、両方ともまったく違うビジネスですけど、それぞれにあれがあるんですけど、CChannelって10か国に向けてるんですね。男性だとCChannelなんか見ないですもんね。
大石:見ないね。僕、知らなかった。見たことありますか?
森辺:今、うちの秘書に、先生が質問を。
大石:大体対象だと思いますよ。森川さんの話によるとね、25歳ぐらいの、下ぐらいが一番やっぱりコアターゲットらしいです。もうちょっと上の人たちも、要するに色んな、洗濯の仕方とか服の着方とか、そういう日用的なものが動画で流れるわけですよね。メイクの仕方とか。だから、そこのところが受けるらしいんですけど。僕ら男には分からないですね。
森辺:そうですよね。たしかになんかYouTubeとかっていうと、見ないですね。たまーに
大石:面白いですよね。LINEの社長を辞めて、多分安定して収入もあったと思うんですが、そういうものを立ち上げようというね。男性で、森川さんもそこそこいい年齢でしょう。40前後だと思うんですけど。その発想と、それをやり抜いて、今は本社だけで百何十人かの社員がいますし、
森辺:すごいなあ。
大石:海外合わせると300人、海外のあれだけでも300人を越えてる言ってますから。それをわずか数年で立ち上げてやっていったってのは、大したもんだな、と。やっぱり。
森辺:数年ぐらいですよね。5年とかそんなもんですね。
大石:だから前回ね、森辺社長が最後の方で言われたように、やる気があるというか。中小中堅企業だめだっていうんじゃなくって、それを、未来を切り開いていく人たちが増えてきたっていうことが、非常に、僕、頼もしいなって思ってますよ。
森辺:そうですね。それは私も感じます。先生、じゃあ引き続きそんなお話をお聞きしたいんですけど、また今回お時間きてしまいましたんで、一旦ここで終了したいと思います。
大石:はい。
東:森辺さん、大石先生、ありがとうございました。
大石:はい。
森辺:はい、ありがとうございました。
<終了>