東:こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺:こんにちは、森辺一樹です。
東:今日は森辺さん、CMとかもやっているSansanの方をお呼びしているのですけど、森辺さんの方からご紹介いただいてもよろしいでしょうか。
森辺:今日のゲストは、Sansanの取締役、Sansan事業部の事業部長でおります富岡圭様をお招きしております。富岡さん、どうぞよろしくお願いします。
富岡:よろしくお願いいたします。
森辺:まず初めにナビゲーターの東の方から、富岡さんのプロフィールを簡単にご紹介させていただきます。
東:「Sansan株式会社取締役、Sansan事業部の事業部長でいらっしゃいます。幼少期を香港で過ごし、大学卒業後オラクル日本法人に入社。九州エリアを経て、上海やバンコクを拠点にグレーターチャイナ、中国、香港、台湾、東南アジア、インドのマーケット開拓を担当。2007年に仲間とともにSansan株式会社を創業し、世界初の法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」を提供開始。2013年11月時点で1,500社以上の企業に導入されていると。日本初のITサービスで、世界を変える新たな価値の創造を目指して妄想中」ということで。
森辺:冨岡さん、このSansanなのですけど、私どもの会社でもつい先日入らせていただいて、非常に社内でも活躍をしているのです。富岡さん自身のご紹介、自己紹介とSansanという会社、非常に有名な会社ですけれども、まだリスナーの方、知らない方もいらっしゃるかと思いますので、その辺のお話からちょっとお聞かせいただければと思います。
富岡:ありがとうございます。私の紹介に関しては、今キャリアについてはご紹介いただいた通りではあるのですが。元々私自身、海外、グローバルにビジネスをしたいなということを小さい頃から思っていて、それは多分幼少期に香港で過ごしたという経験がすごく大きかったかなと思います。香港は当時イギリス領で、色々な国の人たち、欧米からも金融センターでもあったので、人は集まっていましたし、私は向こうの幼稚園にも行っていましたけど、イギリス系の幼稚園で先生はオランダ人みたいな。日本人は私と妹だけみたいな、そういう環境でもあったので。グローバルでやりたいというのは、自然だったのかなと思っていて。
森辺:イギリス系の幼稚園に。
富岡:行っていました。その後、日本人幼稚園も行きましたけど、一番最初に行ったのはイギリス系の幼稚園でした。
森辺:香港だとよく幼少時に英語名をつけられるとかというのは、あれは幼稚園ではなかったでしたっけ。もうちょっと上でしたかね。
富岡:幼稚園でつけられたりもします。
森辺:ちなみに富岡さんのイングリッシュネームは。
富岡:ただ、つまらないのです。僕はそのまま圭というのがファーストネームで、覚えられやすいので、そのまま「ケイ」で呼ばれていました。日本人でちょっと外国の方に覚えられづらいとか長いと、ミドルネーム的につけたりする人もいますけど、私の場合はそのままケイというファーストネームです。
森辺:特殊な幼少時を過ごされたという感じなのですね。大学卒業して、香港で過ごして、その後はどうされていた。
富岡:小学校に入る前には日本に戻ってきていて。ただずっといつかグローバルでやりたいなという思いを持っていて、就職するときに世界に少しでも近いかなということで外資系の会社に入って仕事をし始めたと。そうしたらいきなり最初の配属先が福岡で、グローバル行きたいなと思っていたのですけど、ローカルな感じの配属だったのです。でも福岡はすごくいいところで、もう出たくないなというぐらいで。私にとって刺激的だったのは、福岡はアジアの玄関口というキーワードなんかも掲げていて、結構アジアと、中国と韓国なんかは特に非常に近かったので、そういう人との接点があって、より海外への思いがそこで強くなったと。
東:福岡は何年ぐらいいらっしゃったのですか?
富岡:福岡は4年間いまして、九州エリアの法人営業をしておりました。
森辺:その後、海外勤務されているのですよね。
富岡:そうです。九州から東京に戻ってこないかという話が結構いろいろありまして、でも九州離れたくないなと。気に入ってしまって。と思っていたのですが、ただ3、4年いるとだんだんビジネスも慣れてくるなかで、昔から思っていたグローバルでやりたいという思いも芽生えている中で、ちょうど2003年、今から10年ほど前なのですが、中国に進出する日系企業というのがすごく増えている、ブームの時期で。中国には中国で中国オラクルという現地法人があるのですが、そこに出向をして、主に日本企業との支援だとか、パソコン向けの営業ビジネス開発をするというチームを作ろうという話があって、そこで面白そうだなと思って手をあげて、チームの立ち上げに参加したと。
森辺:グレ-ターチャイナ、東南アジア、インドのマーケットの開拓をご担当されていたと。
富岡:そうです。最初は中国と、香港、台湾を担当して、そこで3年間やりまして。その後東南アジアプラスインド、中国の次ということでインドが注目されていて。「東南アジアとインドの開拓をしてもらえない?」という話があって、今度はオラクルのタイの現地法人に出向して、そこから東南アジアとインドのビジネスに関わっていました。
森辺:では、もうご自身でも海外マーケットの開拓を前職でもやられていたという感じなのですよね。2007年にSansan株式会社を仲間と共に創業されて、世界初の法人向けクラウド名刺管理サービス、Sansanのサービス提供を開始したと。今1500社以上の企業に導入されていて、テレビCMもやっていますもんね。あれがすごく面白くて、ぜひリスナーの皆さんもこれ検索したら多分出てくると思うのですけど、YouTubeとか御社のホームページで?
富岡:ホームページに。
森辺:そうですよね。SansanスペーステレビCMとかでバッと出てくる感じなのですよね。
富岡:そうです。Sansanとローマ字で「S・A・N、S・A・N」と検索していただくと、そこのところで出てくると思います。
森辺:コメディーなCMで非常に面白くて、こういうことあるあるというので、それでうちも入らせていただいて。
富岡:ありがとうございます。
森辺:今1,500社以上の導入があって、今度そのSansanの創業から、今の事業内容を含めてSansanのご紹介をお願いできますでしょうか?
富岡:Sansanという会社は、そもそも会社名が変わっているのですが。「S・A・N、S・A・N」でSansan株式会社です。2007年に創業した会社で今7期目に入ったところです。事業としてはクラウド型名刺管理サービス。インターネット上で名刺管理をするというサービスを提供しています。2つのサービスを提供していて、1つは営業を強くするという名刺管理というコンセプトの法人向けの名刺管理サービスです。2つめが、これは去年始めたのですが、個人向けの名刺管理アプリ「Eight」というアプリです。この2つを提供している会社となっています。
森辺:「Eight」も招待いただいて、iPhoneでアプリをダウンロードして渡していただきまして。使い方がよくわかっていないのですけど、これから使っていこうと思っています。
富岡:ありがとうございます。
森辺:2つのサービスを展開していると。ちょっと具体的な2007年に名刺で、クラウドで創業したという想いなり、戦略なりがあってのことなのだろうなと思っておるのですが、何かその創業辺りのお話を聞かせていただいてもよろしいですか?
富岡:分かりました。もともと名刺に着目した理由なのですが、自分たち自身困っていたというのが1番の理由でした。私、前職がオラクルというコンピューターソフトウエア会社に勤めていて、オラクルというのは、主な製品としてデータベースといわれる情報をためる箱のソフトウエアを提供しているのですが、そういう会社でも、なかなか人とのつながり、要は人脈と言われるものの管理をされていなくて。たとえば、私が九州で営業をしていたとき、新人なのでお客さんは自分たちで開拓しないといけないということで、頑張って電話でアポイントメントをとって、ようやく会ってもらえて話しが進んで、お客さんの社長さんに会えると。というふうになって会ったときに「御社だったら昔から誰々さんにお世話になっていましたよ」みたいなことを言われる。結構ここまで苦労してきたのに、なんだ、あの人と知り合いだったのかと思って、会社戻って東京に異動になったその人に電話して「こんな話聞いたんですけど」と言ったら、「何だよ、俺あの人とはもう10年来の付き合いで、先月もゴルフ行ったんだよ。言ってくれたら紹介してやったのに」みたいな話がよくあって。何でこう、みんなにとって無駄だなと思っていて。そんな思いをずっと福岡で営業している、九州で営業しているときに思っていたのですが、そのあと先ほどのお話の通り中国行ったり、東南アジア行ったり、インド行ったりしたのですけど、どこでも結構同じような課題というか、現象があって。どこの国でも、人脈の大切さとか人のつながりの重要さというのが変わらないなと思っていて。名刺も交換されていますし、どんな世界でも、アジアでも交換されていましたし。なので、これ僕自身困っているし、世界的に見ても可能性あるなということで名刺管理のビジネスをしようと。自分たちの課題を解決したいなというのが元々名刺管理に着目したきっかけでした。
森辺:名刺というのは、ビジネスでやっている人であれば世界中どの国でも名刺は絶対に持っていて、その渡し方とか作法とか日本はハリウッドの映画でも有名になるような、両手で頭を45度下げてみたいな、作法の違いをね。アメリカ人なんかは、バーッと投げたり、テーブルの上滑らせたりしますけど、そういう違いはあれど、やはり名刺というのはあって、どこも管理というのは効率的に出来れば一番良いということですもんね。
富岡:おっしゃるとおり、名刺の価値は国によってかなりばらつきがあるのですが、そうはいっても名刺はどこの国のビジネスパーソンでも持っていて、名刺を出して「これ何?」と言われることは、ビジネスシーンではないので。
森辺:中国なんかの大きな展示会に行くと、展示会の周りに名刺コレクターみたいなバイトのおばちゃん、おじちゃんがいっぱいいて、とにかくやたらめったら名刺交換をしてくるのですよ。よく営業会社が品川とか東京の駅で「すみません、新入社員です。名刺交換させてください」みたいなのと一緒で。それで突然名刺交換するので、彼らと話しをしていたら、カモは日本人なのだと。なぜなら、日本人は名刺の価値を非常に重く置いているので、名刺を出されるとついつい出すと。外国人とかは「何だよ、お前知らないよ。」と名刺をあまり出さないらしいのです、初対面でいきなりこられても。けど、日本人は名刺を出しちゃったら条件反射で名刺を出すから稼げるらしくて。1日100枚集めろ、200枚集めろというノルマがあるらしいのです。その名刺のデータをメールマガジンとかああいうのでガーッと送ったりするのでしょうね。名刺1枚いくらで売れるといってね。なんかそういうのがいっぱい流行っていたというのがありました。名刺は重要ですもんね。なるほど。そういう想いで会社を創業して、これであればいわゆる世界で戦える企業が作れるということで、設立当初からグローバルをある程度視野に入れて作っているという、そんなイメージなのですかね。
富岡:そうです。私自身もバックグラウンドの中でも、ぜひ世界には出て行きたいなというのはあって、特にアジアで仕事をしていて製造業はかなりグローバルで、活躍というか浸透しているなと思っていて。それこそ中国にいても東南アジアにいてもインドにいても、日本の家電だとか車を使ったり乗ったりしている人がたくさんいたのです。一方で私が携わっているIT業界は今のスマートフォンでもそうですし、パソコンでもそうですけど、ほとんど海外、特にアメリカ製のものが多くて。ソフトウエアなんて言うとほとんどパソコンの中のソフト、スマートフォンの中のソフトは海外のものが多いです。私自身は日本から世界に通じるサービスを何かやはり作りたいなという、そういう思いが個人的にもありましたし、会社としても一番最初に、5人で創業したのですが、会社設立する前に5人で合宿をして僕らの理念を定めようという中で、そこでは世界を変えられる価値を生み出そうという、世界をキーワードにした言葉を入れて始めました。
森辺:ちょうどこれホームページに掲載されているあれなのですけど、「世界を変える新たな価値を生み出す」ということで、非常に興味深い文章が会社の想いが、理念ですかね。それが掲載されているのでリスナーのみなさんもぜひSansanのホームページを見て1度読んでいただければと思います。今回はそろそろお時間なので、次回またSansanというサービスと「Eight」というサービスの詳細について詳しくお聞きしていきたいと思います。また、3回目、4回目に関してはSansanの今後のグローバル展開みたいなところのお話もお聞かせいただければなと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。
富岡:よろしくお願い致します。
森辺:ありがとうございました。
富岡:ありがとうございました。