東:こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺:こんにちは、森辺一樹です。
東:森辺さん、引き続きSansanの富岡さんをお迎えしているのですけど、今回はどういう話を。
森辺:今回はSansanの会社名でもあり、サービス名でもあるSansanというサービスと、それから「Eight」というサービス、この2つのサービスについて詳しく富岡さんに聞いてみたいと思います。冨岡さん、どうぞよろしくお願いします。
富岡:よろしくお願い致します。
森辺:まずSansanなのですが、あれはどんなサービスになるのですか。名刺管理のサービスだということはよくよく分かっているのですが、詳しくお聞かせいただければなと思います。
富岡:Sansanというサービスは営業を強くする名刺管理というコンセプトの法人向け名刺管理サービスになっています。名刺管理というと、今までほとんどが個人の便利ツールというか、個人で年賀状を出すときにリストを作らないといけないとか。その使い方が多かったのですが、私どもは名刺というのは営業活動に必須のツールであるという風に考えて、その情報を生かして営業強化をしていこうという、そんなコンセプトのサービスをはじめまして、それがSansanというサービスになっています。
森辺:なるほど。これはテレビCMでもやっているので、非常に有名なので、「あっ、なるほど」という。概要は非常によく理解したのですが、これは具体的にどんな料金体系で、どういうビジネスモデルというか仕組みで回っているものなのかをお聞かせいただいてもよろしいですか?
富岡:ビジネスモデルなのですが、特徴としてはアウトソーシングとクラウドサービス、インターネットのサービスを組み合わせたサービスになっています。具体的にどういったモデルかというものなのですが、まず最初に、ユーザーの企業様に名刺を読み取るスキャナーとタッチパネルのパソコンをレンタルさせていただきます。ユーザーのみなさんは、名刺をもらってきたら会社に戻ってきて、そのスキャナーに名刺をセットして、タッチパネルのパソコンに自分の所属だとか、名前が出ていますので、それを選びます。それは自分がもらう、例えば私がやる場合は、富岡という名前をそこから選んで、富岡がもらった名刺ですよという印をつけるのです。あとは日付を選択することが出来ます。そしてスキャンをしていただきます。そうすると、その画像の情報とタッチパネルで選んだ、誰がいつもらった名刺かという情報が私どものセンターの方に送られてきます。インターネット経由で、です。ここでデータ化をするのですが、それは1つ目の特徴で、裏で、実は人手で名刺をデータ化しています。一般的に、個人向け名刺管理ソフトというのは、ソフトウェアを使って自動的に変換をするのですが、ミスが結構あってうまくデータ化できないということで、結構みなさん使われなくなってしまうのです。特に法人向けの場合は1文字間違えるとなかなかビジネスに使えない、例えば検索できないとか、Eメールを送るにも1文字間違えたら届きませんので、なので性格なデータを、人手を使ってデータベース化する。そこでたまった情報に対して、ユーザーさんはパソコンなりタブレットなり、スマートフォンなりを使ってアクセスして名刺の情報を活用できるという、そんなような仕組みとなっています。
森辺:3年、4年、5年くらい前ですかね。毎年私年賀状を1,500通ぐらい出すのです、会社で。私が名刺交換をしてきた名刺とかを、会社の女の子がパチパチExcelに打っていたのです。社員は自分でやれと。役員だけは総務の女の子がパチパチ打つということをやっていたのですが、いつの間にかみんな会社で名刺をパチパチ打っているわけですよ。帰りも遅くなるし、効率悪いなということで、全部総務でパチパチ打つようにしたのですけど、そうすると総務の子が一日中名刺をパチパチ打っているのですよ。そういう大変なものを、全部アウトソーシングしてくれて、なおかつそれはいわゆるテクノロジーとインターネットで、いわゆるバックヤードで全部他の人が打っているという、そんな仕組みになっているわけですよね。
富岡:おっしゃるとおりです。
森辺:なるほど。機械もそうなのですが、今どれくらい精度が上がっているかというのが分からないのですけど、それが大変だったので3年くらい前に名刺スキャナーみたいな器械を買って読み込んだのですよ。1,500通出したら文字が違うという、文字間違えで3分の2ぐらいが戻ってきたのです。切手代が大分無駄になった覚えがあって、それで私今回サービス、CMを見て面白いと思って入ったのですけど、それを全部解消してくれるというサービスなのですよね。
富岡:そうです。まさに正確なデータベースを作ると。データベースを作るだけだとまだそこまでなのですが、私どもの場合営業を強くする名刺管理というコンセプトなので、そのデータが営業に活用できるように、いろいろな気付きの情報を提供できるような仕組みを準備していて。例えば、ただ名刺を検索するだけではなくて、人事異動の情報を活用して営業の方々にお知らせするような機能なんかも用意しています。
森辺:この間メールが飛んできました。「○○株式会社何々さんが、役所が変わりました。」と言って、多分人事で出世をされていたと思うのですよ。つかさず「おめでとうございます。お祝いしましょう。」と電話をしたら、すごく喜ばれていたので、そういう活動のために使ったりという感じですかね。
富岡:まさに。
森辺:ビックリしちゃいました。あんなメールが飛んでくるので。あれはどういう仕組みになっているのですか。
富岡:人事異動に関しては、特許も取得した仕組みにはなっているのですが、代表的なものでいうと一般的に公開されている人事異動情報。例えば新聞に毎朝掲載されていますよね。あれを私どもの方で購入して、みなさまの名刺帳のデータとマッチングをかけて、該当する異動情報があればメールでお知らせする機能です。ですので、自分が名刺交換した、要は自分が知っている人の人事異動の情報が、毎朝お知らせがいって。当然そこからボタン1つで更新していただくこともできるようになっています。更新することも重要なのですが、やはり気付きになるというところが営業として大きいかなと思っていて。自分が知っている人が偉くなったり、誰かが異動したら新しいビジネスチャンスがそこで生まれてくるということだと思いますので。
森辺:異動になったときに、引き継ぎをしてもらえたか、もらえていないかで営業マンの営業成績というのは全然変わってきますもんね。そんな機能がついていると。あとは。
富岡:自分の名刺だけではなくて、社内の名刺情報。つまり社内の人脈を共有できるというのも非常に大きいかなと思っていまして。前回、私は昔福岡で営業をしていたときに、人脈がバッティングしていたという話をしたのですけど、小さな会社でもそうですし、大きくなればなるほどなかなか人脈情報は見えなくなってくる。人脈というのはだいたい人の頭の中で管理されているので。それを共有して、うまい最短の人脈だと、パスを使ってお客様にアプローチができるという。非常に営業上も意味があるのではないかなという風に考えています。
森辺:マシーンが営業しているわけではないですからね。特に、少し前のPodcastでお話をしたのですけど、日本と日本のいわゆる従来、80年代に成功したような企業さんと、先進製造業とかグローバル企業と呼ばれる外資の企業さんの事業運営モデル、オペレーションモデルの大きな違いというのをご紹介という、Podcastの番組でやったのですけど。日本の会社は結構事業部制になっている会社が非常に多くて、製造業もそうですけど。事業部の長がすごく力を持っていて、事業部の中で事業が完結しているので、隣の事業と情報の伝達とかって結構されていなかったりするのですよ。企業によってはA事業部にいっているのもあれば、C事業部、B事業部にいっている事業もあって。実はそのAとBとCの何々さんと、何々さんと何々さんが同期だったと。そこの同期経由でご紹介してもらうというのは全然あるではないですか。そういう問題もSansanのサービスを社内で使うと一発解決していきますよと。ABC株式会社にルートあるじゃんとか、この事業部はないけど何々君がこの事業部に行っているじゃんという、そういうところから人脈をネットワークしていくという使い方をする、そういうイメージですよね。
富岡:まさにその通りです。
森辺:なるほど。面白いですね。あとは、これは裏で人がということなのですが、どこか海外とか地方にデータが飛んでそこで打ち込みをしている感じなのですかね?
富岡:今は、ほとんどは日本国内でやっておりまして、実は私ども、自社でも東京都内にセンターを持っておりまして、そこで入力をしたり。一部これからグローバル展開をしていくという中で、海外のパートナーさんなんかとも少し協業を始めているというところでございます。
森辺:気になるお値段なのですが、私、直感で「安い!」と思ったのですけど、数万円からとかですよね。これ、確か。その辺も多分リスナーのみなさんも気になっているところではないかなと思っていまして。どんな料金体系というか、あれになっているのかご紹介いただいてもよろしいでしょうか。
富岡:サービスとしては、月額制の課金サービスになっていて、ユーザー数と名刺を見ている器械の数と名刺の枚数によって変わってはくるのですが、メーンで言うと1人月3500円というところから始まるライセンスという形で。もちろんいろいろな機能を使う場合はそれにプラスをしていったりだとか、あとは器械とか名刺の枚数によって変わってきます。ミニマムだと約3万円ぐらいから始められるというような。器械とある程度の名刺の枚数と人数、5人ぐらいまで使えるというもので3万円ぐらいからです。
森辺:すごく安いなと。結局会社の総務の女の子の平均人件費を考えるとか、パートだったとしてもそれは有に超えているではないですか。それがその器械に単純に流し込むだけで、シュレッターのような感じでシャンシャンシャンシャンと読み込んでいくではないですか。だから、それを考えると。コピー機に名刺を並べてガシャンガシャンというイメージだとすごく機械化しているのに、自動化しているのかしていないのか分からないようなイメージがすごくあった。一時期僕もやってみた。そっちの方が楽ではないかと言って。けどそうではなくて、単純に名刺をそのまま入れていくと読み込んでいくという。値段的にもすごくリーズナブルにやられているイメージがあるのですが、これは戦略的にマーケットをまずとっていくというか、そんなところからあるのですか。
富岡:実はもともとは今の3倍以上はする価格帯で、最初スタートしたときはなかなか投資に見合う回収をするのが大変だったので値付けとしてもかなり高いところから始めたのですが、おかげさまで今利用するお客様も増えているので値段が下がってきているという状況でございます。ただ、お客様にとってみると名刺をスキャンするだけで人件費もそうですし、あとはシステムによって管理する費用もかなりかかりますが、それも必要ございませんので。そういった意味では投資したい効果は比較的分かりやすいサービスかなと思っております。
森辺:なので、うちもセミナーとかを開催すると何百人とかというお客さんが来られますし、外で話しをして名刺交換をするとものすごく束になってしまうのですよね。それを、管理をしていくとすごく便利だなと思って。その後のマーケティング戦略を組み立てる上でもすごく有効で。実は自分が会ってなかったけど誰かが会っているとか、そういうことが非常に多いので、自分が知っている人が顧客という限定されるじゃないですか。営業が自分だけに。でもこれを全社員と共有できるって、みんなで力を合わせて営業するというそんなイメージがあるのですごくいいなと思うので、ぜひリスナーのみなさんも1回Sansanのホームページを見ていただくのが一番よろしいのではないかなという風に思いますので、見ていただければなと思います。この法人向けのSansanのサービスはそういうサービスですというところで、もう1つ気になるのが「Eight」という個人向けのサービスですかね。こちらのお話をお聞かせいただいてもよろしいですか。
富岡:「Eight」というのは、今ご紹介いただきましたように個人向けのスマートフォンアプリになっております。こちらは完全に個人に使っていただくようなものなのですが、スマートフォンについているカメラを使って名刺をカシャっと撮っていただいて、そうすると裏側で、これはSansanサービス、法人向けと同じように裏側でこれも人が入力してどんどん自分のスマートフォンで管理できるという、名刺が溜まってくるという、こんなような仕組みなのです。1つ特徴はつながれるということです。これ何かというと、例えば私がEightユーザーだとすると、私はまず最初に自分の富岡、Sansanの富岡という名刺をカシャっと撮るのです。自分のプロフィール名刺として。私の名刺を持っている人とつながることができるようになっています。つながると何がよいかというと、仮に私が、役職が変わったとか、転職した場合に私はもう1度プロフィール名刺を変えるわけです。カシャっと変えると富岡の名刺を持っている人全てに富岡の役職が変わりましたよとかというのが通知されるようになっていまして。なので、名刺というのは1回もらっても、もうその人は辞めてしまっているかもしれないし、分からないですけど、その履歴、最新の情報がつながっているというのがこの「Eight」の特徴。みなさん結構Facebookを使われている方も多いと思いますけれども、Facebookの名刺判ですね。ビジネス版みたいなイメージになっています。
森辺:最近主婦というか、うちの母親なのですけど、この間久しぶりに会ったら名刺持っていまして。働いていないのですよ。働いていないのに名刺を持っていて、名刺を簡単に作れる機械というのがスーパーとかにあるみたいで、その名刺をテニスクラブのお友達に渡したりするらしいのです。名刺が流行っているみたいで、何を生意気なと思って。会社はないのですけど、単純に名前と自宅の住所が書いてあって。だから若い子たちも学生なんかも名刺持っているではないですか。何々大学でインターンなんかに行くと渡されたりするので、そういう層を組みでビジネスパーソンだけではなくて、パーソナルな人たちも含みでこう「Eight」は使っていけるというそういうサービスがあるのですよね。
富岡:今名刺は本当にアナログなのですけど、むしろ今使っている人が増えていると言われていて、今おっしゃったような学生さんだとか主婦の方だとか、あとはママ友でも使っていたり。最近だとペット用の名刺なんかもあってですね。
森辺:飼い主が、うちのココちゃんがと言って渡すわけですね。そうなのですね。何か面白いなと思って。そうすると「Eight」は「Eight」でまたそういう使い方が。これは有料とかあるのですか。
富岡:「Eight」は現在完全無料で提供しております。
森辺:なるほど。では、誰もが携帯にダウンロードして使っていけるという、そんなサービスですね。分かりました。何かお話を聞いていたら大分時間が経ってしまいましたので、今回はこの辺りにして。次の第3回目から少しSansanさんのグローバル展開のお話に入っていければなと思っていますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。
富岡:よろしくお願いします。
森辺:どうもありがとうございました。
富岡:ありがとうございました。