小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林マアヤです。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん。本日のPodcastの内容なんですけども、前回に引き続き「リコーアジアフォーラム2018」こちらのセミナーの、森辺さん登壇いただいた「アジア進出の経営戦略とリーダーシップ」ということで、前回が第1章紹介していただいたんですけども、今回第2章ということで、お話お伺いしてもよろしいでしょうか。
森辺:第2章は、先進グローバル企業から学ぶ3つのKSF、キーサクセスファクター。つまりは、主要成功要因ていうお話をさせていただきました。第1章とは打って変わって、第2章では食品系の、所謂FMCGって言われるような業界の話をさせてもらって。世界の十大消費財メーカー、食品とか飲料・菓子・日用品等の会社が、どういう会社で牛耳られてるのかっていう話をしたんですよね。日用品じゃないね。食料品だけだね。食品だけで、どういう会社かっていうと、例えばコカ・コーラとかネスレとかペプシコとかジェネラルミルズとかケロッグとかモンデレーズとかマーズとかダロンとかユニリーバとかね。あと、アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズとか、そういうような会社。こういう会社が、今、世界の十大食品メーカーって言われてて。彼らがグローバルで、やっぱトップ10てことでシェア高いんですよ。その彼らの主要な成功要因って、一体何なの?っていう。アジア新興国で、彼らはなんで成功してるの?っていうことにフォーカスをして話をさせてもらって。まあ一つ目が、市場を最大化するための中間層ターゲットが徹底してますよ、って話をしたんですよ。中間層ターゲットって、これもう、アジア新興国の最大の魅力って、中間層なんですよね。なぜならば、爆発的にそれが増加してるから。2030年に30億になるって言われてて。この30億を、FMCGの会社って狙わないと、意味無くて。特に食品FMCGって、胃袋を相手にした商売だから、より人口が多いとこにビジネスをする方がいいわけですよね。金持ちの胃袋も貧困層の胃袋も変わんなくて、一日に3回食べるんですよ。お金持ちは3回食べて、貧困は1回しか食べないって、ないじゃないですか。基本的には3回食べますよね。まあ、超貧困で1回しか食えないって、そういうのは別にしてね。基本、人間っていうのは3回食べますと。で、高級食材売ってるんじゃなくてFMCGなんで、一般的なファースト・ムービング・コンシューマー・グッズを売ってて。そうすると、彼らのビジネスの肝って、いかにたくさんの人に、いかに早い頻度で、いかに繰り返し、いかに永遠にものを購買し続けてもらえるかってことがすごく重要なんですね。そうすると、やっぱり中間層なんですね。富裕層でもない。貧困層でもない。一番ボリュームのある中間層に、どうやって認められるかってことがすごい重要で。彼らのビジネスって、すべてが中間層なので。ここがやっぱポイントだと。、日本の企業も、中間層が重要だってことは頭では分かっていても、戦略がどんどん上振れしていっちゃうと。「まずは富裕層から」とか。「ちょっと、最初は富裕層からやんないとブランディング的に」とかね。なので、中間層、最初っからど真ん中やってますよっていう話。あと、二つ目のキーサクセスファクターって、ストアカバレッジを上げるための戦略的チャネル構築。これ、何かっていうと、ストアカバレッジってセルインのこと言ってるんですよね。物事には、セルインとセルアウトがあって、セルインていうのはお店に「セル」「イン」するって。セルアウトってのは、お店に並んだものが消費者に「セル」「アウト」していくっていうことで。このセルインとセルアウトがあって、チャネルってセル活動なんですよ。所謂、アジアだと近代小売りと伝統小売りが2つの小売りがあって。今更近代小売りと伝統小売りが何かってのは、ここでは説明しませんけども、それらにセルイン活動していくってことが、すごい重要なわけじゃないですか。だから、徹底的にセルインを、MT・TT含めて、カバレッジを上げられるための投資をしてますよと。要は、チャネル作りに投資をしてるよと。ディストリビューターを選ぶこと、ディストリビューターを管理・育成すること。それが、小売りに繋がっているからね、MT・TT、セルインするわけじゃないですか。このチャネル、ディストリビューションネットワークがなかったら、セルイン、そもそもしないんで。物理的にね。物理的にセルインしないものは、物理的にセルアウトしないので、セルイン活動がめちゃめちゃ重要だよと。チャネル構築めちゃめちゃやってるよ、って話が2番目のキーサクセスファクター。3つ目のキーサクセスファクターって、この続きで。じゃあ、商品を並べることっていうのは、セルイン活動でチャネルへの投資だけど、商品をセルアウトさせること、選んでもらうこと、買ってもらうことってのは、プロモーションの投資だよねと。プロモーションしないで売れるなんて、あり得ないでしょと。日本は、商品自体がもう知られてるし、会社も信頼があるし、知名度もあるし、消費者の認知もされてるし、何もしなくても売れるかもしれない。でも、日本でもこれだけプロモーションしててセルアウトのための活動をしてるわけ。ATLもBTLも含めてね。で、アジア新興国に行って、「プロモーションしない。ちょっと売れてから考える」で、売れるわけないですよということをお話ししていて、欧米は、このセルインとセルアウトが両輪で動いてると。これって、セルインできてないのにセルアウトのプロモーションかけても、砂漠に水撒くようなもんなんで、だめで。ターゲットってものが中間層に、1つめのキーサクセスファクターね、明確にあったら、それをセルインとセルアウトで両輪で動かさないと、高いシェアって獲得できなくて。これが上手いんですよ、っていう話をしたんだよね。欧米はね。「じゃあ、失敗する日本企業って、どういう海外展開してんの?食品メーカーは」っていうと、やっぱり商品ありき。もう、プレミアム、プレミアム、プレミアム。「うちは日本の会社で、プレミアム」みたいな。プレミアムって言葉を使わない方が●(8:51)いいかもしれない。日本の企業ってね。商品ありきの進出。あと、パートナーありき。基本的には「作んのは自分、売るのはあなた」ということで、パートナーに任せっきりになってる販売方法。3つ目が、駐在員ありきの海外展開。ってのは、日本から駐在員を兵隊のように現地に送り込んで、行って、気合いと根性で、走りながら考えろと。気合いと根性でなんとかしろと。第一陣がだめだったら、第二陣・第三陣と送り込んで、とにかく本社の戦略無いのを、属人的な駐在員の属人性で解決させようとする進出方法。こんなこと、欧米の先進的な企業やってませんよ、という話をして。ここでもだいぶ嫌われたかな、っていう話ですかね。言えば言うほど嫌われちゃうんでね。耳痛い話ですもんね。謝りながら、僕も話して。「ごめんなさい、生意気言ってごめんなさい、ほんとにごめんなさい。でも、これば僕が見てきた現実なんです」っていう話をして。で、またおじいちゃんに嫌われて。そんな感じでした。
小林:ありがとうございます。じゃあ、第2章の、先進グローバル企業から学ぶ3つのキーサクセスファクターということで、ご説明いただきました。ありがとうございます。
森辺:はい、ありがとうございました。
小林:じゃあ、本日のPodcastはここまでにいたします。リスナーの皆様、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。
<終了>