東:こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺:こんにちは、森辺一樹です。
東:では森辺さん引き続きSansanの富岡取締役をお迎えしておりますけど。
森辺:富岡さん、引き続きどうぞよろしくお願いします。
富岡:よろしくお願いします。
森辺:引き続き前回同様、御社の世界展開みたいなところのお話を中心にお聞かせいただければなと思うのです。富岡さんをゲストにお迎えして第1回目で富岡さんの経歴はお聞かせいただいて、幼少時は香港で過ごしたりとか、オラクルにいらっしゃったとか、東南アジアでマーケットガイドを担当していたという話はお聞かせいただいていたのですけど、実は別の、他の取締役なんかもみなさんグローバルなバックグラウンドをもたれているようなメンバーが多い感じに見受けられるのですけど、どんなメンバー構成になっているのですかね、今は。
富岡:もともとSansanという会社は5人の仲間で立ち上げた会社でございまして。グローバルという観点で言うと、代表の寺田(親弘)という者はもともと商社におりまして、シリコンバレー。アメリカでビジネスをしていたということで、彼もグローバルの目線で事業を立ち上げていきたいという思いを持っていました。今「Eight」の事業責任者をやっている塩見(賢治)という者も寺田と一緒にシリコンバレーで仕事をしていたということで、海外の仕事をしたという、こんなメンバーです。構成で言うと、あとは経営管理を担当している角川という者と、今システム面を担当している常樂という、この5人で立ち上げました。
森辺:グローバルなバックグラウンドを持った5人で立ち上げて、「世界を変える新たな価値を生み出す」会社になろうということでSansanという会社があるわけなのですよね。そうは言っても、今創業から第7期目ですかね。7期目でこれから海外に取り組んでいこうということで、それだけグローバルなメンバーがいても国内を先に戦略的にはやられてきて、これから海外をやっていくというそんなあれだと思うのですけど。自ら流れを起こす側にまわるのだと、以前お話いただいたと思うのですけど。これはやはり国内で今まで準備をしてきて、今国内で非常に導入をされ始めていて、この流れを起こすタイミングが来ているという、そんな感じなのですかね。海外展開への取り組もうと一歩前に出始めた瞬間というのは何かあったのですかね。
富岡:もともと「世界を変える新たな価値を生み出す」ということで掲げたのですが、正直本当にそこまで立ち上げたときに自身があったかというとそうではなくて。「名刺はいっても日本だけだよね」みたいな議論もあって、でもやはり目指すなら目指そうと言いながらもきちっとビジネスとして立ち上げるという意味で、名刺文化が一番浸透している日本で事業をちゃんと立ち上げようということで6年間やってきました。これは本当に地道で、そもそも法人で名刺管理をしようなんて言うサービスは他にはなければ、そんな考えを持っている人もいなかったので。まずそこで、そういう予算をお客様も持っていないし、こういう考え方、営業を強くする名刺管理という考え方というのをなぜ必要なのかというのを説明して、予算をとってもらってみたいな活動をずっと地道にしてきたというのが今までの流れで。ようやく、この1年ぐらいですかね。僕ら、自ら流れを起こそうと思っているその流れとか風が出来てきたかなというのを感じ始めてきました。僕らイノベーションを起こしたいなと思ってやっているのですが、イノベーションはもちろん流れに乗るだけではイノベーションなんかは全く起こせないと思っています。僕らは、イノベーションは自ら起こさないといけないものだと思っているのですが、一方で自ら起こそうとしただけでもなかなかイノベーション出来ないなと思っていて。自ら起こそうとしている中で、世の中の流れがあってこれが組合わさって初めてイノベーションが起きるのではないかなと思っています。ただ、流れが起きてからやったのでは遅いですし、あくまでも自分たちが信じる価値というのを追求する中で、流れというものが出来てくる。そこにきちっと乗るというのが必要かなと思っていて。僕らはずっと6年、地道にやって自分たちで流れを起こそうとしてきて、ようやく世の中でいうとインターネットとか、クラウドとかスマートフォンだとか、ソーシャルネットワークだとか、そういうものが出てきて、名刺は非常に相性が良いよねという流れがあって、流れが加速してきているなという風に本当にこの1年ぐらいでようやく感じてきたところです。
森辺:なるほど。何かこれ偶然かもしれないですけど、世の中の流れと名刺管理は、僕はすごく密接につながっているような気がするのですよ。今、御社のSansanを導入している会社はこれ多分、僕、すみません、単純な予想なのですけど。既存のお客さんだけに対してビジネスをしている会社は恐らく名刺管理いらないのですよ。ルート営業を毎日していますから。名刺はそんなの覚えているよと。けど一方で、それは既存のお客さんが今までのような日本の経済がいい時代、これ既存のお客さんだけで良かったですよね。でもこれから少子高齢化で日本の経済はアベノミクスや、オリンピックがあると言ったって、基本的には成長しきった今成熟、衰退の流れの中で日本の経済がどんどん小さくなっていくと、なかなかお客さんを増やしていかないといけない。一方で新規で新たなお客さんを増やしてさらに会社を成長させていこうと思っている会社は、恐らくSansanを導入するのだと思うのです。もっと上を目指そう、もっと成長しようと思っている会社は多分Sansanが必要で、今のまま維持していく会社は、多分Sansanが要らない気がするのですけど。それはすごく世の中の流れとSansanを必要と感じるか、不必要と感じるかは面白いな。名刺はすごく、すみません。最初名刺管理と聞いたときに、「ふ~ん、名刺管理か」くらいにしか思っていなかったのですよ。で自分の会社でも導入してみて思ったのですけど、名刺を管理しているか、していないかで実はいろいろなことが分かるなと思ったのですけど、それってそんな感じなのですかね。やはりお客さんは新規あてとかは管理するとか欲しがったりするほうなのですかね。
富岡:そうですね。今のお客様、1,500社ある中でメーンは法人向けのビジネスをされている会社が多いのですが、最近は必ずしもそうではないというか、よく聞かれるのが「どういう業種の方が多いですか?」とか聞かれるのですが、実際非常に答えづらくて。私たちが想像していないような業態のユーザーさんも結構いて。普通に法人向けで金融関係の会社さんです、人材関係のビジネスやっています、ITやっています、コンサルティングやっています。そこら辺はたくさんいるのですけど、医療とか介護ビジネスとかやっていたりとか、個人で飲食やっていますとか、うどんの卸しですとか。名刺交換どの辺でしているのだろうと僕らも不思議になるくらいの会社さんが多くて。聞いてみるとやはり皆さん新しい、今のままでは駄目だと。自分たちのビジネスをどう伸ばしていこうとか、新しいチャレンジをしようとか、人脈という資産をきちっと会社として活用して売り上げを伸ばしていこうとか、そういう会社さんが非常に共通項としては多いなという風に感じています。
森辺:やはりそうなのですね。この流れを起こそうとするだけではなくて、そこにやはり風がしっかり吹いていかないといけないということで、御社も今7期目ですごく名刺というもののいわゆる世の中の考え方、いわゆる風ですよね。風の苦労もされて、今ようやくその風がバッと吹いて。イノベーションを起こそうとしているという、そんなイメージですよね。
富岡:そうですね。ようやく本当に大きく国内も海外も勝負が出来るスタート地点にたてたかなと思っていて、国内だとそうは言っても全く知名度としてはまだまだないのでテレビCMをはじめて、より多くの層に認知していこうということをやっていると。あとは今考えている海外、アメリカだとかアジアの海外展開もここでいっきにやっていこうという風に思っています。
森辺:よく海外展開をするときに、国内駄目だから海外みたいな会社さんが結構いるのですけど、海外で事業をするというのは第2創業にすごく似ていて、イノベーションを起こさないといけなくて、物を売りに行くのではなくて、マーケットを作りにいく市場だと思っているのです。そうなってくると日本でマーケットを作れていない会社が、海外に行ってマーケットを作れるわけはなくて。そういったことから見ると、過去色々乗り越えてこられて日本でマーケットを作ってこれからさらに一気に今までの何倍ものスピードで成長されていく上で、海外を取り込んでいこうとされている御社は今回すごく楽しみで、面白そうだなと思っているのですけど。何か以前少しお聞きしたのですけど、名刺というものの価値をすごく面白いなと例えられて。携帯とスマホのたとえられたお話を聞いたことがあるのですけど、あの話しをもう1回リスナーの皆さんも聞きたいと思いますので、1回していただけるとありがたいですけど。
富岡:私たちは名刺管理を当たり前にしたいなと思っているのです。当たり前の世界は何かと言ったときに、1つ分かりやすいなと思ったのがスマホ、スマートフォンの話です。5年前、スマートフォンを持っていたら多分周りの人から「それ何?スマートフォン?」と言って、「ちょっと見せて」とか言われていたと思うのです。一方でガラケーと言われる携帯ですね。を5年前持っていても、別に誰からも何も言われなかったのですよ。でも今スマートフォンを持っている人に対して「スマートフォン持っているの?」という人は誰一人いないと思うのです。一方でガラケー。私今、実はガラケーとスマートフォン両方持っているのですけど、私のガラケーだけを見た人は「えっ?富岡さんガラケーなの?スマートフォンではないの?」と聞いたりするわけですよ。この変化はすごいなと思っていて。これは何を表しているかというと、スマートフォンが当たり前になってきているということかなと思っているのです。僕らは名刺管理も当たり前のものにしたいなと思っていて。今は名刺管理をしていなくても別に何も言われないと思うのですけど、ある会社で社長さんが「うち営業をもっと強化していかないといけないのだよね」と言ったときに、誰かが「名刺管理しているのですか?」と言って「していないよ。」と言って、「えっ?営業強化したいのに名刺管理していないの?」と言われたりとか。個人でもビジネスをグローバルでやりたいとか自分で人脈を活かしてやりたいと言っている人に「名刺管理をしているの?」と言って、「名刺とか、別に管理、紙でなんかまとめているだけだけど」と言ったときに「え?名刺管理のなんかアプリとかでやっていないの?」とか言われる。そんな世界を作りたいなと。それを日本だけではなくてもちろんグローバルに作りたいなというふうに考えています。
森辺:今私富岡さんの話を聞いて、鳥肌が経っちゃったのですけど。それすごく素晴らしいことで、重要なことで。イノベーションはそういうものだと思うのですよ。ドリームプロダクト、まさにそうで。ソニーがかつてウォークマンを作ったときに音楽を持ち歩くというのはおかしかったわけですよね。ラジカセを背負って黒人のミュージシャンがこうやって、やっていたものを、耳に付けて音楽を持ち歩くとかあり得なかった世界を作ったわけじゃないですか。昔の日本企業はああいうドリームプロダクト、イノベーションというのを起こしていて、物を売りにいっていたのではなくて、マーケットを作りに行っていたという。カブというバイクあるじゃないですか。あれもそうですし、そういう商品は昔の日本にはいっぱいあるのです。今でいうダイソンの羽なしの扇風機とかね。それから掃除機もそうですよね。色々なものがコモディティ化してしまったからこそ、イノベーションがここには必要だし、大きな市場の転換期で。まさにその名刺交換、Sansanを使うということが名刺の世界で常識になる。今は名刺管理するのみたいなものが、当たり前の世界にするという、マーケットメイキングではないですか。これが出来る会社がやはりグローバル企業になっていくし、単純に自分の作っているものを海外に売ったらどうなるのだ、日本は停滞しているから海外だと言うのではなくて。その発想はすごくグローバルビジネスの上で重要だなと思って、今本当に鳥肌がブーッと立っちゃったのですけど、本当に素晴らしいお話だなと思いました。
富岡:ありがとうございます。
森辺:時間も、そろそろなのですけど、最後に何かリスナーのみなさんにメッセージか何かあれば頂戴したいのですが、いかがですかね。
富岡:ありがとうございます。本当に世界を変えていきたいなと思っていますし、僕らみんなが日本でベースと思うことが日本を変えていくし世界を変えていくなと思っていて。1つ偉そうに言うのもあれですけど、そういうロールモデルというか、なりたいなと思っています。そうすると、日本はすごくパワーがあるなと思っていますし、そういう1つの、さっき森辺さんがおっしゃっていたように、昔はそういうのがあったよねと。もう1回そういうイノベーティブで世界に存在感のある日本を作っていきたいなと思っていますし、そういうことに少しでも貢献できたらなと思っていますので、ぜひ応援していただければなと思いますのでよろしくお願いします。
森辺:ありがとうございました。
富岡:ありがとうございました。