小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日は、前々回・前回に引き続き、フォーブス「世界で最も革新的な企業100社」という記事から、あと、前々回は日本企業が100位中7社のみがランクインしているという、イノベーションを起こせていない現状をお話いただきまして、前回は、なぜ日本企業は近年イノベーションを起こせていないのかということをお話いただいたんですけども。本日は、日本企業は、じゃあ、どうすればアメリカ企業のようにイノベーションを起こせるようになるのか?ということでちょっとフォーカスしてお話していただけますでしょうか?
森辺:前々回が、小林さんが、フォーブス読んで気になったんだという記事を持ってきて、世界で最も革新的な100社、日本企業は7社しか入ってないの、どうして?という話をしたんだよね。
小林:そうです。
森辺:そんなの不思議じゃないよって話で、なぜイノベーションを起こせないのか、それを前回話してきて、今回は、じゃあ、どうしたらイノベーションを起こせるのか?
小林:そうです。
森辺:そんなのね、簡単だよ。技術を中心に置かずに、マーケティングを中心に置けばよくて、前回ちょっとそんな話に触れたかもしれないけど、最後のほうね。結局、日本企業がいまだに、こういうことを言うと、旧態依然とした技術者の方々には嫌われてしまうのかもしれないんだけども、技術がすべてというか、唯一の武器だと思い込んでいるのがイノベーションを生む大きな阻害要因になっていて。日本企業の魅力は技術力なんかじゃないんだよね。そう思ってグローバルで戦わないと絶対に勝てない。技術がよければすべてよしなんていうのは、ありえない話で。もし、それが通用するんだったら、なんでシャープはあんなことになったの?と、なんでサンヨーって会社なくなっちゃったの?と。今、ゴーンさんで、別の要因で騒がれているけど、日産って「技術の日産」と言っているじゃない?よくCMで。なんで技術があったのに、日産はそもそも死にそうになって、死にかけてルノーに助けてもらわなきゃいけなかったの? 技術はすべてじゃないんですよ。技術は一部なんです。なんだけど、日本はあまりにも、もともとアメリカが持っていて技術、欧米が持っていた技術を、より小さく、よりよく、より高い品質でつくって、アメリカに勝っていったわけですよ。欧米から産業を奪っていったわけだよね。その余韻にいまだやっぱり酔いしれている節があって、いやいや技術なんだと、じゃあ、もっと磨けば、もっと磨けばと。なんかおかしくなってきたなと、たぶん、2000年代からずっと言っているんだと思うんだよね、なんかおかしい、なんかおかしい、もっと磨かなきゃ、もっと技術だとずっと言っているんだけど、でもそうじゃなくて。これだけやっぱり中国や韓国が入って、グローバル競争、競争環境が激化して、アジア新興国がマーケットになって市場環境も大きく変わっていて。これ技術じゃなんかなくて、マーケティングを中心に置いている会社が、今、世界でイノベーションを起こせているし、今、世界で成功しているわけですよ。どの会社だってそうでしょ。だから、やっぱりマーケティングを中心に置くということをやらないと、イノベーションは起きないし、イノベーションは、何だろう、よりいい技術を生み出すことがイノベーションじゃないからね、前にも言ったけども、技術革新って日本語では言うから、そういう誤解を受けやすいと米倉先生が言っていた話も番組でしたけども、そうじゃないからね、今あるものを、今あるものに、別の何かを加えることで新たな価値を提供するということがイノベーションだから、そうすると、何だろうな、より利便的にするわけじゃない? だから、そういう意味では技術だけじゃないので、技術がよくなるからそうそうということでもなくて、アイデアもそうだし、仕組みもそうだし、オペレーションもそうだし、すべてがそうだから、やっぱりその技術頼りというか。技術は大切なんだよ、そんなことは十分僕もよく分かっているし、技術がなければ何もないのは分かっているんだけども、それが中心に置かれていてはやっぱりイノベーションは絶対に生めないし、日本企業がイノベーションを生めない一番の理由は、技術がいまだにやっぱりわれわれの中心にあるから、これをやっぱり変えないとだめだと思うんだよね。最近、トヨタのCMで、僕の好きな役者、歌舞伎役者の人が、「トヨタが変わる」と言って、「トヨタは車の会社じゃない」と、「トヨタはモビリティカンパニーだ」ということをすごく言っていて、あれがまさに革新的なイノベーションなんだよね。対照的なのが日産で、「技術の日産」とか言っているでしょ。
小林:うん、対照的。
森辺:すごい対照的だなと思うのよ、トヨタと日産が。トヨタはモビリティカンパニーになるんだと、自動車会社じゃないと言っているんだよ。世界最大の自動車会社が。
小林:すごいです。
森辺:すごいことで、自動車外車じゃないと、モビリティカンパニーになるんだと。一方で日産は、技術の日産と。まあ、これは本当にあれだと思いますよ。なので、そんな感じで技術革新が起きない理由を知ってもらったらうれしいかなと思います。
小林:ありがとうございます。前回に引き続き、フォーブスの「世界で最も革新的な企業100社」から、日本企業はどうすればアメリカ企業のようにイノベーションを起こせるのかという観点からお話いただきました。お時間やってまいりましたので、本日はここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。