小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日のPodcastなんですけども、前回に引き続き、マーケティング研究協会のセミナーで出た質問についてご回答いただきたいと思います。
森辺:はい。
小林:本日が第2回目なんですけども、質問が、PGモデルとリーバモデルの違いとは一体何なのでしょうか?という質問でございます。
森辺:PGモデルとリーバモデルって、勝手に僕が言っているだけなんだけど、PGってP&Gのことね。P&Gさん、勝手に略してすみません。P&Gと言うよりPGと言ったほうが、あと、ユニリーバさん、すみません、リーバって勝手に略して。ユニリーバと言うよりリーバと言ったほうがいいのでリーバと
言っていますと。P&GとユニリーバのディストリビューションチャネルのストラクチャーをASEANとかで見ていると、明確に違うんですよ。なので僕は、PGモデル、リーバモデルというふうに分けていて。どういうふうに違うかと言うと、PGは、昔は50社ぐらいディストリビューターを使っていたんですよ。ただ、最近ではだいたい8社ぐらい。大手2社で中堅6社ぐらいでね、8社ぐらいのディストリビューターを回して、どのASEANの国でもディストリビューションしているというのが傾向なんだよね。一方で、リーバモデルというのは、ネスレ・リーバモデルとも僕は言うんだけど、ネスレとかリーバ、ユニリーバは100社200社のディストリビューターを使ってマイクロディストリビューションするんですよ。特に、セールス機能というよりかはデリバリー機能を重要視して配荷をしていくというような仕組みで。商品特性を見てもらったらたぶん分かると思うんだけど、P&Gがつくっているような日用品って毎日必要ないじゃない? 例えば、掃除の洗剤とか、毎日必要?と言ったら必要ないよね。けど、例えば、リーバが売っている、ネスレが売っているコーヒーとかって毎日飲むわけじゃない? だから、そうすると取り扱っている商品によっておかなきゃいけないストアのカバレッジが全然違っていて。PGだったら、例えば、10万ストアカバレッジしていればいいんだけども、ネスレ・リーバは20万ぐらいのカバレッジがないとだめだと。なんでかと言ったら、ネスレ・リーバのほうが売っているものが安くて、PGのほうがちょっと高いとか。だって、ものが洗剤とか。
小林:はい、高いです。
森辺:そういうもので、いわゆるコーヒーとか、コピコとか、コピコじゃないや、●スリーワンコーヒー●(04:40)とか、そういうものがあるわけでしょ。だから、そういうのもあったりするので、より広く深く配荷していかないといけないんだよね。深くというのは、いわゆる僻地の中まで行かないといけない、住宅街の中のトラディショナルトレードまで行かないといけないので、そういう違いがあって、大きく2つありますよという話をしたということかな。だから、うちのクライアントさんのコンサルをするときも、やっぱり取り扱い商品に応じてどういうチャネルストラクチャーをつくっていくかということを僕は提言をするんだよね、しっかりね。日本の企業の場合、そこまでの思考にやっぱりチャネルづくりのところで至っていなくて、至れていないというのが現状のレベル感で、基本的には1カ国1ディストリビューターみたいな感じになっちゃっているんだけども。いろんな理由があって、大手なんかほとんどディストリビューターありますから、今、使っているところを切って新たにというのはなかなかできないんだよね。そういう都合もあるからしょうがないんだけども。だから、再参入するとき、これから新規でする国は本当にデザインをする力ってすごく重要で、これから先、将来10年20年で100億この国で稼ぐんだと、そのときに必要なチャネルストラクチャーってどうあるべきなんだろうというもののビッグピクチャーを参入のときに描くということをやらないと。今までやってきたのはやっぱりノウハウもないし、経験もないし。そうすると、積み上げ、積み上げ、積み上げで、出たとこ勝負でやってきたというのが日本企業の正直なところだと思うんですよ。一方で、欧米はそれで失敗したらすぐに改善して、すぐに改善してってスクラップ&ビルドを繰り返してきていて、それで今の状態になっていて、そういう意味ではやっぱり欧米ってすごいなと思っていて。日本企業も早く失敗して、早く学んで、早く次のステージに行かないと、本当にもっともっと差が開いちゃうので。そんなふうに思いますね。PG、リーバモデルというのはそういうことです。
小林:かしこまりました。ありがとうございます。本日、お時間やってまいりましたので、ここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。