小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日も前回に引き続き、マーケティング研究協会主催のセミナーで参加者の皆さまから来た質問に対してご回答いただきたいと思います。
森辺:お願いします。
小林:本日が第6回目なんですけども、質問をご紹介させていただきます。参入する国を選ぶときのポイントについて教えてくださいとのことです。
森辺:参入する国、参入戦略を立てるときなんだけど、ちょっとあんまりマニアックな話するとよくないから、参入戦略よりな話はしないけども。これもビジビリティスタディだからあれなんだけど、どういう参入をするかによって変わってくるし、何年でいくらやりたいかによって変わってくるから、やっぱりマニアックな話になっちゃいそうなんだけど、グッとこらえて。ちょっと簡単に言うと、輸出でやるんだよね、参入するということは。だって、工場の設備投資じゃないからね。安い労働賃金の国に行って安くつくっていきましょうという話じゃないので。売れるかどうか分からない、まだやったこともないところにいきなり工場ボーンとつくってそこで売りましょうなんていうのはまず戦略としてはあり得ないからね、いくら将来性があっても。だから、まずは輸出をして売っていくということになると思うんだよね、参入をするときって。そうすると、自分たちが売ろうとしているものがどうなのかということによって参入する国を選ばないといけないんですよ。要は、ちょっと前の、何回か前にお話したけども、中間層が賄える商品なのか、価格的に、ということね。もし、賄えないと、高いんですと、安くできないんですと、TTに並ばないんです、MT専門ですと言うんだったら、ベトナムとか行っちゃだめだよね。ミャンマーとか本当にやるんですか? カンボジアとかあり得ないですよねって話になるわけですよね。であれば、行く国って香港、台湾、中国の一部都市、タイ、それからシンガポール、韓国、マレーシア、そういうふうになってくるわけですよ。なんでベトナムは行っちゃだめかと言うと、だって、MTが1,500店舗、Max2,000店舗ぐらいしかないところで、いくら頑張ったって最大で2,000店舗だからね。50万店、残りはTTですから。そうするともう儲からないの目に見えているし。だから、攻めるべき国というのは、そういう上流の、上流と言うか、アッパーASEANになるわけだよね。アッパーアジアになるわけだよね。ローワーアジアは狙わないと。もっと言うと、国で見ちゃだめだよと。もう、タイとかじゃなくてバンコクだよね。
小林:都市ということですね。
森辺:マレーシアじゃなくて、クアラルンプールとジョホールだよね。だって、マレーシアだって地方のほうに行ったらもうものすごい田舎だからね、のどかでね。
小林:そうですね。
森辺:そうすると、やっぱり都市で選んでいくということをしないといけないから。1人あたりのGDPも全然違うからね。ジャカルタのGDPとインドネシアの1人あたりGDPって全く違うから。タイもそうだし、マレーシアもそうだし、そうするといかに都市で見ていくかということが重要で。日本の一般的なFMCG周りの商品をやるんだったら、基本的には都市で見ていく必要があって、輸出でやるからね。香港、台湾、韓国。台湾とかだったら国で見てもいいけど、韓国も国で見てもいいけど、ASEANに入ってきたら一気に都市にしたほうがいいと。ジャカルタ、クアラルンプール、バンコク、それから、シンガポール、あと、マニラ、ホーチミン、ハノイとかね。だから、そういうふうに選んでいったほうがいいよね。BtoBで参入となってきたらやっぱり産業集積地なんだね、今度はね。自分たちの商品を買ってくれるのがBなわけじゃん。そうすると、そのBがいる産業集積地がどこになっているか、サプライチェーンになっているわけでしょ、BtoBというのは。そうすると、そのサプライチェーンのこのチェーンはどういう産業集積地がどの国にあって、そこをターゲットにしていかないと、いくら発展している国に行っても、そこに自分たちのターゲットとなる企業の産業が集積されていなかったら全然意味がないので、BtoBは産業集積に合わせてターゲットにする国を決めるというのが鉄則だと思います。
小林:ありがとうございます。お時間やってまいりましたので、本日はここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。