小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹でございます。
小林:森辺さん、本日のPodcastの内容なんですけども、タイトルがちょっとユニークで、「ライカ買っちゃいました!」というタイトルなんですけど。(笑)これちょっと、一体どういうことなのか、ライカ買ったようなんですけども、ちょっとその内容について詳しく教えていただけますか?
森辺:買っちゃったんですよ、ライカね。
小林:ライカ?
森辺:ちょっと個人的な話で恐縮なんですけど、収録をしている今日ね、妻が今、分娩室にいまして、僕は第一子が生まれるんですけど。
小林:おめでとうございます!
森辺:ありがとうございます。長男なんですけどね、その一子を撮るのに「カメラを買え」と妻に言われて、どうしようかなと。すごくお世話になっている先生の息子さんが銀座シックスのライカにいると聞いていて、「カメラを買うならライカだな」と決めていたんですよ。で、ライカ買ったんですよね。一眼レフと言うの? 僕もあまり詳しくないんだけど、カメラね、ミラーレスとかよく言うでしょ? ちょっときれいに撮れるというカメラ。ピンからキリまでいろいろあるわけ、デジタルカメラもね。なんだけど、一眼レフとか、ミラーレスみたいなやつがいいカメラらしいのよ。高いのよ、ちょっとね。ソニーとかニコンとか…。
小林:オリンパスとか。
森辺:キャノンとか。
小林:キャノンとか。
森辺:うん、オリンパスとかあるのかな。いろいろ見たんだけど。握ったし見たし、カメラと言えばキャノン、ニコンじゃない?
小林:そうですね。
森辺:うん…、なんだけど、ドキドキしないのよね。手に持ってこう…。たぶんね、プロ的に言うと、めちゃめちゃいいカメラってキャノンとニコンなんだと思うの、世界的にね。だって、プロはみんなあれを使っているでしょ、どちらかをね。なんだけど、僕、持ったんだけど、ドキドキがないんですよ。
小林:(笑)
森辺:で、ライカに行きましたと。めちゃめちゃ無骨な見た目をしていて、重たくて、冷たくて。なんだけど、持った瞬間ドキドキするんだよね。
小林:へえー。
森辺:デジタルカメラって、アナログとデジタルと融合みたいな、カメラの本体自体は極めてデジタルなんだけど、レンズがすごく重要で、そこがものすごくアナログで職人技じゃない? ライカって写真を撮ると、何とも言えない温かい雰囲気が出るのね、あの冷たい無骨なカメラから。何とも言えないドキドキがあって、「単なる道具だろ、カメラなんて」ぐらいにしか思っていないわけですよ。僕はカメラフリークでもないのでね。なんだけど、このカメラ大切にしたくなるという、磨きたくなるみたいな、「何だ、この感覚?」と思ったんだけど、これって車とかにも言えることだと思うの。
小林:はあー、なるほど。
森辺:トヨタとか日産に乗ってもドキドキしないんだけど、フェラーリに乗るとめちゃめちゃドキドキするみたいな、大切にしようとか、そういう感覚にすごく似ていて。僕、この「グローバルマーケティングだなー」とライカを買いながら思ったんだけどね。
小林:詳しく。
森辺:日本企業のほうが圧倒的に技術も品質もいいわけですよ、よりよく、より小さく、より安くつくるんだけど。でもね、そのよりよく、より小さく、より安くが、必ずしも消費者にドキドキを与えているかと言うと、そうではないわけよ。要は、より高い品質とか、より小さく高技術なものが消費者のドキドキを生むのか、と言ったらそうじゃなくて。何か変わらない無骨さとか、そのヒストリーとか、ストーリー、その商品の裏に隠れているもの、あと値段の高さ、高いのよ、めちゃめちゃ、70万とかしたのね。
小林:ええーっ、そんなにするんですか?
森辺:それでも安いほうなの。
小林:えーっ!
森辺:150万とか倍ぐらいのやつもあって。でも、「ちょっとこの70万のカメラに慣れたら、そっち行ってみようかな」とかって思ったわけなんだよね。それぐらいドキドキさせる何かがライカにはあって。それは何かではなくて、ブランドなんだよね、きっとね。ブランドという力なんだけど。
小林:なるほど。
森辺:それがすごく、このヨーロッパのメーカーにはもう精通していて、これは服もそうだし、革製品もそうだし、工芸品もそうだし、車もそうだし、時計もそうだし、何でもね、そうなんだけど。
小林:そうですよね。
森辺:日本企業の中にないものなんだよね、これって。中国や韓国の企業と差別化を図るなら、もっと技術を、もっと品質を、ということよりも、日本企業が今、本当に重要で必要なものって、ヨーロッパのメーカーが持っているようなブランディング。
小林:いわゆるドリームプロダクトというやつですか?
森辺:そう。目に見えない価値。いいねえ、小林さん、最近、冴えているね。
小林:(笑)
森辺:そう。ドリームプロダクトなんだよ。
小林:そうですよね。
森辺:でね、ドリームプロダクトにならなかったら勝てないんだよね。いかにドリームプロダクトになるかという、コモディティの戦い、もうしたって中国には勝てません。もう絶対勝てない。そしたら、もう技術追いつかれたら終わりなんだもん。家電メーカー、それでみんな死んでいったわけでしょ。なんだけど、それをいかにドリームプロダクトにしていくかというね。
小林:もう、日本企業は、ポジショニングが世界的に見ても中途半端、ということですもんね。
森辺:そう。だからね、ライカでね、グローバルマーケティングをめちゃめちゃ感じちゃったわけ。
小林:なるほど。
森辺:このライカで息子さん、働いている、僕がお世話になっている先生の専門がグローバルマーケティングなのね。
小林:(笑)
森辺:だからね、「あー、深いな。大石先生」なんて思っちゃったわけよ。大石先生の息子さんが働いているんだけど。
小林:じゃあ、そんな身近なところからやはり。
森辺:グローバルマーケティングを感じたというね。
小林:グローバルマーケティングを感じてしまうんですね。
森辺:非常に楽しみで、ちょっとカメラやってみようかなと思っています。
小林:じゃあ、ぜひ使いこなして。
森辺:頑張ります!
小林:息子さんをたくさん。
森辺:説明書、初めて読んだ。僕、これね、日本製のカメラだったら、たぶん説明書読まなかったと思うんだよね。なんだけど、ライカの説明書ね、このカメラいじるんだったら読もう、と思ったんだよ。すごいなと思って。
小林:そうですよね。
森辺:僕ね、もの書くくせに、もの読むの嫌いで。
小林:(笑)
森辺:説明書とか、今まで何も読んだことないんだよね。肌感覚で操作できなかったらもう嫌だ、みたいな。世の中のものって、だいたい肌感覚で操作できるじゃない?
小林:そうですね。
森辺:けど、このミラーレスとか一眼レフのカメラってものすごい機能が付いているから、もう説明書読まないと意味不明なのね。
小林:そうですね。
森辺:なんだけどね、全ページ読んだんだ。
小林:えー!
森辺:それぐらいさせるぐらいのカメラなんだよ。息子が生まれるから、というのもあったのかもしれないんだけど。ただね、握ったらドキドキする。
小林:おー!
森辺:ぜひ、皆さんもライカ買ってみてください。
小林:(笑)
森辺:銀座シックスで。
小林:ぜひ、お願いいたします。
森辺:はい。長くなっちゃったね。ごめん。以上です。
小林:ありがとうございます。じゃあ、本日のPodcastはここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。