小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日のPodcastの内容なんですけども、シリーズ化しているかもしれないんですけど、ナビゲーター小林が気になった記事シリーズということで。
森辺:シリーズ化しているよ、それ。
小林:(笑)シリーズ化していますかね?
森辺:うん。最近やっていなかったですね、それね。
小林:そうです、そうです。ちょっと、ここで再び復活ということで。
森辺:気になったニュースがあったと。
小林:そうです。また、私が興味深い記事を発見いたしました。
森辺:はい。
小林:ちょっとご紹介させていただきますと、2018年8月の記事にはなってしまうんですけども、ダイヤモンドオンラインの記事ですね。タイトルなんですけども、「昭和という「レガシー」を引きずった平成30年間の経済停滞を振り返る」ということで、ちょっと5月1日に新元号の令和を迎えたということで。
森辺:去年の記事だね?
小林:そうですね。
森辺:じゃあ、ダイヤモンドが他社に先駆けて、令和に変わる変わるって直前騒ぎ始めるから、もっと前に言っておこうと思って、そういう記事にしたんだろうね。
小林:そうですね。平成30年の経済停滞を振り返るということで、記事の内容と。
森辺:振り返って。
小林:振り返って見てみまして。すごい、一番衝撃だったのが、世界の時価総額ランキングというのが、平成元年と平成30年でランキングの企業を比較して、図があったんですけども、そちらちょっと衝撃を受けたんですけども、平成元年では日本企業が上位50社中32社ランクインしているということで、それが、平成30年になって、日本企業はなんと50社中1社のみということで。
森辺:トヨタでしょう?
小林:トヨタです。そうです、そうです。トヨタなんですけども、なぜ平成元年から平成30年に時代が流れ、こうなってしまったのか。また、令和を迎えて、今後、日本企業はどうなっていくのか。ちょっと森辺さんのほうからお話いただけますでしょうか?
森辺:なるほどね。これね、僕も講演なんかでこの話はよくしてきているんだけど。
小林:そうですね。
森辺:時価総額というよりかは競争力が低下している話とか。あと、フォーチュンの500に入っているとか入っていないとかという話をよくするんだけど。この平成元年と平成30年、本当にちょうど今、これから令和に変わる中で、ちょうどタイミング的にもよくて、いろんな経営者もこの話するんですよ、よく。
小林:そうなんですね。
森辺:うん。この間、クレディセゾンの林野(りんの)さんもこの話をしていた。
小林:あ!たまたま?
森辺:お会いしたときに、永久不滅ポイントのクレディセゾン、知っているでしょう?
小林:もちろんです。
森辺:アメックスのね、あの林野社長がこの話をしていたんだけど。そうなんだよね。すごく分かりやすくて、結局、ここに、目の前にこのダイヤモンドの記事で表があるわけなんだけど、平成元年、世界時価総額ランキング1位~50位と、平成30年の世界時価総額ランキング1位~50位と。平成元年が、これ、日本企業32社、アメリカ企業が15社、イギリスが3社と。それが平成30年になったら日本企業は1社になっちゃったよと。アメリカは実は31社増えていますと。15社から31社に増えていて。中国みたいな会社が出てきていると、7社ランクインしているんだよね。だから、1つは中国の台頭というのはやっぱり大きくて、やられたよね、この30年間でね。昔、知っている? 15年ぐらい前まで日本企業は、日本は中国企業を安かろう悪かろうってバカにしていた。今ではいろんなものが中国でしょう。これ、問題なのが、コモディティみたいなものだけではなくて、ハイテク産業も中国だからね。
小林:うーん。
森辺:例えば、アリババ、テンセント、WeChatPayのほうが圧倒的に進んでいるし、SNS、コミュニケーションツールだってWeChatのほうが圧倒的に進んでいるし、Eコマースだってアリババのほうが全然でしょう?
小林:はい。
森辺:アリババの11月11日の独身の日の売上が、1日の売上が楽天の年間の売上より高いんだからね。
小林:うん。(笑)
森辺:人口構造がそうなわけなんだけども。やっぱりテクノロジー系も中国にだいぶやられたということもあるし、あと、僕は、アメリカの強さだよね。結局、日本はもともとアメリカがつくっていたもの、ヨーロッパがつくっていたものを、より安く、より小さく、よりよくつくったわけだよね。その座をアメリカ・欧米の企業から奪っていったわけだよね。「Japan as No.1」と言われた時代というのがあったわけだよね、1980年代90年代。そこから、技術がすべてなんだと、なんでかと言ったら、技術力を磨くことによって、欧米からその座を奪っていったからね。技術がすべてで、イノベーションを技術革新と訳しちゃったんだよね。イノベーション、技術革新。つまりは、技術を徹底的に磨くことこそがイノベーションだと。でも、今のシリコンバレー見てと。技術なんか別に磨いていないですよと。イノベーションってアイデアだからね。技術を、ハードの技術を磨くことじゃないんだよね。アイデアとテクノロジーを組み合わせて、今まであったものをよりよくするというのがイノベーションだから。例えば、分かりやすく言うと、Uber(ウーバー)みたいなもの。今までは、タクシーというのは車を持って、それから、運転手さんを雇って送迎すると、配車すると。これが、いわゆるタクシーでしょう? けど、Uberは1台の車も、1台の運転手も持たずに同じことを提供しているわけだよね、これこそがイノベーションで、ここには何があったかと言ったら、アイデアとインターネットのテクノロジーでしょう? Airbnbだってそうだよね、世界最大のホテルチェーンだよね。チェーンじゃない、ホテルだよね。ホテルグループと言ったほうがいいのかな。世界中の空き部屋をネットでつないで、それを消費者に提供すると。世界最大でしょう? これこそがイノベーションなわけで。だから、何て言うんだろうな、本当にその昭和の「レガシー」に…、何て書いてあった? ダイヤモンドのタイトル。
小林:「昭和という「レガシー」を引きずった平成30年間の…」。
森辺:うんうん。もう本当にいいタイトル付けるなあ、ダイヤモンドと思うけど、その通りなんだよね。でね、過去を捨てきれなかったんだよね。
小林:うーん。日本企業がということですね。
森辺:技術力があれば、技術力さえあればと。だったら、なんで三洋なくなっちゃったの?という。なんでシャープは台湾の会社の救済を受けなきゃいけないの?と。なんで日産や三菱自動車はルノーの救済を受けなきゃいけなかったの?と、説明付かないことがいっぱいあって。そうなので、やっぱり引きずっちゃったし、引きずっているんだよね、今ね。
小林:なるほど。
森辺:この平成元年の時価総額ランキングと平成30年の時価総額ランキングも、今こうして見ても、何となくこの30年間でわれわれ何となく気付いているから、なんかもう、慣れちゃっているでしょう? そうだよね、みたいな。
小林:そうですね。(笑)
森辺:何となくこんなようなことだと思っていたみたいな。いきなり、突然変わったら、「えーっ、何これ?」となるわけじゃん。でも、ならないんだよ、負け犬に慣れちゃっているからね、体がね。経済大国第2位の座も中国に奪われたわけじゃない?
小林:そうですね。
森辺:奪われたんだけど、「もうすぐ奪われるかもしれない」「えっ、マジ?」「あ、奪われそうだ」「あ、奪われた」「あ、奪われちゃった」「あ、ああ、こんなもんか」…もう慣れちゃっているね、3位の座にね。だからね、これ平成から令和に変わったからといって、いきなり何か急によくなるかと言ったら、ならないからね。何かを大きく変えないと、自らの動力で。右に流れていた川の流れ、プールの流れを左にグーって自らの動力で変えないと。
小林:難しいですね。(笑)
森辺:変わらないからね。
小林:うん…。
森辺:なので、非常に大きな課題だと思います。
小林:うん…。
森辺:この話は今後も引き続きやっていきましょう。
小林:そうですね。
森辺:もう時間なんでしょう?
小林:はい。
森辺:僕のことね、にらみつけてね。
小林:いやいやいや…。(笑)
森辺:手をくるくる、くるくる回すんですよ、小林が。
小林:(笑)
森辺:この辺にしておきましょう。
小林:かしこまりました。こちらの記事も、今後また引き続き、お話いただければと思います。
森辺:はい。
小林:本日のPodcastはここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。