小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日のPodcastの内容なんですけども、このシリーズ化しているとおっしゃっていただいたんですけど、ナビゲーター小林真彩が気になった記事シリーズということで。
森辺:しているよ、シリーズ化。
小林:(笑)ありがとうございます。ちょっとまた別の記事にはなるんですけども、またちょっと興味深い記事を発見いたしましたので、ご紹介させていただきます。記事自体が昨年2018年3月の記事で、2カ月…。
森辺:どこの? どこの記事?
小林:前ぐらいになってしまうんですけど、プレジデントオンラインの記事ですね。タイトルをお伝えさせていただきますと、「同族経営が“普通の経営”より好業績なワケ」。
森辺:いいね。
小林:ということで、ちょっと簡単に記事の説明というか、要約ですね、させていただきますと。同族経営というのは、創業者の家族、親族が株を所有、あるいは、経営を担うファミリービジネスということなんですけども、日本では同族企業と呼ばれ、ちょっとネガティブに捉えられている傾向があるということで。でも、海外では、一方で、もう以前からファミリービジネスの業績の高さというのがすごい注目されているということで。この一般的なファミリー企業が、非ファミリー企業と比べて、ちょっといくつか利点があるということで、ちょっとその利点の4点ですね、説明させていただきます。1点目として所有と経営が一致しているということ。2点目に経営者のモチベーションの強さ。3点目に長期的な視野で経営がしやすいという特徴。4点目に家訓というかたちで強いコーポレートカルチャーを持っている点。ということを、この記事では挙げられているんですけども。よく森辺さんもセミナーで、この同族経営に関しまして、長期的にビジネスを見れるですとか、何か決めるときの決断が早いですとか、やはり同族企業なので強いリーダーシップがあるですとか、ちょっとお話させていただいているんですけども、この利点も含め、ちょっとこの記事につきましてご説明というか、お考え、何をお考えでしょうか?
森辺:なるほどね。そうですよね。僕も同族企業は大好きで。同族企業のほうがグローバル化しやすいというのが僕のセオリーなんだけど。事実、そうなんですよね。この記事で言っている利点を説明。所有と経営が一致しているというのはまさにそうで。例えば、グローバルでもそうなんだけど、所有と経営が一致しているというのは、株を所有しているわけだよね。経営も自分でしているわけでしょう。その会社の内部留保から、お金がすべて所有者のものなわけじゃない? 経営している本人の会社なわけじゃない? これ、グローバル化するときに、同族企業のいいところって、周りからやんややんや言われても、自分の信念をある一定の期間貫き通すことができるんだよね。例えば、アジア新興国なんて、3年5年で成果がパーンと出るような市場ではないから、10年とか15年とか投資をしていかないといけないでしょう? そんな中で、我慢をしっかりしながら自分の信念に基づいて経営を進めていけるというのが、やっぱり同族企業なんですよね。
小林:なるほど。
森辺:というのと、あと、所有と経営が一致しているってすごくて。これ、自分、僕もそう思うんだけど、てめえの金を、これ、投資するわけでしょう?
小林:はい。
森辺:もう死に物狂いなんだよね。例えば、どこかの会社に雇われていて、自分、任期2年ですと。社長ですと。伸ばしてください、頑張ろうってやるけど、自分のお金じゃないでしょう?
小林:そうですね。(笑)確かに。
森辺:うん。自分のお金じゃないよね。自分のお金を張る、この国に張るとかね。リターンを得るって、ものすごくて。例えば、この国に何億張りましたと。何十億張りましたと。これ、失敗したら自分のお金がなくなるんだよね。
小林:(笑)そうですね。
森辺:でしょう?
小林:はい。
森辺:経営者とサラリーマンの違いって、たぶんそこで。優秀なサラリーマン社長は、いかに自分事になれるか。優秀なサラリーマンもそうなんだけど、仕事ができる人って、いかに自分事にできるかだと思うんだよね、今やっていることをね。それを一定期間の自己洗脳でも何でもいいんだけど、いかに自分事にできるかが、できる人間と、僕は、できない人間の違いだと思っていて。この同族経営って所有と経営が一致しているから、もう自己洗脳とかそういう話じゃなくて、使うお金1円単位で自分のお金でしょう? そうすると、直接自分に跳ね返ってくるので、そういう意味では、もうもう、めちゃめちゃ真剣だよね。もう、1ミクロンの隙もないぐらい真剣で、やると決めたら信念を貫けるという、これが、僕は所有と経営が一致しているということの最大のメリットだと思うんだけどね。
小林:なるほど。
森辺:ダメだったら、「大変申し訳ございませんでした」と株主に謝って退任して、次どこ行こうかなってやればいいわけじゃん。でも。
小林:それは、非ファミリーですよね。
森辺:非ファミリーはね。それはトラックレコード傷つくよ。トラックレコード、成功していないトラックレコードが付いちゃうから。けど、死なないよね。資産は減らないよね。どういう結果になろうとも。だから、そこは大きい違いだと思うんだよね。2つ目が何だっけ、経営者のモチベーションの強さ?
小林:はい。
森辺:これもまさにそうだよね。だって、自分の会社だよ。
小林:(笑)そうですね。
森辺:僕と連絡取れないことってないでしょう? 休暇中ハワイにいたって、連絡したら時差があってもパーンって返信返ってくるじゃん?
小林:来ますね。来ましたね。(笑)
森辺:だから、邪魔されている感がないよね。それがたぶん、経営者のモチベーションで。自分の仕事だから、自分の会社だから、「えーっ、休み中になんで連絡してくるのよ、この人」みたいなのは全くないわけよね。だって、自分のために連絡してきてくれているこの社員はすごいかわいいなとしか思わなくて、必死にやってくれているんだなと。これがたぶん経営者のモチベーションで。誰でもそうだと思うんだよね。自分のことになったらそうなるでしょう? 自分の携帯、大切に使うのに、会社の備品携帯は粗末に使うのとたぶん一緒。自分のパソコンめちゃめちゃきれいに使うのに、会社のパソコン汚く使うのと一緒で。社用車もそうでしょう? 自家用車だったら傷一つないように磨くのに、社用車だったら少々こすってもいいみたいな。これがまさに経営者のモチベーションで。すべてが自分のものだから、めちゃめちゃ高いよね。ということだと思うんだよね。
小林:なるほど! 3点目ですね。
森辺:3点目が長期的な視点で経営がしやすいという特徴、これはまさにそうだよね。そんなすぐにリターンが得られるものなんていうのはなかなか難しくて。グローバルと新規事業というのはやっぱりそれなりに時間がかかりますと。1つの目安が、僕さっき、10年15年投資とか言ったけど、やっぱり1つの目安が、僕は7年なんだよね。これ、新規事業もそうなんだけども、海外展開も7年というのが1つの目安で。これはどういう目安かと言ったら、ブレークイーブンするまでの年数が、僕の経験値から言ってだいたい7年。売上ポーンと出すのは別に2年目から、3年目から全然出るわけ。月次短黒なんていうのは、海外事業でも別に3年目ぐらいからやろうと思ったらできるわけだよね。どれぐらいの規模でやるかだから、小さい規模でやろうと思ったら1年目からもできるわけだし。なので、まあまあ、そこそこの規模の事業でブレークイーブンしようとすると、だいたい僕は7年だと思うので、そういう長期的な視点で経営ができますよというのが3つ目だよね。
小林:はい。最後に4つ目ですね。
森辺:4つ目が何? 家訓というかたちで強いコーポレートカルチャーを持っている、これもそうだよね。だって、自分のものだからね。
小林:自分の会社ですもんね。(笑)
森辺:うん。だから、当たり前っちゃ当たり前で。俺はこうしたいというカルチャーがあって、それが、日本であまり同族企業があれだというのは、ワンマン社長みたいな、一時期言われていたけど、社長なんかみんなワンマンだからね。なんかちょっと北朝鮮みたいなイメージを持つからよくなくて。「何でも俺の言うことを聞け、わー」みたいな。
小林:社長の言うことは絶対、みたいな。
森辺:みたいなね。なんだけど、そういう極端な例で言うんだけど、同族企業というのは、僕はグローバル化していく上では非常に重要で。例を出せば、ユニクロとか、日本電算とか、ミネベアミツミとか、あと、ソフトバンクとか、全部同族企業でしょう?
小林:はい。
森辺:グローバル化をバンバンしているじゃない?
小林:そうですね。
森辺:なので、グローバル企業を探したければ同族経営を探すとぶち当たる、というのが結構な確立であります。時間だよね?
小林:あ、はい。
森辺:すごい顔してね、腕をぶるんぶるん回しているんですよ、小林がね。
小林:いえ。(笑) また人聞きの悪いことを。(笑)
森辺:すみません。以上です。話長くて申し訳ない。
小林:(笑)ありがとうございます。本日のPodcastはここまでにいたします。この記事に関しまして、次回も引き続きお話いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
森辺:はい。よろしくお願いします。
小林:リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。