東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、最近いろんなところで話題になっている新型コロナウイルスなんですけども、医療の専門家というよりは、どちらかと言うと、海外のグローバルの専門家としてこれをビジネス寄りから考えてどう捉えているのか、お客さんからも心配の声があったり。
森辺:うん。すごいね。
東:いろんな質問があったりすると思うんですけど、その辺ちょっと、ざっくばらんにどうなのかなというところをお聞きできればと思うんですが。
森辺:いい回ですね、コロナウイルス、タイムリーだし。うちもお客さんからの問い合わせがすごくて、「どうしましょう…」みたいなね、「基本的には、もうヤバいですね。どうしましょう」「帰任させるべきですか」とか、「プロジェクトを止めるべきですか」とか、そういう…、何だろうな、どっちかと言うと、ヤバいと、焦ってという、そういう流れがここ1カ月。12月は大丈夫だったじゃない?
東:はい。
森辺:国慶節ぐらいからね。
東:あー、旧正月ね。
森辺:旧正月、ごめんなさい、旧正月のちょっと前だね。前から騒ぎ始めて、今に至ると。現在、2020年2月14日の収録になっていますけど、バレンタインの…、バレンタインだね、今日ね。の収録だけど、今こういう状況ですと。その中で僕、SARSもMARSも実は中国にいましてね、当時、両方とも経験していて、SARSが確か2002年だったと思うんですよ。
東:そうですね。
森辺:当時、僕、26~27で最初の会社を立ち上げた、そんなときだったんですよね。初年度でSARSだと言ってとんでもないことになって、親も当然心配をして「帰ってこい」と、「中国で何やっているんだ、おまえは」と。
東:はい。(笑)
森辺:僕はそのとき深センというところにいて、今みたいな深センじゃなくて、第二国境とかがあって、結構ヤバい感じの深センだったんですよ。ただ、経済成長が当時14%ぐらいあって、周りの風景がどんどん変わっていくような、そういう深センで。上海なんかもテレビ塔しかまだないという、そんな感じのところだった。テレビ塔と何本か高層ビルが建っていたみたいな、そんな状況で。あのときもSARSと言っていて、国際社会はビビっていたでしょう?
東:はい。
森辺:なんだけど、あのときの中国人は、まだそんなにSARSとか何とか菌にビビるような余裕はなかったんですよ。
東:うーん。
森辺:今みたいに豊かな中国じゃなかったからね。基本的に、みんな、黒か灰色か緑の人民服みたいなのを着て自転車をこいでいたときだから、そんな、「SARS?知らんがな!」
東:(笑)
森辺:それよりももう、今日の飯をどう食うかというほうが重要だと。SARSで風邪引いたって、飯食えなかったら餓死するだろうみたいな、そんな感じで。3Mのマスクを被っていた僕たちが変な目で見られるという、そんな感じだったんですよ。そこからMARSがあったよね。MARSぐらいのときは、中国人、なかなか、そこそこ豊かになってきていて、結構、意識し始めるようになっていて。今回、SARSになったら超裕福でしょう。
東:新型コロナウイルスね。
森辺:あ、ごめん。新型コロナウイルスになったら中国人も今、超裕福じゃない?だから、めちゃめちゃ過敏に反応するみたいなね。
東:そうですね。
森辺:僕、面白いなと思っていて。これ、別に中国人をあれしているわけじゃないよ。ただ、中国人って、僕、大好きなんですだけど、面白いなと思っていて。この裕福になればなるほど必要以上に過敏に反応するという、たぶんこれ、日本人が日本人の独特の国民性と中国独特の国民性というのがあって、だから、ぶっちゃけインフルエンザみたいなものじゃないですか、コロナウイルスって。
東:はい。
森辺:今、アメリカでインフルエンザが1万人を越えたとかって、死者がね、騒いでいる中で、SARSよりも殺傷能力というのかな、何て言うんだろう、感染したときの。
東:低いと…。
森辺:うん、致死率は低いと言われていて。いろんなフェイクニュースが流れているから、何が真実か見えないところもあると思うんだけども、世の中が焦り過ぎているみたいな。中国人も、もう落ち着くと思うんだけど、裕福になって豊かになったから、ものすごい反応するじゃない?
東:はい。
森辺:例えば、あれもそうじゃん、P…、空気、空気…。悪い空気、何だっけ…。大気汚染、大気汚染。
東:はいはい。
森辺:大気汚染ね、PM2.0。
東:はいはい。
森辺:とかもね、あんなの昔からあるわけですよ、別に、中国ね。
東:(笑)そうですね。
森辺:それでも、昔、別に大気汚染なんて何も気にしなくて。大気汚染なんか気にしている場合じゃないと、もっと働いて稼がなきゃいけないという時代だったから、全然気にしなかったのに、豊かになったことで少し過敏に気にし過ぎ、というのがまず1つあるのと。あと、日本のメディアの情報もまたあれなんだけど、朝のビジネスマンが出勤した後の時間帯の番組とか、昼間の時間帯の番組とか、わけの分からないコメンテーターがわけの分からないことを言っているんだけど、そういうのを見ていると、こんなので煽ってどうなんだろうなとも思うけども。そんなのもよくないし。あと、中国も田舎のほうに行くと、教育を受けていないような田舎の人たちね、おじいちゃんたちが、このコロナウイルスを、噛まれたらミイラになるぐらいの勢いで、もう、猪八戒みたいな、孫悟空のやりみたいなのを持って、うちの村に入ってくるな!みたいなことをやっているじゃない?
東:はいはい。
森辺:だから、ああいうのを見て、やっぱり大国だよな、中国はなと、広いからいろんな人がいる。都心の裕福な人は過剰に反応しちゃうし、田舎のほうの人は逆に変な意味で恐怖感を覚えてと。ただ、冷静になって考えると、別にインフルエンザと同じようなものだよという話で、そんなに僕は焦らなくてもいいんじゃないかなというのは、ごめんなさい、楽観視して申し訳ないけども、そう思っていますと。だって、アフリカに行って、エボラ出血熱が何十人出ましたとか、そういうニュースを聞きながらアフリカへ行くわけじゃない?そのときのほうがよっぽど僕、神経としては怖いし、死にますからね、あれはね。あと、狂犬病。
東:はい。
森辺:狂犬病って新興国へ行ったらそこら中に野良犬がいて、寄ってくるわけじゃない?そしたら、狂犬病のほうがよっぽど怖いし、そう考えると、少しちょっと騒ぎすぎなんじゃないかなという気はするんだよね。
東:うーん。そうすると、気は使わなければいけないけども、必要以上に警戒する必要も、今の時点ではないんじゃないかという感じなんですかね?
森辺:うん。僕はそう思うよ。いや、僕も分からないよ、確実なことはね。ただ、1つ言えることは、経済を止めちゃ駄目だよね、ということは1つあって。だって、これでみんなが今、中国の取組をやっているけど、止めてどうするの?という話で。今月のわれわれのこの情報量の中で考える今後の中国と、たぶん来月の情報量ってまた変わってきているから、おそらく、僕、もうここ、来月、再来月ぐらいには中国は普通に動き出してくると思うのね。というのは、コロナウイルスはまだまだたぶん、なくならないけども、ただ、経済活動自体はやらないと中国13億人は食べれないから。
東:そうですね。
森辺:中国って、今、世界のGDP比で16~17%あるでしょう、割合がね。
東:はい。
森辺:そうすると、日本が5~6%だと思うんだけど、16~17%GDP割合あるところが、いきなり経済活動ストップですよとやったら、もう世界経済に波及するのは見えているから、経済は止まらないはずなんですよ。これが移ったらゾンビになるとかだったら別だよ。なんだけど、風邪を引く、肺炎だと言うんだったら、たぶんもう収束すると思われるので、そんなに過剰に反応しなくてもいいんじゃないかなと思うんだけどね。
東:分かりました。森辺さん、今日はここまでにしたいと思います。今日はありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。