東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、今日はちょっとベトナムのお話をしたいと思うんですけど、去年末ぐらいからまたベトナムのお問合せがちょくちょく入っていて。一時期多かったのが、またお困りになっているということでご相談いただくことが多いんですけれども。久しぶりですよね、たぶんベトナムの話をするのも。
森辺:そうですね。国ごとの話って、そういえばそんなにしてないよね。
東:そんなにしてなかったですね。
森辺:これから増やしていこうか。
東:なので、ちょっと、森辺…、聞いているリスナーさんの方ももう知っているよという方もいらっしゃれば、どういうチャネル構造になっているとか、どういう市場なのかというのはあまり馴染みがない方もいらっしゃると思うので、FMCGの観点から見て、チャネルの構造とか市場構造がどうなっているのかというのをちょっと簡単にご説明いただけないですかね。
森辺:一番の特徴としては、ASEANの1国ですということの中で、ASEANを挙げるときに、僕はASEAN6ってよく、SMT、シンガポール・マレーシア・タイの先進的なASEANと、あと、一方で新興ASEANとしてのVIP、ベトナム・インドネシア・フィリピンでVのほうに入れて、その他3つ目がメコン経済圏と言って3つに分けるんだけども。その中の真ん中ぐらいの中間のところに位置するVIPの1つです。ベトナムに関しては、ASEAN6だけでSMTとVIPだけで言ったときに、最も近代小売の数が少ないのがベトナムで、今、現状は2,000店舗ぐらいかな。一方で、伝統小売が50万店ぐらいある市場なので、現法を持ったらもう確実に伝統小売をやらないと儲かりません、利益出ませんという、そういう市場の特性。だから、輸出でやっていてもなかなか難しい市場、FMCGにとってはね。という市場かなというのと。あと、ハノイからホーチミンまで1,500キロぐらい縦長の国で、市場分布が、やっぱりホーチミンのある南で5割、ハノイのある北上で3割、ダナンで10割、その他10割みたいな、あ、10割じゃない、10%、10%なので、1割1割なので、非常にホーチミンがデカい市場でありますよということと。あと、そうですね、TTやらないと儲からない市場であるということと、ホーチミンとディストリビューターを、南のディストリビューターを北で使っても使えないし、北のディストリビューターを南で使ってもなかなか使えないというは1つだよね。あとね、大きな市場の特性としては、ディストリビューターにセールス機能がないというのが1つの大きな特徴で。ないと言ったら語弊があるんだけど、セールス機能を持っているところは少ないという。
東:極端に少ないと言いますよね。
森辺:うんうん。そうね。
東:じゃあ、一応概要をお話いただいて。一番の特徴としては、ディストリビューターがあまりセールス機能を。
森辺:持っていないという。
東:持ち合わせていないというところなんですかね?
森辺:うんうん。そうね。ほかの国と比べて大きく、やっぱりディストリビューション・チャネルをつくるという観点で言ったら、そこが一番違いますよね。
東:それは具体的にどういう、もうすべてのディストリビューターがセールス機能を持っていないのか、大手は持っているけどほかは持っていないとか、その、感覚値でいいんですけど、教えていただければと思うんですが。
森辺:ディストリビューターの一番大きな機能って何ですかと言ったときに、セールスじゃない?日本だとね。
東:はい。
森辺:デリバリーって、どっちかと言うと、佐川やヤマトがやるから、基本的にはセールスをやるというのはディストリビューターですという定義をわれわれは持っていると思うんだけども。これはほかのASEANに行っても、佐川やヤマトみたいなあんな便利な会社はないから、デリバリーもやるけど、もちろんセールスファーストだよねと。セールスしないとデリバリーする先がないからねということで、セールスはディストリビューターの一番重要な機能なんですよ。ただ、ベトナムに関しては、あまりにもまだ、さっき言ったように後進的な新興国であるということと、遅れているVIPであるということと、あと、もともと、もともとと言うか、共産国じゃない?
東:はい。
森辺:だから、売りにいくというよりかは買いにいくという話なんだよね。工場が商品つくったら、もともとはその工場に取りにいくという、問屋がね、それを問屋がまた小売に、あ、小売が問屋に買いにいってみたいな。だから、売ってやっているみたいな。
東:(笑)
森辺:何て言うんだろうな、一時の中国じゃないけども、そういう流れがあったので、とてつもなく遅れていますと。ディストリビューションということについて。そうすると、遅れているので、早くに参入した先進的なグローバル企業が、自分たちでセールスだけをやって、おまえたちはディストリビューターだ、デリバリーだけやれという、そんな時代がずっとあったんだよね。なので、認識としてディストリビューターの定義がデリバリーだけでもディストリビューターという定義になっちゃっているという。なので、多くの企業でそこに難しさを感じているというのが1つある。
東:じゃあ、そこを最初ほかの国はこういうディストリビューターだから、ベトナムもそうだろうと思って入ると、全然違うということが分かるのにもやっぱり時間がかかるし。
森辺:時間がかかるし。「えっ、セールスできないの?」みたいな、「えっ、セールスそんな弱いの?」みたいな話で。デリバリーだったら、ヤマトとか佐川のことを言っていて、トランスポーテ―ションじゃないと、ディストリビューターじゃないじゃないみたいな、そういうのはあって。そこが着任から何年も、一体何が真実なのかが見えていなかったりという日系企業ってけっこう多くて。
東:はいはい。
森辺:僕が結構いろんなところでそれを言っているから、最近その認識はないんじゃないかな。みんな、ベトナムはセールス機能がないってね、手前味噌で恐縮ですけど、僕が吠えた貢献度が結構あるんじゃないかと思うんだけどね。
東:(笑)
森辺:相当言ったんだよね。ないよ、ないよとね。
東:じゃあ、それはないということで。分かりました。森辺さん、ちょっと時間がきたので、今日はここまでにして。引き続きベトナムについて、その辺の特徴も含めてもう少し整理してお聞きしたいと思います。
森辺:はい。
東:ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。