東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、引き続き、ベトナムということなんですけども、経験値の戦略を指揮する側の経験値というのもあると思うんですが。
森辺:はい。
東:一方でベトナムのローカルの営業マンの気質というか、扱いやすい、扱いにくいというのは、やっぱりあるじゃないですか、国によって。その辺はどうなんですかね?
森辺:そうですね。もちろん、人によっていろいろあるし。
東:はい。違いますよね。
森辺:うん。違うので、あるんだけど。ことFMCGのセールスとか、セールススーパーバイザーみたいな役職の子たちで話をすると、やっぱり、別に優秀な人間を雇うことが重要なことじゃ、僕は、ないと思っていて。それを管理する人とか、それは優秀じゃないと駄目ですよ。ただ、セールスとか、セールススーパーバイザーって、問題が起きているのって、ちょっとこずるい、ちょっと要領のいい子を雇うから、日本人ではマネージできなくなって、結局、自爆するみたいなことになっていて。重要なのは、決まったことを毎日飽きずに実直にやってくれる子がやっぱりすごい重要なので。それが優秀の定義なんですよね、FMCGのセールスとか、セールスレップって。そうすると、それ以外のスキルセットが優秀かとかってあんまり見ないほうがよくて。10年先の組織をつくるときに、みたいなことを考えちゃうのか、ちょっと分からないと思うんだけど、そんなにベトナム人、あなたの会社にいませんからというね。だから、今の機能に対してどういうスキルセットが必要なのかっていうところの定義付けから、たぶん、日本企業はやったほうがよくて。そこがやっぱり間違っちゃっているというのが多いんじゃないかと思いますよね。
東:はいはい。
森辺:うーん。性格的にあんまりこう、どこの国もそうですけど、日本人に本当のことなんか言わないじゃないですか。
東:(笑)そうですね。
森辺:だとすると、もうどんなに見ようと思っていても、ローカルの子たちの見えない部分なんて絶対にあって。
東:そうですよね。
森辺:うん。
東:特にベトナム語で会話をされたら全く、ほとんどの方は分からないですもんね。
森辺:うん。ベトナム語を学ぼうとは思わないでしょう、駐在、そりゃ生活に必要な言葉ぐらいは学んだとしてもね。
東:はいはい。
森辺:なので、これは別に中国だってそうだし、タイだってそうだし、インドネシアだってそうなんで、なので、そこは1つあると思うんだけど。あと、何だろうな、そういう人材を採用するということと、あとね、管理の指標をシンプルにするというね、あんまり2つぐらいのこと以上をやらせないほうがいいと思います。最大3つ。君の仕事はこれとこれとこれ、みたいな。
東:はい。
森辺:管理されるKPIの軸は、これとこれとこれ。
東:はい。
森辺:それに応じて、例えば、インセンティブ分が負荷されるみたいな、もう単純明解な管理の仕組みと報酬の仕組みが、やっぱりすごく重要で。そこがすごくあれかな。当たり前だけど、感情的な部分を抜くということですよね。
東:そうですね。
森辺:思いの評価みたいなね。
東:はい。
森辺:意味のないロイヤリティとかね、そういうのは、もちろんカウントに入れちゃ駄目だし。
東:分かりました。じゃあ、4回にわたってベトナムの話をしてきたと思うんですけど、ちょっと概要をまとめていただいて、どういうところに気を付けていればいいのかとか、ちょっと森辺さんなりの言葉をいただければと思うんですが。
森辺:ベトナムのFMCGに関しては、基本的には現産現販でないと輸出では儲からない市場ですというのが1つですよね。なので、現産現販ですと。もしくは、近隣諸国でつくったものを安くベトナムに入れて売るというビジネスじゃないと難しいですねと。一方で、MTの数が2,000店舗ですと。これから、これが数年で1万店2万店になるかと言ったらなりません。
東:はい。
森辺:そうすると、TTの50万店をいかに攻略するかということが重要になってくると。そうすると、やっぱりターゲットが中間層なわけですよ。FMCGなので絶対中間層で、これはどこの国に行っても変わらないターゲットであると。
東:うんうん。
森辺:そうすると、中間層が求める商品を、中間層が賄える価格で売れているかどうかということがまず重要で。それを中間層が買いやすい売り場、つまりは50万店のTTのどれだけの割合を獲れるかという、それを獲るためのネスレリーバモデル的な100、200のディストリビューション・ネットワークを駆使したディストリビューション・ネットワークを持たないといけないというのが最大の特徴で。それを補うのが自社のセールスであって。MTだけで勝負しても絶対に現地の固定費は出ませんねというのが、まとめとしては重要ですかね。
東:分かりました。森辺さん、今日はここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。