東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、今日はリスナーの方に、森辺さんが通常どんな仕事をやっているのかというのを、どんな依頼が、そもそも相談とか依頼が来るのかというのを詳しく知りたい方もいらっしゃると思うので、簡単にでいいんですけれども、その辺をお話いただければと思いますけれども。
森辺:前回かな、ちょっとお話したと思うんだけど、コロナで日本の企業の相談、状況がどう変わっているかみたいな話をしたと思うんですけどね、結論を言うと、コロナになってから一旦立ち止まって、今グローバルでやっていることが本当に正しいのかどうかをもう1回見つめ直す機会になっていて、逆に忙しくなってテレビ会議が非常によく入っているという話をしたと思うんだけども。それにもちょっと関係してくるのかなと。前回はそんなに具体的にどういう内容かという話はしなかったので、ちょっと当たり障りのないような範疇でお話をすると、やっぱり僕らのところに来る相談というのは、「そもそも売上を現地でどうやって上げるの?」という相談が圧倒的だというのは1つですね。それが大枠ですと。もう9割それだよね。「どうやってこの国で売上を上げたらいいですか」という。分類すると、いわゆる2種類あって。現地に工場はない、なので輸出でやるパターンと。あと、現地に工場があって、もう長年取り組みをしていて、それなりにシェアがあるんだけれども、やっぱりまだまだマイナーシェアだし、これをもっともっと上げていかないといけないけど、ジレンマになっているみたいな、そういう2つの依頼が多いですよね。
東:その2つで何か、相談の内容というか、種類というかというのは違うものなんですかね?
森辺:まず大きくやることがやっぱり全然違ってくるし、目指すべき目標数値みたいなものもやっぱり大きく違ってくるんですよね。輸出でやるのと、現地生産品を現地で売るのでは。なので、そこがやっぱり一番大きな違いで、そこからですよね、まずはね。
東:じゃあ、分かりやすく言うと、どちらともで共通している悩みとか相談内容とか、こういうことできませんかというのはどういったものが来るのかというのは、教えていただければと思うんですけれども。
森辺:共通して「売りたい」ということを言われるわけなんだよね。ただ、輸出でやっている会社さんって、どちらかと言うと、やっぱり企業規模として小ぶりなのが多い。大手でも新たに取り組みを始める国とか、新たに販売を始める商品群とか、そういう感じが多いんですよね。一方で、現地で既にやっているとなると、当然ながら大手がやっぱり中心でやっていて、そこそこやっているんだけれども、まだまだ問題があるという、そういう状況で。輸出でやっているほうは、そもそも関税で商品が高くなるわけじゃないですか。
東:はい。
森辺:そうすると、TTのチャネル構築とか、そういう話にはあまりならないんですよ。Traditional Tradeをどうする、伝統小売をどうするとか、そういう話にはならないので、いかに収益を上げられる国を選定して、そこのMTに対して収益を上げるかということをフォーカスするので。例えば、「ベトナムでやりたいんです」と来ると、必ずしもベトナムで輸出でやって丸かと言うと、そうじゃないケースがあって、「いや、ベトナムやる前にタイだよね」みたいな話にもなったりするんだよね。
東:なるほど。分かりました。そうすると、輸出で来るところは、TTより、どちらかと言うと、MTに対してどうやって売っていくかというところの悩みが多いということは、MTにうまく入りきれていないとか、そういうところが多いですかね?
森辺:そうですね。漠然として売りたいという話なので、MTとかTTとかっていう区別もなく、たぶん売りたいと来ていて、でも…、で、「ベトナムだ」と言って来たりね、「インドネシアだ」と来るんだけども、「いやいや、インドネシアじゃなくてジャカルタだよね」とか、「ベトナムじゃなくてホーチミンだよね」とかね、もっと言ったら、「ホーチミンよりまずはバンコクやるべきじゃない?」みたいな、中でも、セブンイレブンだよね、まずは」みたいなね。もっともっと細分化していくと、そうすると、やっぱり狙える最大の売上って、輸出でやっているうちはやっぱり「この国だったら3億だね」とか、「この国だったら4億だね」みたいな話になってくるんですよね。なので、それをするためには、ターゲットを絞っていくということになる、言ったら、関税が乗って高くなるわけですよ。日本で100円で売っているものが150円とか200円とかになるわけだから、そうすると、向こうの所得を考えても、中間層になかなか頻繁に買ってもらうというのは難しいので、富裕層と、あと、中間層が特別な瞬間に買うもの。じゃあ、「それを買う売り場ってどこ?」ということになるので、今度それで売り場を特定していくとMTになって、MTの中でもさらに特定されていくみたいな流れになるんですよね。これが輸出の場合なんですけど、一方で、現地法人があって、現地で生産してとなると、もうこれはTTをやらなかったら絶対儲からないので。輸出ってイニシャルコストがないじゃないですか。
東:はい。
森辺:キャッシュオンデリバリーで入金を先に受けて出荷するわけなので、基本的にいくらだろうが出荷があればその分プラスなわけですね。なんだけども、現地法人があるということはコストがかかっているので、固定費かかっているので、売上が上がらないと赤字が出ますと。じゃあ、それをさせないために売上を拡大させる、シェアを拡大させるためにどうすればいいかと言うと、やっぱりTTをやらないと利益が出ないので、チャネルの構築のやり方がそもそもTT中心になるんですよ。なので、そこがたぶん大きな違いですよね。
東:なるほど。分かりました。じゃあ、ちょっと今日は、森辺さん、時間が来たのでここまでにしたいと思います。次回も引き続き、よろしくお願いいたします。
森辺:よろしくお願いします。