東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
<本のご紹介>
日頃よりSPYDER CHANNELご覧いただき、誠にありがとうございます。森辺一樹の新刊『この1冊ですべてが分かる グローバル・マーケティングの基本』が出版されました。ぜひ、お近くの書店、Amazonでお求めください。今後とも、森辺一樹とSPYDER CHANNELをよろしくお願いいたします。
東:森辺さん、年も明けていよいよ始動していますけど、年末年始とかってどう過ごしていたのかとか、思うところがあれば何か。
森辺:年末年始は、11月の中旬ぐらいから妻の妹の夫婦が日本に来ていたんですよ、サンフランシスコから。2週間のクアランティーンがあるから、伊豆に行って伊豆で隔離をしていて、ゆっくりしていて。2週間終わってから東京に来て僕の家にずっと泊まっていて、小っちゃいのが3人いて、うちの小っちゃいのが喜んで、ガヤガヤ、ガヤガヤして賑やかで。でも、どこへ行ってもそんなにギャーギャーできないからね。
東:確かにそうですね。
森辺:公園行くぐらいで、家に行くぐらいで、そんな11月ずっとあって。12月のクリスマスパーティーも今年はこじんまりとやったんだけども…。こじんまりやって、お正月はまた伊豆に行って、伊豆でお正月して、スキーして今に至るみたいな、そんな予定だったんですよね。
東:その辺で、じゃあ、アメリカから何日か。
森辺:親戚。
東:親戚が来られたという。
森辺:そうそう、旅行者じゃないので、向こうに住んでいるんだけど親に会いに来たみたいな、そんなので、ずっともう1年ぐらいコロナで会えなかったので。
東:そうですね。
森辺:久々に来て、賑やかなというか、疲れたなというか、実はまだいるんだよね。
東:そうなんですね。
森辺:うん。もうアメリカのコロナの状況がまずくて。
東:そうですよね。
森辺:帰るに帰れなくて。
東:そうなんですね。
森辺:やっぱりあれだよね、いいよね、そういう異国に住んでいる人と一緒に生活をすることも、たまにね。「あ、そうだな、よく考えたら」みたいなことが結構あって、アメリカ、子どもたちがオンラインで授業を受けているんですよ。
東:へえー。日本にいながら?
森辺:いながらね。「学校どうしているの?そんな何カ月もこっち来て」と。基本、会社はリモートワークだから朝早く時差があるから4時5時ぐらいに起きて、旦那さんはテレビ会議に参加していて。朝、仕事して、すべてがリモート。それで自分の家も携帯で庭に猫が侵入したら携帯にアラートが来たりとか。
東:へえー!
森辺:すごいリモートだなと思って。アメリカの会社だから何となく想像がつくじゃない、リモートワーク進んでいるんだな、みたいな。なんだけど、学校もすごくて。当然、ハーフだからアメリカの私立の学校も行ってれば、日本人学校にも両方行っていて、3人が3人、インディビジュアルでマンツーマンで授業をしているんだよね。
東:そうなんですか。
森辺:宿題とかも出て、すごいな、オンライン学習。僕が子どもがまだ小っちゃいから分かっていないだけかもしれないんだけど、国境越えてオンライン学習OKだと言って、学校に許可を取って来ているんだよね。
東:そうなんですね。
森辺:基本的にサンフランシスコはもう学校は閉じていて、全部オンライン授業になっている。じゃあ、そのオンラインをどこの国で受けるかという問題で、日本だと絶対駄目だよね、アメリカに行って受けますみたいな。
東:そうですね。
森辺:なんだけど、アメリカの学校は日本に来て受けますってOKみたいな。それでこっちにいてすごかったなというのと。あと、アメリカの日本人学校で習う歌が、日本人でもこんな歌知らないよという歌を歌っているんだよね、ハーフの子たちがね。
東:はいはい。(笑)
森辺:何て言ったかな。分かんないけど。
東:聞いたことはある?
森辺:明治時代の歌みたいなやつ。だから、そういうのも面白いなと思って。
東:文化の違いというか。
森辺:日本にいたら、『はなかっぱ』とかね、朝やっているんだよね、2チャンネルでね。とか、お母さんと一緒とかそういう話になる。アンパンマンとか、そういう話になるんだろうけど、明治時代の歌なのか、これ?っていう、戦時中の歌なのか、戦前・戦後みたいな、そういう歌。教えている人が結構年くっているんだろうね。そんなのがあって、こういう気付きというのは非常にいいなというふうに思って、特に今年は、今年と言うか、去年か、去年はコロナで誰とも接しなかったからそう新鮮に感じたのかもしれないんだけど、普段の日常とは違う人たちと交わって、その国の状況ってこうなんだな、ああなんだなと、ふと思う瞬間はよかったなというふうに思いました。
東:そこで何か通常と違うなとか、そういうことを感じたことって他にあれば?
森辺:あとね、びっくりしたのは、靴下、実は、僕ね、クリスマスに靴下をもらったのよ。クリスマスに要らない高いものとかをもらうの嫌だから「何も要らない」といつも言っているんだけども、義理の両親が気を使って、高島屋かどこかで豪華な箱に入った靴下をくれたんですよ。ちょうど、靴下がなかったというか、古くなっていたんでよかったんだけど。その靴下の梱包を見て、「うわー、なんかこれだよな」と思って、日本の行き過ぎたというか、世界に通用しない梱包、これが通用するケースと通用しないケースがあるんだけど、靴下そのものにはブランドはないんですよ。靴下そのものにブランドがあれば、これだけ念入りな梱包をしても、それはブランド価値として浸透するんですよね。その靴下メーカーの歴史、ヒストリーとか、言ったら、そのメーカー自身にブランドが立っているから、だから、たかが靴下なんだけど、それをされど靴下に見える演出、パフォーマンス、これはすごく重要で。こういうメーカーってヨーロッパにはたくさんあるんですよ。靴下もそうだしネクタイもそうだし。ネクタイしかつくってない、靴下しかつくってない、ワイシャツしかつくってないみたいな。たかがシャツじゃん、それが10万20万するという。それがめちゃめちゃ手縫いですごくいいという、ものそのものも良いということもそうなんだけど、そこにブランドがくっついてくるわけですよ。それの最たるものがイタリアのブリオーニとか、フランスのエルメスとか、そういう話なんだと思うんだけど、もっとマニアックなメーカーもいっぱいあるんだけど。
東:そうですね。
森辺:その日本の高島屋で売っていた靴下は、靴下そのものの品質は最高に良いんです。ただ、残念ながらその靴下の品質はいいんだけど、ブランドがないから、外のヨーロッパのブランドね、いろいろあるじゃない、名前を言うと、メーカーの誹謗中傷になっちゃうから言いませんけど、そのブランドのライセンシングをペタッと貼って、それをめちゃめちゃ丁寧に梱包するわけですよ。要は、靴下の中に靴下の形した紙がちゃんと入っていて、それを引き抜いて、あと、靴下両方ピンでとまっていたり、シールでとまっていたり、あと、何とか品質と書いたシールが貼ってあったりとか、26~27とかって書いたシールが貼ってあったりとか、とにかく、僕は1回洗わないと着たくない派だから、洗濯機にそれを入れるのに、5足の靴下からシールを剥がして紙を抜いてほどいてとやるのに、20分ぐらいやってたの、面倒くさいことを。それを見たアメリカ人が呆れた顔をしていて、「なんでこんな不必要な梱包をしてあるんだ、この靴下は」ということを言っていて、「だよな」と思ったんだよね。
東:はい。(笑)
森辺:だから、この靴下そのものに、ライセンスブランドじゃなくて、品質が良いのは分かったと。もうそれはみんな分かっているんだと。なんだけど、この靴下を、されど靴下にしたければ、やっぱりその靴下をつくっているメーカー自身がブランドになるか、もしくはそのメーカーがつくる商品がブランドになるかしないとね、やっぱりそれってアンunnecessaryというか、not necessaryと言われちゃうんだよね。だから、それはすごくそう感じたんですよ。そんなことがありました。
東:分かりました。では、結構時間が経ってきたので今日はここまでにして、次回続きをお願いします。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。