東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、いよいよ出版になって、店頭にも並んでいて、『グローバル・マーケティングの基本 森辺一樹著』と書いてありますけど、グリーンのきれいな表紙になっているので、結構、店頭でも目立つと思うので、ぜひリスナーの皆さんも店頭でパラパラと見ていただければと思うんですが。
森辺:買ってください。
東:(笑)
森辺:買ってください。お願いします!
東:(笑)思うので。
森辺:もう、これね、本を書いてね、書いたはいいんだけど、書いて終わりじゃないんだよね。
東:そうですね。売らなきゃいけない。
森辺:この後、売らないといけない。売れないとね。
東:売れないと、利益が残らないんですよね。
森辺:印税なんて大したことないんだけど、売れないと、なんか落ち込むのね。
東:はい。
森辺:もう皆さん、1冊と言わず、2冊3冊、ぜひよろしくお願いします。
東:(笑)はい。前回は大枠のこの本について語っていただいたんですが、今回、第1章から少し、どういうことが書いてあって、どういう人に読んでほしいのか、この章を、というのを教えていただきたいんですけど。まず、はじめの第1章が「なぜ今、グローバル・マーケティングが必要なのか」という大前提のタイトルになっているんですけど、ここにはどういうことが書いてあって、どんな人が読んだら響くのかというのを、ちょっと教えていただければと思うんですが。
森辺:基本的に、この本はすべてのビジネスパーソンに向けて僕は書いたつもりで。今のこのご時世ね、「かつての日常は戻らない」なんてコロナ禍で言うけど、そんなことは絶対あり得なくて。おそらく2022年か23年ぐらいになれば、懐かしかったコロナみたいな話になって、またグローバルが進みだすと思うんだよね。今、実際に、コロナ禍であってもやっぱり鎖国していたら自分たちの国って成長していかないんだということが確実に証明されたので、「グローバル市場は必要だ」ということは誰にとっても、たぶんそういう時代になってくる。そうなってくると、いつしか必ずたぶん海外の事業に携わることがあるので、僕はすべてのビジネスパーソンに向けてこの本を書いたというのが、まず全体的な話です。中でも、特に読んでもらいたいのは、製造業の人たち。B2Cの事例を基本的には中心に書いているんだけども、B2Bの人たち、製造業の人たちにとっても応用が全然効くので、基本的には製造業の人に読んでもらいたいなと。この1章で、「なぜ今、グローバル・マーケティングが必要なのか」ということでタイトルにしたんだけど、これは、まず大前提として、いわゆるなんで自分…、日本の企業って、今までって、どちらかと言うと、良いモノを作って世界に売っていこうという、そういうマインドでグローバル展開を進めてきているので。海外進出と言っても、どちらかと言うと、生産拠点の進出が中心で、販売拠点の、販売としての進出というのはここ10年とか15年の中で行われてきている話なので、本格化したのって本当にここ10年なんですよ。そうすると、やっぱりマインドセットがマーケティング寄りじゃないというケースが往々にしてあって、ここの大前提のマインドセットの部分がしっかりと固まらないと、どんな戦略をつくったって、結局は良いモノありきの戦略になっちゃうわけなんですよね。そこの考え方が、日本企業のグローバル展開の苦しさを象徴している部分だと、僕はすごく実感をしているので、日々の事業で。なので、そこのマインドを変えてもらいたくて、まず、「なぜ今、グローバル・マーケティングが必要なのか」ということで書かせてもらっていて。1章は1-1から1-16まであるんですけどね、全部読みませんけど、中心的なところをちょっとピックアップすると、日本企業が今、グローバル市場で置かれている立ち位置はどういう立ち位置なのと、世界は日本企業をどう見ているの?と、かつてはこう見ていたけど、今はこう見ているみたいな、なぜそんなふうに変わってしまったのかとか。あと、良いモノを作って売るってなんでダメなのと、良いモノを作って売るで世界で成功してきたわけじゃないですか。それがなぜダメなの?とか。あと、過去20年見てきた中で失敗する企業って必ず法則があって、3つの過ちをおかすんですよ。その3つの過ちは何なんですか?というようなお話とか。あと、僕はよく番組でも言っていますけど、輸出型のチャネルビジネス、チャネルビジネスに転換しましょう、みたいな話をしたり。あと、海外事業の立ち上げは第二創業と同じだという、なんで海外事業って難しいかというところのいわゆる仕組みの部分のお話とか。あと、少しマーケティングの参考書寄りの話も入ってくるんだけど、R-STP-MMとか、マーケティングの基本プロセスを、じゃあ、これを海外バージョンに置き換えたときにどういうふうに簡単にシンプルに考えればいいの?みたいな話をさせてもらったりとか。あと、営業力よりマーケティング力のほうが重要であるという、それは何なのか?とか。そんなことをちょっと書かせてもらってるのかな。
東:分かりました。初めて聞いた、今回から聞くリスナーさんもいらっしゃると思うんですけど、輸出型チャネルビジネスというのはどういうことなのか、簡単に森辺さんのほうからご説明いただければと思うんですが。
森辺:輸出ビジネス、海外事業って、輸出でやるのか、現地に法人をつくって現地で現産現販してやるのかって、大きく分けて2種類あるわけなんですけどね。この輸出型チャネルビジネスというのは、輸出のビジネス自体はそんなに僕は別に否定していなくて、最初は事業はやっぱり輸出でやって、ある程度市場ができて現地に進出してと、こういう順番を追っていくんだけども。基本的に、ただ港から相手国の港に出すだけだと、これってグローバルビジネスでも何でもなくて、単なる国内ビジネス、国内の問屋を使って海外へ出ています。どの国に出ているか、何となく分かっているけど、じゃあ、その国に自分たちの商品が着いたときに、どういう中間流通を通じて、どういう小売に、どう並べられて、どういう消費者が手に取って、それがどう売れているのかみたいな、そういうことを一切無視するビジネスをやっても、これは天井が非常に低いですよ、この天井を突き破るには、輸出型であったとしても、チャネルビジネスをやらなきゃダメですよという、そんなことを書いているんですよね。じゃあ、そのチャネルビジネスって何?と言ったら、今言ったような、相手の国の港に着いてから消費者の手に渡るまでのすべての流通を理解するということなんですよね。別にこれは進出していなくたって理解できることだし、それをやらないと天井が高くならないですよという、そんなお話をしつこく書いていると。
東:分かりました。ここの1章では、「なぜ今、グローバル・マーケティングが必要なのか」というのを16項目の小項目に分けて説明していると。
森辺:そうですね。
東:分かりました。今日は時間が来たので、ここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。