東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回まで『グローバル・マーケティングの基本』の3章までのトッピクスをお伝えしているんですけども。ここから4章で、第4章に関しては、「日本企業のためのアジア新興国における新チャネル戦略」というかたちで、具体的にどういったことをやれば良いのかって書いてあるんですけども、ここの4章全体の伝えたいことというか、どういうことをメッセージとして伝えたいのかというのをお知らせいただければと思うんですが。
森辺:ここはまさにチャネルをつくるための具体的な方策をここではお話をしていて。3章で参入戦略だったじゃない?
東:うんうん。
森辺:参入戦略ができたら、そのさらに深いところがチャネル戦略なので、販売チャネルをつくっていきましょうと。日本企業、4Pで言うと、プロダクトはあるし、プライスもあって、プレイスのチャネルが弱いわけなんですよね。チャネルが弱いからプロモーションを打てないみたいな、そこのジレンマがあって。上のPは、プロダクトとプライスのPって、これって別次元の話で、下のPって、これまた一緒のセットなんですよ。上のPがセットだし、下のPってセットなんですよね。プレイスとプロモーションは、チャネルとプロモーションというのはセットで、プロダクトとプライスはまたセットだから。下のほうのプレイスが非常に弱いと。なので、どうやったら強いチャネルがつくれるのかということを4章では説明をしていて。ちょっと話が変わるんだけど、うちのスパイダーチャンネルで、少し前からこの書籍の1-1からずっと、1番組1個みたいな、1-1、1-2、1-3と、スパイダーチャンネルで解説しているのよ。本ほど詳しくは解説していないんだけど、詳しく解説してないのかな…。言葉で解説している、本の内容をね。だから、またそっちも合わせて見てもらうと面白いかもしれないですけど。すみません、ちょっと宣伝でした。
東:はい。
森辺:YouTubeね、スパイダーチャンネル。
東:分かりました。じゃあ、ぜひリスナーの皆さん、これの音と合わせて見ていただければと思うんですけども。では、この新チャネル戦略というのは、ちょっと森辺さんなりに、どういう戦略なのかというのを分かりやすく教えていただければと思うんですけど。
森辺:「日本企業のためのアジア新興国における新チャネル戦略」と書いたんですけど、敢えて「新」と、「新たなチャネル戦略」というふうに書いているんですけど。今までの日本のメーカーの販売チャネルの戦略って、どのインダストリーにおいても、基本的には数十年前に向こうからアプローチがあったところと何となく始まってとか、あと、何かの紹介でなのか、比較的大手だし安心できるからとか、そういう理由で始まったところが多くて。基本的には自分たちはつくる人で、モノをね、売るのはパートナーさんですよということで、パートナーに任せきりで来たというのが結構あって。自分たちで販売チャネルをつくっていくということをしてこなかった。当然、ディストリビューターとメーカーにはコンフリクトがあるし、目指しているものも違うわけですよね。その微妙な違いがコンフリクトとして出てきて、今ちょうどその過渡期にあって。先進的な日本の企業、例えば、ユニ・チャームさんとか、ああいう、味の素さんとか、ああいうところはもうどんどん、どんどん、自社チャネルに切り替えていくわけですよね。なので、そういうことをしている。一方で、そうじゃないところは、やっぱりまだまだ旧来型のチャネルづくりをしてきていて、それではこの先グローバルで勝てませんよ。どうやって自分たちで、じゃあ、チャネルをつくっていかなきゃいけないのかという、そういうことを細かく書かせてもらっていて。例えば、1カ国に1ディストリビューター制はやめるとか、もう理由があってやっているんだったらいいのだけど、理由なきでやっている。「いやいや、管理が大変じゃないですか」と、そんなの理由にならないし、「自社内競合したらどうするんですか」と、そんなの理由にならないですよね。そんなのは改善できるんだし。そもそも自分たちの売上を上げられる、B2Bならユーザーとか、消費者なら小売に、商品が到達していなかったら、絶対に物理的に到達しないでしょう、1ディストリビューターだと。
東:うんうん。
森辺:だとすると、やっぱり複数持たなきゃいけないわけなので。そういうこととか、あと、強固なチャネル構築に必要な3原則みたいなのがあって、その3原則の説明をさせてもらったりとか。あと、良いディストリビューターはどうやって選んだらいいの?とか。あと、契約締結に向けてのアクションはどうしたら良いですか?とか、結構具体的なHow toが書いてある。
東:はい。
森辺:あと、ディストリビューターの管理育成方法とか。小売、MT、近代小売との交渉の方法とか。あと、伝統小売で売るための2つの必須の条件とか、そういうことを書いています。
東:うんうん。分かりました。では、ここでは日本企業のための、今から参入しようとしているところも、会社さんも、今、再参入をしているところもこれを見ながらできているところと、できていないところをちょっと見比べてやっていくと、何が足りないのかが結構明確になっていくという感じなんですかね。
森辺:そうですね。だいぶ明確になってくると思いますよ。
東:ぜひ、今の戦略と見比べて、1つ1つチェックいただければ、より分かりやすくなると思うので、そういったことをしていただければと思います。
森辺:ぜひよろしくお願いします。
東:森辺さん、今日は時間が来ましたので、ここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。