東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、今回は、コロナでTraditional Tradeの変化が少しあると思うんですけど、小さい店が結構つぶれちゃったり、ベトナムとかインドネシアとかはしているみたいなんですけど、前からある議論ではあるんですが、TTはこのままコンビニに置き換わるとか、EC化されていくとか、淘汰されるとか、いろんな見方があると思うんですが、この議論って最近やっていなかったので、コロナの状況下も踏まえて、今後この新興国のTraditional Tradeがどうなっていくのかみたいなのを、現時点での森辺さんのご意見になると思うんですけど、お聞かせいただければと思うんですが。
森辺:なるほどね。よく質問出ますよね。
東:やっぱり気になるところではありますよね。
森辺:MTの比率に対してTTの比率が、新興国と呼ばれるところは圧倒的に多くて、国によってその差はあれど8割ぐらいはTTですよと、金額ベースでね。店舗数ベースで言ったらもう99.999%TTですと。たとえば、インドネシアは300万店以上に対してMTは3万5,000店とかね。フィリピンは80万店に対してMT6,500店舗ぐらい、今。ベトナムだって50万店以上あるでしょう。MT、主要どころはせいぜい3,000ぐらいでしょう。
東:そうですね。
森辺:なので、そうですと。ただ、これは国が進化すれば、言われているのはMTに変わるんじゃないの?と、TTがどんどんなくなってMTに変わるんじゃないの?と。MTの中でもコンビニに置き換わっていくんじゃないの?みたいな議論は確かによくされていると。ただ、重要なのが、TTがMTを食って、それがコンビニに変わるって、やっぱり発想自体がオールドエコノミーの時代の発想で考えるとたぶんそうなると思うんですよね。僕もそうなると思うね、オールドエコノミーの考え方で考えるとね。ただ、今回のコロナでもう僕は確信したんだけど、TTは絶対なくならないと思っていて、それ以上にTTのデジタル化がもう圧倒的なスピードで進むだろうなと。ちょっと前から進んでいるんですよね、一部の国とか一部のエリアでは。でも、それがもっともっとたぶん加速度的に伸びていって、TT自体が存続し続けるんだと思っているのね。やっぱりんd、生活すると便利なんですよ。これってどれぐらい便利かと言うと、日本で言うところのAmazonにものを頼んで次の日に届くぐらい便利なんだよね、TTはね。だって、あのぐちゃぐちゃな新興国の住宅街で、オンラインショッピングで何か頼んで住所にまともに届くかと言うと、届かないエリアに住んでいる人もいるわけですよ。
東:町のどこかに住んでいる。(笑)
森辺:だって、隣の家との境目がもう分からない。日本ってちゃんと杭打ちしてあるじゃない?
東:はい。
森辺:全然分かりませんみたいな、むしろそんなところに配達していたら配達効率悪いですみたいな。そういう地域においては、出てすぐ目の前にあるTTで買うという、こんな便利なものはないんですよ。むしろAmazonより速いじゃない、店が開いていればね。
東:はい。
森辺:だから、ここはたぶん存続し続けると思っていて。それよりも、なくなるとか減るとか、なくなるとかなくならないとかの議論よりも、どうTTがデジタル化していくかみたいな。たとえば、受発注がもう全部オンラインになるとか、決済がもう全部オンラインでできるとか、グラブとかゴジェックみたいなのが近所までデリバリーしちゃいますみたいな、ラストワンマイルのデリバリーそこでやりますみたいなね。だから、むしろコンビニは問屋機能を担うかもしれないよね。例えば、コンビニの店舗に比べたらTTって圧倒的に小さいわけじゃない?だから、もうマイクロリテールとして無数につくることができますと。なおかつ、そのマイクロリテールが雇用を支えるわけでしょう?これ、国にとってはめちゃめちゃ素晴らしいことで。今までコンビニってものを買いにいっているところだったんだけども、そこは実はディストリビューション拠点になるかもしれないよね。そこにゴジェットのバイクが来て、そこから商品を取ってTTに配達するみたいな。言ったら、インドネシアのワルンみたいな機能をコンビニが担うかもしれないというね。そうすると、もう小売の構造自体が僕はデジタル化によって置き換わると思っているので、結論から言うと、TTは存続するというふうに思うんですよね。
東:分かりました。では、今日はお時間が来たのでここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。