東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、そればかり考えているということで、新興国の小売の業態と言うんですか、形態と言うか、全体像がたぶん変わってくると思うんですけれども、その辺について、森辺さんがどう思われているのかというところをもう少し深くお聞きできればと思うんですけど。
森辺:だから、今までの二極化のMT、TT論みたいな二極化の議論をしてきていて、どんどんMT化していくんじゃないかみたいな。確かにね、中国まではそうだったんです。TTはMT化していったの、中国まではね。
東:そうですね。
森辺:中国まではというのは、言ったら2000年代までは。それ以降からIT化が、どんどん、どんどん進んでいった、デジタル化が、どんどん、どんどん進んでいって、Eコマースになっていったじゃん、中国はね。
東:そうですね。
森辺:あそこはちょっと特殊な国の事情があるから別なんだけども。言ったら、MT、TT、ECみたいな世界だったと思うんだけども、これが第2段階だと思っていて。第3段階で今度デジタリゼーションがきたわけでしょう?僕はAXなんだけど、世界はDX、DXとなったいったでしょう?
東:(笑)はい。
森辺:そうすると、今度TTがDXしていくわけですよ。デジタル化していくわけです、インターネット企業によってね。そうなってくると、彼らは存続するんですよね。これ、彼らが存続するということは、国にとっても、地域にとっても、それから個人にとっても、お客さんとなる消費者にとっても、めちゃめちゃいいことなんですよ。本当はMTがそれを食おうと思っていたんだろうね。たぶんコンビニなんかがそれを食う予定だったんだけども、正直もうコンビニ業態は限界が来ていて、なかなかそうじゃないと。もっと小さい業態の店にしないといけないわけですよ。だって、TTとコンビニを比べたら日本みたいに区画がすごい整理されていたら歩いてすぐのところにコンビニがあったら便利だけど、僕、日本で生活していてコンビニ便利だな、便利だなとみんな言うじゃない?
東:うん。
森辺:確かに便利なんだけど、新興国へ行ったときのTTの便利性のほうがもっと便利じゃん。
東:そうですね。
森辺:だって、歩いてすぐ目の前にあるから、コンビニよりこっちのほうが絶対便利だよとずっと思っていたんだよね。でも、それがデジタル化するということは、さらに便利になるから、TT獲らないとヤバいよということなんですよ、メーカーにとってはね。逆に言うと、その他のMTにとってはこのTTを傘下に収めるような動きをしていかないとね、例えば、問屋機能を持ってそのTTへのデリバリー機能を強めるとか、もしくはそういったMTがデジタルソリューションをTTに提供するとか、たぶんそういう世界観でビジネスをしていかないと、今までの従来型のMTをやっているとたぶん淘汰されていくと思うので、かなり業態変更に近いようなことまでたぶん強いられるんじゃないかなというふうに思います。あと、もう1つ重要なのは…。だから、まとめると、TTは残りますよと、デジタル化してさらに便利になりますよということと、今までのMT業態、いわゆる小売のMTの人たちは、自分たちの同じ業界の中で業態を変えていく。例えば、今まではB2C向けに小売をやっていたのが、問屋機能も持たないと駄目とかね、そういうことが必要になってくるよと。新興国で最も言われていた、物流がないじゃないかと、ヤマト、佐川がないじゃないかというのは、ゴジェックやグラブやウーバーがそれを担っていくと、同じモデルで、どんどん、どんどん、立っていくわけです。それも中国の経済が証明しているわけじゃないですか。決済、受発注、これは全部形体アプリでできるようになるわけだから、TTのパパママがそれを、言ったらオーダーをすると。近くのコンビニが問屋機能を担ってゴジェックでそれが配達されるみたいな、そういう話になると思います。どんどん、どんどん、活性化していって。メーカーにとっては、やっぱり重要なのは、「デジタル、デジタル」とか言うんだけど、ものはアナログなんですよ、売っているものはいたってリアルで、またチャネルもリアルなわけですよね。そうすると、結局、今まで「やれやれ」と、僕はこの番組でも採算言ってきたけれども、「TTのチャネル構築、重要ですよ」と言っていることは変わらないんですよ。もっと言うと、「その先っちょについていたTTがデジタル化する、このチャネルを持っているか持っていないかで勝負がついちゃいますよ。だからもう、迷っている暇なんかないんですよ」と。「中間層なんです。TTに置く商品がなかったら、置ける商品つくらなきゃ」みたいな。「何、富裕層とか言っているんですか。何、MTとか言っているんですか」ということで。もう中国ではO2OとかOMOとかって言っているわけですから、それは証明されているわけだから、あの波が全部新興国中に押し寄せるんですよ。なので、待ったなしの第3次TT戦争が始まったみたいな、そんな恐怖とワクワクで日々寝れない森辺でございます。
東:分かりました。こんな感じで、リスナーの皆さんもちょっと、それぞれ意見があると思うんですけど、われわれは結構長く見ていてこういう意見になっているので、1つの参考にしていただければと思います。じゃあ、今日は、森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。