東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回に引き続き、アリババの成り立ちというか、そこからお話をしていたんですけども、アリババがECサイトでジンドンと今2強状態にあって、そこが小売に参入してきていると。これってアリババの狙いというのはどういうところにあって、アリババが出したことの脅威というのを森辺さんがどう見られているのか、リスナーの皆さんにも分かるように少しご説明いただければと思うんですけど。
森辺:基本的にEコマースは、もうEコマースとか言っている世界観というのはもうなくなって、オンラインだろうがオフラインだろうがあまり人はそれを意識しないで、そのときに応じていろんなものをそのときに最も適切な方法で買うみたいな状況になっていくでしょうということだと思うんだよね。その中でアリババは新しい小売形態として2017年、あれ出したの、2016年ぐらい…、そんな、僕らが見に行ったのはそれぐらいだったよね。
東:そうですね。
森辺:フーマーというのを出して。基本的にはビッグデータを使ってどうビジネスを広げていくかという話で、もう型にこだわっていないんだと思うんですよね。Eコマースだとか、オフラインだとか、オンラインだとかというのではなくて、ビッグデータを使ってどう顧客を満足させるかみたいな話が狙いと言うか、今後の大きな方向性になっていくんですよね、きっとね。
東:はいはい
森辺:もう今あれ、ものすごい数があるんですよね。
東:そうですよね。
森辺:なので、そのたぶん1つなんだと思うんですよね。そうなってくると、ビッグデータを持っていないとどうにもならないというか。中国はちょっと特殊というのはあるんだけども、そういう時代が遂に来たよねという。今までって、どちらかと言うと、メーカー側がいろんな調査を繰り広げて消費者のニーズを掴みにいって、消費者のニーズに合ったものを開発して、それを商品として世に送り込むと。なので、中間流通、小売とそれぞれの役目を担ってそれを消費者に出していくということで、言ったら、ある意味小売の消費者のことは分かっているものの、メーカーがやっぱりよく消費者を見ていたわけだよね。でも、その時代の見ていたというのよりももっと深いレベルで、今プラットフォーマーと言われる人たちは消費者の情報を持っていて、それをベースにいろんなものをつくっていくわけで。昔も製造業をやるのは本当に大変だったんだけども、ハイテクになればなるほど。けど、今って誰でもできちゃうと言ったらおかしいけど、ものをつくるということにそんなに付加価値がなくなっちゃったんですよ。なので、そういう意味では、力の源泉と言うのかな、メーカーに寄っていたものがそうじゃなくなってしまったという、そこが一番大きなポイントですよね。
東:なるほど。そうすると、そういう市場になって市場形成がそうなってしまったときにメーカー側というのは、日本では今までのやり方がある程度通用するのかもしれないですけど、特に海外に出ていったときってたぶん通用しなくなるという意味合いが強いと思うんですけど、そういったときってどういうかたちが考えられるのか。
森辺:いやもう、そこに戦うのにね、今さらプラットフォーマーになってビッグデータを収集しましょうと言ったってね、製造が今のIT企業と戦って、彼らの領域で勝てるわけがないじゃないですか。
東:そうですね。
森辺:なので、そんなことを、もうたぶんしても意味がなくて。それよりも僕はチャネルがやっぱりすごく重要なので、どのチャネルにも強いという、流通させているという力と、あと製品の独自性なんですよ。この商品じゃなきゃ駄目みたいな。マーブルチョコは明治のマーブルチョコじゃなきゃ駄目みたいな。それを思っているのは僕だけかもしれないけども、でも、それぐらい強いインパクト、ハッピーターンってハッピーターンじゃなきゃ駄目じゃない?
東:うーん。
それぐらい強いものじゃなきゃ駄目で。
東:はいはい。それがブランドになってくるということですよね。
森辺:なってくるという。なので、そういうものをつくっていかないといけない。そう考えたときに日本のメーカーに、お菓子メーカーの話をしちゃったけど、どれぐらいそれがあるんだろうかみたいなね。車でもいいんだけども、ベンツじゃなきゃ駄目という人はいっぱいいるんだよ、たぶんね。でも、じゃあ、日本のメーカー乗っているのってどうなんだろうなと。とか、あと、オレオじゃなきゃ駄目と、どれだけオレオ世界中で売っているんだよ、みたいなね。それこそコカ・コーラみたいな、コカ・コーラじゃなきゃ駄目なんでしょう、もうあれは。
東:そうですね。
森辺:だって、味つきの甘い炭酸水なんて山ほどあるのに、そういうものを日本企業って持てているかなと。品質が良いから必ずしもそうなるわけじゃないんですよね。
東:そうですね。
森辺:別にね、コカ・コーラがやたらと品質が良いというわけじゃないので。そうじゃないじゃないですか。
東:はい。
森辺:それってマーケティングの行きついた先なので。そうなってくるとどうなのかなという。
東:分かりました。
森辺:時間だね。
東:はい。
森辺:すみません。
東:では、今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。