東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回の引き続きなんですけど。じゃあ、どうしましょうみたいな。
森辺:話が長いからね、すみませんね。(笑)
東:いえいえ。(笑)
森辺:どうしましょう。だから、言ったら、産業構造が大きく変わってきていて、オールドエコノミーの発想みたいなので考えていると、とてもじゃないけど、どんどん、どんどん淘汰されていってしまうと。一方でビッグデータを活用したプラットフォーマーに今さらメーカーが太刀打ちするのかと言うと、して勝てるのかと言うと、もう彼らは別のゲームをやっているわけで。
東:そうですね。
森辺:そっちのゲームに乗っちゃ駄目なんだと僕は思っているんですよね。そうなってくると、じゃあ、メーカーとして何が重要かと言うと、今までのメーカーとしての価値観をやっぱり1回捨てて、新しい価値観に生まれ変わらないといけないし、ものづくりを頑張るということはもちろん大切なんだけど、もうちょっとマーケティング寄りの発想にならないといけない。どれだけデジタルと言ったって、われわれの体はアナログで存在していて、リアルに存在していて、モノもリアルなわけじゃないですか。それで、チャネルもリアルなんですよ。なので、やっぱりすべてのチャネルに流通をさせられるチャネルの力と、もう1つは商品の独自性、前回からずっと言っているけど、そこがすごく重要で、日本の企業の言っている品質の良いという独自性じゃなくて、炭酸飲料水と言えばコカ・コーラみたいな、言ったら、甘い砂糖の入った炭酸水No.1独自性でしょう、コカ・コーラ、スプライト。クッキーと言えばオレオみたいな、チョコレートバーと言えばスニッカーズみたいな、それぐらいのインパクトのある商品しかもう残らないですよ。だって、中国メーカーがいろんなものを真似してつくるわけじゃないですか。もうつくれちゃうわけじゃないですか。そうすると、それぐらいのもの。コカ・コーラってね、コーラがいっぱい出てくるでしょう?
東:はい。
森辺:なんか訳分からないコーラが。だけども、足元にも及ばないじゃない。だから、それがまさにマーケティングだと思うので、そこをやらないとなかなか難しくなっちゃうんだろうなという気がします。
東:なるほどね。そうすると、やっぱりチャネルと商品力がブランドになるということを考えると、この3本がきちんとなっていないとなかなか厳しいということなんですよね。
森辺:そう思いますね。
東:そうすると、商品はいいけども、チャネルに課題があったり、ブランド力に課題があったりというのはたぶんあると思うんですが、その辺はどう対応していったらいいのかというのがなかなか見えないところ、見えないリスナーさんもいらっしゃると思うんですけど。
森辺:日本企業は総じて製造業、B2CでもB2Bでも、やっぱり販売チャネルが弱いですよね。普通に見て販売チャネルが弱いので、これは質が悪いというのもそう、ディストリビューターの質が悪いという意味での弱いもあるし、数が足りていないという意味でもあるわけで。そうすると、チャネルに求めるものって、B2Bだったらユーザーまで届けるということでしょう。B2Cだったらコンシューマーまで届けるということなので、それができないということですよね。そうすると、商品の独自性みたいなものは成り立たないので。どんなに独自性のある商品でも消費者が知らないとか、買ったことないとか、ユーザーが使ったことがなければ、それは独自性ある商品として認知されていかないわけなので、そこをまずは解決していくということは非常に重要だと思うんですよね。なので。
東:まず、そこを解決しないと次に行かないということですもんね。
森辺:行かないんじゃないかなというね。これからの世界、ますますそうなっていくんじゃないかなと思いますけどね。
東:分かりました。今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。