東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、では今日は、以前日本のコロナのワクチンの接種の状況について、それが日本のグローバル化にも結びついているみたいな話があったと思うんですけど、結構、顕著になってきているというか、欧米との差が開いていると思うんですけども、今現況をどう見るかというのと、それが日本企業のグローバル化とどう紐付いているのかというのは、もう少し丁寧にお話いただければなと思うんですが。
森辺:分かりました。いや、菅さん、毎日、最近ちょっと不安そう、不安そうだなと。
東:はい、はい。
森辺:テレビを見ていると不安そうな顔しているなと思って、こっちが不安になっちゃうよと思うんだけど。
東:(笑)
森辺:ワクチン接種ね、いや、なぜなんだろうなと思って、主要先進国のワクチン接種率みたいのがテレビで報道されているじゃないですか。アメリカなんかはどんどん、どんどん接種されていて、中国はああいう国なので「もうコロナは克服」なんて言っちゃって皆さん自由に頑張っていますと。ニューヨークももうかつてに戻っているみたいな感じでね、そういう状況になっていて。今はインドが大変になっているからみんなでインドを助けようみたいな、そういう雰囲気だと思うんですけど、基本的に「ワクチンを打つまで安心できないよ」なんていうのは去年ぐらいから分かっていて、ワクチン開発を進めてワクチンをバンバン打っていこうみたいな。日本もワクチンの確保はトップ外交でガンガンやりましたと言ってやったんだよね。基本的にワクチンの確保はできていますと、オリンピックもあるし。なのに、ワクチンの接種が進んでなくて、「オリンピック本当にやるべきなの?どうなの?」なんていう議論まで起こっちゃっていて、大変になっちゃっているということだよね。
東:はい。
森辺:僕が心配しているのは、オリンピックどうこうというのもそうなんだけど、それ以上に日本の多くのビジネスマンが海外に渡航できない、要はこれだけグローバル競争が激化している中、日本のビジネスマンだけが最後まで海外に行けないみたいな、今年はおろか来年も前半つぶしちゃうみたいな、そんな勢いになりそうじゃない?
東:はい。
森辺:来年の今頃ようやく海外に出れるようになるみたいなね、そうすると、世界競争力もへったくれもないじゃない?
東:うんうん…。
森辺:そこが1つすごく心配なことで。なぜ日本っていつもこうなっちゃうんだろうと思うんだけど、やっぱり前回も話した通り、全部をノーミスで行こうとするんだよね。リスクを極端に嫌がるから、リスクというのはゼロじゃなきゃ駄目みたいな、リスクゼロだったらリスクじゃないじゃんという話で。10個生産したら2個が不良品で8個が良品だったらそれでいいじゃんという感覚で世界は進んでいるんですよね。なんだけど、日本の場合は10個生産したら10個良品じゃなきゃ駄目みたいな、もっと言うと12個良品じゃなきゃ駄目みたいな、いやいや、10個しか生産してないんだから12個良品なんて無理でしょうみたいなね、幻を追いかけるみたいな、そんな傾向がやっぱり強くて。とにかくやってみて、駄目だったら後で修正するみたいな思考、マインド、こういうものに非常に不向きだから、取りあえず「大丈夫か、大丈夫か」とちょっとずつちょっとずつ確認して進んでいく。何と言ったらいいのかな…、階段を1歩1歩上がるというか、なんかね、かつての成長のやり方なんだよね、シナリオというか。われわれのお父さんとかちょっとその先、おじいちゃんまでいかないか、お父さんぐらいの世代の成長のやり方というか、そこがやっぱりビジネスでも大きく出ている気がするんですよね。
東:はいはい。
森辺:まず、やっちゃえばいいじゃんという。でも、やらないもんね。
東:うーん。
森辺:なんだっけ、サントリーの「やってみなはれ」みたいな言葉がすごくいいなんて言って、みんなに言われちゃうじゃない?日本って。けど、あんなの海外に行ったら「そんなこと言われるまでもないでしょう?」という話じゃん、感覚的にね。
東:うんうん。
森辺:それって別に中国でもアメリカでもASEANでもそうじゃない?みんなまずやるじゃない?
東:はい。
森辺:だから、何なんだろうね、これね。
東:うーん。(笑)そうですね。その辺をちょっとじゃあ次回もお伺いしたいと思いますので。
森辺:愚痴にならない程度にね。(笑)
東:(笑)分かりました。では、森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。