東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、引き続き、リスクの捉え方とか含めて、前回、前々回のまとめを1回していただきたいんですけど、何が重要なのかみたいなところ、要点を絞ってお伝えいただくと分かりやすいと思うんですが。
森辺:今回から聞いている方も含めてということだよね。
東:うんうん。
森辺:まあまあ、日本のワクチン接種が遅れているから海外渡航ができなくなって、日本のビジネスマンの海外渡航がそれだけ遅れる、半年1年遅れるということはね、他国の先進的な国々の企業のビジネスマンと比較してね、それだけ日本の世界競争力を下げることに繋がりますよと、それを非常に危惧していますという話をしましたと。そこから、なぜ日本ってこんなにいつも遅いんだろうねという話になったわけですよね。前回、前々回といろいろそういう話をしましたと。その中で僕は3つぐらいのキーワードが出てきたと思うんだけども、1つがやっぱりリスクをゼロにしようとする考え方、これが間違っていて。リスクは悪魔じゃないし、悪いものというか、悪ではないんですよね。リスクって取りながらも進んでいくという、要はAというものを達成するために、多少銃弾に当たっても前に進むという、これがリスクなわけで、その銃弾が心臓に当たらない限り前に進みましょうと、極端なことを言うとね。
東:はい。
森辺:だから、リスクゼロで進もうなんていう考え方をまずなくさないといけなくて。不良品が2つ、良品が8個できるんだったら、それでどんどん生産するみたいな、いや、良品が10になるまで生産はしませんみたいば、そういうのじゃないよということですよね。
東:はい。
森辺:あと、そうやって速く進むということはデファクトスタンダードになるということじゃない?
東:うん。
森辺:このデファクトになるということはどれだけメリットかというね、初めて例えば使ったもの、便利なものを使ったときの衝撃、食べたもの、初めて食べたハンバーガーがあまりにも美味しいと、マックのダブルチーズバーガーがあまりにも美味しくてずっと食べ続けちゃうみたいな、大人になってもそれを食べちゃうみたいな、たまにね。本当はもっと美味しいハンバーガーはいっぱいあるのにって、前回バーキンと言ったけど、本当は僕はマンチズバーガーが好きなんだけど。
東:はいはい。(笑)
森辺:マンチズバーガーが美味しいのにたまにマックのダブルチーズも食べたくなるというのはまさにデファクトスタンダードというのと一緒でね。脳に与える衝撃ですよね、前回映画の話をしたんでしたっけ、『ジョーズ2』が『ジョーズ1』を超えられないとか、『ダイハード2』が『ダイハード1』を超えられないとかね。あれは『ダイハード1』の一番最初のあの衝撃があまりにも脳に刺激を与えるから『2』が、本当は映画のクオリティとしては『2』のほうが上なのになかなか『1』を超えられないというのはまさにそうで、デファクトスタンダードというのはすごい重要だよということと。あと、3つ目が、何だっけ、リスクとデファクトスタンダードと、それからあと、本題。
東:うん。
森辺:本題が何なのかということがすごく重要で。要は今重要なのは、ワクチンを接種するということが重要なわけですよね。そうすると、それをするためにいろんな不都合があると日本企業の場合、「いや、これも駄目だしな、これも駄目だしな」と本題じゃないところをきっちりかためにはいるんだよね、まずずっとずっとかためて、それようやく本題という話なんだけど、いや、世界でトップを走るような国々とか企業はそういう思考じゃなくて、本題が重要だったらほかのことが多少できていなくても本題をやっていくみたいな。そこの戦い方ができないと、今のグローバル競争には勝てないんじゃないかなという、この3つなんだよね。
東:なるほど。
森辺:本題か、本題じゃないかということの切り分け、これがやっぱり違っていて、日本の場合、本題じゃないこともちゃんとできないと、本題なんかできないみたいな、そういう精神論的なのを昔よく言われなかった?「掃除もできないやつに部活動ができるか」みたいな。
東:はいはい。
森辺:いやいや、掃除をやるスキルセットと部活動の野球をやるスキルセットは全然違うからみたいな。いや、空手キットの話をしているなら分かるけどさ、みたいなね、そういうのあるじゃない?
東:はい。(笑)
森辺:「トイレを手で洗わないやつがちゃんとやれるか」みたいな。
東:はいはい。(笑)
森辺:そういうことだと思うんだよね。
東:分かりました。では、今日のをちょっとまとめていただくと、簡単に最後に、森辺さんからお願いします。
森辺:リスクはもうゼロにはならないので、少々いやなことがあってもガンガン進んでいくというほうが重要ですよと。なぜならばデファクトスタンダードというものをつくれると。一番最初に衝撃を相手に与えたものの効果、メリットというのは非常に大きいですよというのが2つ目。そして、3つ目が本題が何なのかということを見極める。本題は、例えば今回のコロナの件はワクチンを打つということなんだったら、それ以外のこと、少々アメリカだと注射を打ったことがない人が打つとか、そんなことまでやるわけじゃない?そんなリスクすごくない?
東:うんうん。
森辺:日本だったら絶対考えられないでしょう?
東:そうですね。
森辺:でも、それはワクチンを打つということがやっぱり優先されて、少々、針3回ぐらい刺しちゃっても、少々骨に刺さっても、ワクチンを打つということのほうが重要だという、この切り分け、ここをやっぱり見出していかないと、日本がグローバル競争を勝ち抜いていくということは、僕はできないと思うので。この3つ、「リスク」「デファクトスタンダード」「本質の切り分け」、この能力を高めていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
東:分かりました。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。