東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:前回に引き続き、伝統小売のデジタル化というところで、引き続き、メリットと、どういうところに満足度があるのかというところをお聞きしていたんですが。
森辺:だから、小売店にとってはいわゆるより安く調達できる。あとね、いろんなプロモーションをやっているんですよ。そのアプリの中でね、「今月、この商品がなんと何%オフ!」みたいな、「この商品が今売れています」とか、あと、新商品とかもたぶんそういうところで、どんどん、どんどん、案内されるので、言ったら、もう瞬時にいろんな情報がそのアプリを通じてくるし、そこですべて電子決済で安く決済できるから、今まで仕入れていたよりも小売店にとっては安く仕入れられるんだよね。そこが最大のメリットみたい。便利になったというよりも、小売店のオーナーにとっては安く仕入れられたということのほうが重要なわけですよね。その分利益が残るわけですから。なので、そういうメリットがあって。一方、問屋さんとかにとっては、決済が電子化できるので、あの大変な回収作業を考えたら、もうめちゃめちゃ楽なことなので。今、全体の50万店の伝統小売のうち7万店、ビングループが7万店ぐらいもうとったと言っているのでね、1/6でしょう。これ、30万店が食品が置けるようなところで、残り、プラス20万店がいわゆる日用雑貨なんですよ。50万店全部がね、電子化されないんですよ。もう小さいところもあるでしょう?
東:うん。
森辺:だから、逆に言うと、25万店ぐらい~30万店ぐらいが上限じゃないかなと、僕は思っているんですけどね。でも、これでね、はっきりしたことが、伝統小売はやっぱりなくならないですよ。伝統小売が近代化していくと、コンビニ化していくみたいなことをね、いっときいろいろ言われていたけど、もうね、コンビニ程度のいわゆる粒度じゃ駄目なんですよ。コンビニって50mおき、100mおき、なんかそういう感覚の話でしょう?
東:うん。
森辺:でも、伝統小売って、もっとスペースが短いわけじゃないですか。だから、超便利なわけでしょう?
東:うん。
森辺:要は、パッと外に出たらすぐあるみたいな。それぐらいじゃないと、EコマースみたいなR用域にはコンビニでは勝てないですよ。あの粒度では。そうすると、伝統小売ぐらいのいわゆる粒度がないとEコマースには勝てないと。この伝統小売が非常にアナログだったものが電子化するというので、ようやくEコマースと戦える、そういう土壌というか、土台ができたんじゃないかなって、僕、感じていてね。
東:うん。
森辺:そうすると、数は減りますと。数は減るんだけども、50万店がたぶん30万店になると思う、ベトナムの伝統小売。けど、その30万店が電子武装してめちゃめちゃ使いやすくなるみたいなね。そこが生き残っていくわけだから、やっぱり日本の製造業、メーカーにとってはね、この伝統小売の攻略ってすごい重要だったということがね、僕は痛感していてね。「いやー、もう、遅いよね」というね、「5年前に、10年前に言っているのに…」みたいなね、そういう憤りもまた。
東:(笑)
森辺:同時に感じているというとこなんですけどね。
東:そうすると、基本的にはオーナーさんは安く仕入れられるから非常に満足度が高い。
森辺:高いよね。
東:というところなんですね。そうすると、お客さんに対しては何かメリットがあるんですかね。
森辺:お客さんも決済を電子化できるわけなので、もうみんなスマホだけ持って外行きたいわけじゃないですか。
東:はいはい。
森辺:日本はね、決済だいぶ遅れたけど、われわれももう、僕ももう現金を持ってないこととかあるのでね。だって、スイカでピッてできるし、2万円しかチャージできないというのは本当にいやなんだけど、でも、クイックペイがあるし、フードコートとか行くと「電子決済以外できません」みたいなところも増えてきているじゃない?
東:うんうん。
森辺:だから、で、「コロナでお金触りたくありません」みたいなね。
東:そうですね。小銭なんか特にそうですね。
森辺:特にいやでしょう?そもそもよく触っていたなという話でね。海外に行ったらめちゃめちゃ汚いじゃない?
東:はいはい。(笑)
森辺:中国であれだけ電子決済が流通したのは、アリババとテンセントのおかげだというのはそうなんだけど、そもそもなぜそこに行ったかという背景はね、やっぱりあのお札の汚さ、もうみんな「病気になる」と言ってたじゃない?
東:そうですね。
森辺:1元札とかヤバかったよね、中国のね。
東:(笑)
森辺:なんか、湿ってたもんね。
東:はいはい。(笑)
森辺:秋の土の中に埋もれている枯れ葉みたいな。
東:(笑)
森辺:分かる?茶色くなって湿ってて。
東:はい。
森辺:匂うとさ、なんか、公衆電話の昔の受話器の匂いみたいなのしたでしょう?
東:(笑)はいはい。
森辺:僕もう、本当にいやで、お釣りが。100元札もいやだったから。だから、そういうのはあるわけじゃない、海外の。日本人だけだよ、こんなにお札きれいにね。
東:そうですね。
森辺:折ってね、表に揃えてとかやっているのは。だから、そういうのもあって、消費者にとってもめちゃめちゃ便利と。
東:うーん。じゃ、電子決済が結構進めるという感じですよね。
森辺:そうそう。どんどん進んでいくから。だから、三方良しなんですよ。消費者にとっても良い、小売店の、伝統小売のオーナーにとっても良い、問屋にとっても良い。ということはメーカーにとっても良いということなんですよね。四方良しかな。
東:うん。なるほど。では、まとめを次回したいと思いますので。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。