東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、われわれは日常的にディストリビューターとの契約とかをやっていると思うんですけども。結構、契約書も会社さんによってさまざまですけど、一般的に結構ディストリビューターさんからは「結構、長いね」と言われることが、私は直接ないですけど、ローカル社員がよく「そういうことを言ってくるんですけども」みたいなことを聞いているんですけど。その辺って、欧米はしっかり契約社会なので契約する、日本はちょっとあいまいだみたいなことを、森辺さんも以前言われていたんですけど、考え方の違いもあるんでしょうけど、日本の企業と欧米の企業の違いとか、その辺含めて、ディストリビューターとの契約書の意味合いというのも当然あると思うので、ちょっとその辺を、あまり話してこなかったんですけど、その辺どうかなと思いまして。
森辺:なるほど。まあまあ、そうですよね。弁護士先生の観点と、またわれわれ。
東:実務的な。
森辺:実務的な観点だとちょっと違うからね、私が言ったことをベースに契約書をつくって失敗したらあれなので、弁護士先生の言うことをちゃんと聞いてくださいねということは申し上げておきながら話をすると、よく、俗に言う、契約書を結ばないでどうのこうのみたいなのはさすがにないと思うのね。もう、中小企業でもそんなのはないと思うから、契約書は必要ですよねというのは1つだと思うんだけど。よく、欧米の企業がしっかりとした契約書をガチガチでつくると、もう分厚いというのを。これは、言ったら、どれぐらいの規模の商売をやるのかということなんですよね。何百億とか何千億の商売をこれからやりますよというときは、当然契約書は分厚くなるわけですよ。過去の経験からあらゆる想定される事象、「こういうことが起きたらこうする」「こういうことが起きたらこうする」「こういうことが起きたらこうする」という、いわゆる「もしこうなったら協議しましょう」というふうに日本の契約書では書くじゃないですか。
東:はい。
森辺:でも、そんなものがもし起きたら協議なんかできないわけですよ、お互い頭に血がのぼっていますからね。それで血がのぼった状態で「どこの裁判所の管轄でやるんだ」とか、「仲裁はどこの国にするんだ」とかって話になるわけだから、基本的には「仲良く協議しましょうね」なんていう文言があるのはね、一応、裁判所で争う前に仲良く競技しましょうねというのはいいんだけども、言ったら、仲良く競技しましょうとなっているわけじゃない?
東:はいはい。
森辺:でも、そんなことは現実的にならないから、「こうしましょう」「ああしましょう」「こうなったらこうしましょう」ということが書いてあります。だから、契約書が長くなりますという話で。でも、それってすごく大きな事業をやるときにそういう契約書になっているだけで、ただ新興国に出ていって新しい国でディストリビューション契約を結ぶとかという場合って、そんなに大きなリスクってないわけですよ。特に輸出の場合って、言ったら、基本的には先払いじゃないですか。お金、着金を確認してからモノ出荷という話なので、どちらかと言うと、リスクはディストリビューター側にあって、ブランドの無断使用とか、そんなことを言い始めたら、別にディストリビューション契約をしていなくたってそういうことになり得るわけだから、国によっては代理店保護法みたいなのが非常に厳しい国というのもあるから、そういうのは気を付けなきゃいけないかもしれないですけど、基本的には代理店契約でそんなに神経質になる必要は、僕はないんじゃないのと、それよりももっと数字を上げることについて、たぶん神経を使ったほうが絶対いいと思うんですよね。まだいくらになるか分からないのに、契約書が分厚いと、それ確認します、弁護士費用使います、そんなことをやっているうちにトーンが下がっていくでしょう?
東:(笑)
森辺:だから、それってお互い、いくらになったねと、商売が。そろそろちゃんと契約書をつくろうかというステージでもう1回結び直すというのもありだと思うから。だから、そこって最初に決めたことが一生ですよという話ではないから、まあ多いわね、そういうのね、日本の会社ね。
東:なるほど、なるほど。
森辺:だから、うちのローカルが「こんなことで神経使うよりも、もっと売上に関連するようなことで神経使いたい」と言ってくるということだよね?
東:そうは言わないですけど。(笑)そういうことをたぶん意図はしているんでしょうね。
森辺:なるほどね。
東:分かりました。今日は時間が来ましたので、ここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。