東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:前回、前々回と同じように、ディストリビューター周りのことを詳しく聞きたいという要望が多かったので、たぶん一番悩んでいるのは最適な、今既存でディストリビューターと付き合いがある国も、新規の国も、4-7の、4章の4-7の「最適なディストリビューターの選び方 最終的に三択を迫られるディストリビューター選び」と書かれているんですけれども。ここって当然ステージによっても選び方は違うんだと思うんですけれども、ちょっと重要な箇所、結構長い文章で書かれていると思うんですが。
森辺:そうですね。ディストリビューターってまあまあ輸出でやる場合と、現地に生産拠点、販売拠点を持ってやる場合と、いろいろ選び方というのは違うし、ステージによってもしっかり変えていく必要があるケースもあってね、やっぱり最初に付き合っていたところがなかなか市場のスピードというか、自分たちの売上成長スピードについてこれない場合というのは、ディストリビューターを変えていくということもやっぱりやっていかないといけなくて。今まさに、中国でもASEANでも、新興国でディストリビューション・ネットワークの強化みたいなことを各社やっていて、今まで付き合ってきたところ、確かに長いんだけど、本当にそれでいいんだろうかみたいなね、成長が鈍化してしまっているみたいな、そういう岐路に今立たされているというのは大前提としてあります。
東:はい。
森辺:ただ、ディストリビューターって椅子取り合戦で、良いディストリビューターってやっぱりすでに取られちゃっているんですよね。特に欧米の先進的な企業がそこにもう何十年も前から投資をしてね、その欧米のメーカーにロイヤリティをもってやっているので、日本の企業の取り扱いをしてくれなかったりするわけですよ。そうすると、トップ10%とかっていう、20%、10%みたいなところはすでに取られていると思ったほうがいいですよね。
東:うんうん。
森辺:結局、どういうふうに見るかと言うと、自分たちの商品の取り扱い、取り扱っている商品、売りたい商品と、取り扱いが近いディストリビューターと遠いディストリビューターというのがいて、もう1つ縦軸としては規模が大きいところと小さいところというのがあって、一番いいのは自分たちが取り扱っている商品に近しいところで規模が大きいところが一番いいわけじゃない?
東:はいはい。
森辺:論理的に考えるとね。なんだけども、そこってだいたい取られちゃっているんですよ。一番いいからね。でも、規模が小さくて、取り扱い商品も遠かったら、もちろん選ばないですよね。
東:うんうん…。
森辺:そうすると残るのは、規模は大きいんだけど、全く取り扱っている商材が違うみたいな、ここもなかなか、オーナーが「いやいや、お宅が取り扱っているような商品群を、これからラインナップとして会社として投資していくんです」みたいな話になるのであれば、たぶんやるということは検討できるんですけども。そうじゃない場合はね、やらせてもたぶんうまくいかないから選ばないと。そうすると、やっぱり規模は小さいんだけど、取り扱い商材が小さくて、規模が小さい中でも比較的準大手と言うのかな、中堅と言うのかな、そういうところを選んで一緒に成長していくみたいなね、そういうことにはなると思うんだけど。選択肢が少ないですよ、という話をここではしたんじゃないかな。
東:うんうん…。
森辺:なので、急がないと椅子取り合戦ですよ、みたいな話が多かったんじゃないかな。
東:はいはい。
森辺:でも、日本の企業も、例えば消費財メーカーで言うと、その国でマーケットシェアを胸を張って取れるような企業って限られているじゃない?
東:うんうん。
森辺:だから、必ずしもすごい大手とやってもね、彼らはもう、すでに市場シェア10%、20%持っているようなメーカーの商品を取り扱っていて。ただでさえよくマーケットのことを分かっていない、投資も売れるまであまりしたくないとかっていう日本企業が近づいていっても、あまり合ってない気がしていて。
東:うんうんうん。
森辺:それだったら、もう少し中堅クラスで、自分たちの成長意欲がまだまだスイートスポットにまだ到達していないようなディストリビューター、前回スイートスポットの話をしたけど、そういうところを選んだほうが首根っこも掴みやすいし、一緒に成長していく可能性というのは高いんじゃないかなというふうには、僕は思うけどもね。
東:なるほど。分かりました。では、今日は森辺さん、ここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。