東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回、セミナーの件で概略をお話していただいたんですけども、「7つの法則を話しました」というところで終わっているんですが、7つ全部じゃなくてもいいんですけども、どういう法則があるのかというのをリスナーの方にも少し共有いただければなと思うんですけども。
森辺:失敗の法則じゃなくて、7つの中小企業のグローバル展開で。
東:具体的に。
森辺:具体的な7つの方法論ね。方法論の話をしました、第3部でね。
東:そうですね。はい。
森辺:でね、ちょっとごめんなさい、順番が前後しちゃうかもしれないんですけど、1つがね。
東:大枠の流れで。
森辺:大枠の流れとしてはね、まず「何年でいくらやりたいのか決めてください」という話をしたんですよ。とにかく海外へ出ますみたいな、それでパートナーだ、どうだああだと僕がやるんですけど、いわゆる方法論の話に先に入るんですよね、みんなね、中小企業って。でも、そうじゃなくて、「何年でいくらやりたいの?」というのを最初に決めないとね、方法論って大きく変わってくるわけですよ。例えば、5年で100億やりたいのと、5年で10億やりたいのではやり方が全然変わってくると。それを明確に決めないでやり方のほうばっかりに気が向いてしまうというのが中小企業の特徴でね、やり方がよく分からないからパートナーだと言って、パートナーを探し始めて、パートナーと組んで最初はいいと思ったんだけど失敗して、みたいな話があるわけなので。方法論よりも、何をやりたいの?と、何をやりたいのかによってどうやるのかということが変わってくるので、そこをまず最初に決めましょうねということをお話しました。7つのうちの2つ目がね、「出ない戦略を徹底してください」と。中小企業が海外に展開するのに、いわゆる輸出でやるわけじゃないですか。現地で生産して現地で販売するなんていうのは、だいぶ成長がある程度いかないとできない話なので、生産拠点として向こうに工場を出して、日本で買い戻すみたいな、そういう話じゃないので、向こうでつくって向こうで売るというのはいきなりできませんよと。なので、輸出でやりましょうと。輸出でやるということは、やっぱりターゲットも変わってくるし、伝統小売とかね、B2Cだったら、そんなことは全く考えなくていいし、中間層とかってあまり捉えなくてよくて、どちらかと言うと、上位中間層以上の話をすればいいので、言ったら出ない戦略。出ない戦略である程度利益が出てから現産現販とかを考えていきましょうね、みたいな話をしたというのが2つ目。
東:うんうん。
森辺:中小企業3つ目は「出る国を間違えちゃ駄目だよ」という話をしたんですよね。当然、アジア新興国というふうに捉えて、中国はもう新興国じゃないですけど、先進国だけども、出る国によって難易度って全然変わってくるじゃないですか。もちろん業種によっていろいろあるものの、一般的にメコン経済圏にいきなり出るなんて、もうこれは難しいの極みじゃないですか。インドに最初にいきなり出るとかね、例えば、タイも成功していないのにベトナムに出るとかね、これはもう順番を間違っちゃっていて。そうすると、どの国がいわゆる中小企業にとって優しくて、どの国が難しいのかみたいなチャートを僕はつくったので、そのチャートを紹介して、こういう順番で難易度って上がっていきますよ、という話をさせてもらったんですsよね。これが3つ目ですよね。
東:はい。
森辺:あと、「国を攻めるんじゃなくて、都市を攻めなさい、首都を攻めなさい」という話をしていて、例えば、GDPを見てもね、インドネシアのジャカルタのGDPって、1人あたりGDPって2万ドル、1万9,000ドルぐらいなんですよ。
東:はい。
森辺:一方で全土で言うと5,000ドル弱ぐらいなんですね。そうすると、4倍違うわけじゃないですか、所得がね。4倍所得が違うとやり方もターゲットも全然変わってくるので、中小企業は地方なんて攻めれないですよと。タイであろうが、フィリピンだろうが、ジャカルタだろうが、ベトナムだろうが、首都を攻めてくださいという話をして。ジャカルタなんてね、首都の中の首都。もっと限定すると、4万ドルとかね、1人あたりGDPいくわけですよ。だから、国を攻めるんじゃないよ、都市を攻めるんだよ、という話をしたのが4つ目かな。
東:はい。
森辺:あとね、誰とやるかよりも…。何だっけな。そうそう。どこで売りたいのかを先に決めてくださいと。「誰と売るかよりもどこで売りたいのかを先に決めてください」と。どういうことかと言うと、ディストリビューターを先に決めようとするんだけどもね、結局、自分たちがセブンイレブンで売りたいのか、何とかコープで売りたいのか、どこで売りたいのかによって、そこに強いディストリビューターを見つけないといけないわけじゃないですか。とにかくデカいところ、ディストリビューターと付き合って売れるかどうか分からないのをドキドキしながら待つみたいなね、こんな不毛の話はないので、「基本的にはどこで売りたいの?」「どこで売るべきなの?」ということを最初に設定して、「じゃあ、そこに売れるのは誰なの?」ということを次に決めるということが重要ですよ、という話を5つ目にしたのかな。
東:はい、はい、はい。
森辺:時間かな? いっちゃいますか、切りますか?
東:そうですね。いっちゃいましょうか。
森辺:いっちゃいましょうか。でね、6つ目がね…、忘れちゃったよ。
東:最後。
森辺:6つ、7つ。あと何を話したかな…。7つぐらいあるんですけどね。
東:でも、そういう流れで具体化をしていくことが結構重要で、結構、中小企業だと、国を決めてパートナーを決めてっていう、ポンポンといっちゃうようなイメージがあるんですけど、そうするとなかなかうまくいかないということなんですかね?
森辺:そうですね。国なんかも何となくここみたいな話なんですけど、いや、そうじゃないでしょうと。ASEANだったらASEANの都市を全部首都を並べて、マクロ数値全部並べて、どこがいわゆる物理的に、ファンダメンタルズを見たときにどこが最もやりやすいのかということをまず客観的に判断するということからやっていかないと、何となくインドネシアみたいな、そういう企業は非常に多いので、そうね、そういうことを1つ1つ理詰めをしていくという。だから、この僕が今回話した7つのことをしっかりやればね、そうそう変な結果にはならないと思うので、だいたいそこの7つのことで失敗して中小企業は海外展開がうまくいってないので、そんな話をさせてもらったという感じですかね。
東:分かりました。じゃあ、今日は森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。