東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回大山会長の話の内容をシェアいただいたんですけども、ディスカッション形式みたいなかたちで森辺さんが質問されてということで。
森辺:そうです。
東:Q&Aみたいな感じなんですかね。
森辺:はい。
東:なので、何個かかいつまんで、どういう質問を森辺さんが投げ掛けて、どういう回答をされたのかみたいなのを、要約でいいので教えていただきたいんですけども。
森辺:僕からお話させてもらったのは、1つはこれだけ、前回も少しお話したかもしれないですけど、これだけね、日本の家電メーカーがことごとく衰退していく中、なぜアイリスオーヤマだけがね、家電の業績をこれだけ伸ばし続けているのかということを質問したんですよ。それに対して、やっぱり大山会長は「顧客の不便を取り除くんだ」と、「顧客が何を思っているのかということを取り除いていく」という。LED照明だってそうですよね。
東:はいはい。
森辺:LEDのほうがコストが安いというのが分かっていて、大手もいっぱいLED照明を出したじゃないですか。けど、やたら高かったのを覚えているんだよね、僕ね、会社の照明をLEDにして「なんでこんなに高いんだ?」みたいなね。
東:そうですね。(笑)
森辺:だって、1年間持ちますだっけ、あれ、20万回か、10万回か。
東:何年間か持つんですよね。
森辺:何年間か持ちますって、T芝のやつ買ってね、なんか1年しないうちに切れるんですよ。
東:(笑)
森辺:3,000円したLEDが1年しないで切れるって、たぶん大きい会社だと別に気にしないじゃないですか。あ、交換しようみたいな。単純にランニングコストが上がっただけみたいなね。
東:うんうん。
森辺:なんだけども、僕は気になるからね、中小企業だからね。えーっ、1年経ってないのに切れやがったと思って、3,800円とかって承認依頼、「なんでこんなに電球高いのよ?」って。「いや、LEDにしたので。このほうが長く持つので」って女の子が言われるわけじゃないですか。購買のね。
東:はい。
森辺:それで高いなと思っていたときに、Amazonで1,380円かな、アイリスオーヤマのLEDを見つけて。それを使っていて、全然いいんですよ。だから、コストというところをやっぱり極めたんでしょうね。
東:はいはい。
森辺:アイリスオーヤマなんだ、これと思っていて、そんなことも考えていたし。あと、テレビとかもつくっているんですよね。
東:そうですね。いろんなものをつくっていますね。
森辺:送風機とかね。
東:はいはい。
森辺:なので、「顧客目線にとにかくなる」ということをすごい言っていて。それはね、とにかく印象的でした。狂人のように顧客のことを考えているんだということでしたね。
東:ほかにはどういう?
森辺:あとね、何質問したかな…。緊張し過ぎてね、僕もあまり覚えてないけどね。
東:覚えてない。(笑)海外はどうなんですか?
森辺:海外は、アメリカとヨーロッパを中心にやっているんですよね。やっぱりアメリカは収納ケース、やっぱりニーズはあったみたいで、工場もつくってあれして。アイリスオーヤマぐらいになると、現地で生産して現地で販売みたいなね、あんな収納ケース、ほら、船で送っていたら空気を運んでいるようなものだから。
東:そうですね。
森辺:あれなんだけど、でも、やっぱりね、すぐに二番煎じ、三番煎じのメーカーが中国でつくって安いのがどんどん出てくるし。言っていたのは「アメリカは日本と違って小売が強い」と。
東:そうですね。
森辺:だから、小売がプライベートブランドをすぐつくってね、結局、コスト競争になっちゃう。「コスト競争はしない」と言っていましたね。利益の取れないことはやらないとおっしゃっていたので、そういうのも強いなと思っていて。だいたい日本企業って、利益薄々でもコスト競争に参入していくような感じじゃないですか。でも、そういうことはしないで、そこにじゃあもう1つ付加価値を付けてね、価格をちゃんと維持して適正な利益をしっかり取れるような状態に保つと、そういう努力をまずすると。「それができないんだったら、そんなことはもう、その業界はもうやらない」ということをおっしゃっていたので、利益を取るということに対しての執着、「利益が出ないでやるとか、そんなことはしちゃ駄目だ」ということをおっしゃって、本当に当然のお話なんですけども、そんなお話をした記憶がありますかね。
東:はい。
森辺:とにかく話も分かりやすいし、非常に優しい方だし、たぶん多くの中小企業の経営者はね、奮い立ったんじゃないかなという。大山会長の話をまとめると、もう1つにまとめろと言われたら、「狂人のような顧客目線である」という、顧客は自分のやりたいこと、したいこと、してほしいことを分かっていないから、それを自分たち、提供するメーカー側がそれを把握して、そこにその価値を提供するんだ、ということをおっしゃっていましたね。
東:分かりました。今日はありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。