東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回に引き続き、日本の私大の社会人MBAの話で、メリットをいろいろ話をしてもらったんですけれども、ほかに何かあれば。
森辺:うん、そうですね…。
東:結構、でも、呼ばれるゲストの方とかも、見ていると、結構、1つは人脈とか客観視という話があったんですけど、ゲストの方が結構すごいですよね。
森辺:それもメリットだよね。それは教授先生の人脈によると思うんですけどね。もちろん、米倉教授の専門、イノベーションとかさ、そういう意味で言うと、日本中のイノベーターと言われる人たちが、実名を言ったらまずいのかな。
東:いいんじゃないですか。こういう人が過去に来ましたぐらいであれば。
森辺:うん。ありとあらゆる人が来ていて。でね、結構、「あまり講演とかにポンポン来ると、いろんなところからお願いをされちゃうから、ここでお話したことは内緒ね」みたいにして来る人もいるんですけど、とにかくもう皆さんがご存じの上場企業の社長さんが来られるというのが。
東:例えば、数名挙げるとしたら?
森辺:サイバーエージェントの藤田さんとか、虎屋の黒川社長とか、資生堂の魚谷社長とか、そういう方が来ますと。
東:それを20~30名とかのクラスで聞くわけですもんね。
森辺:20~30名ぐらいのクラスでやると。オンラインになってしまったのでね、オンラインで参加をした人っていうのもいるんですけど。そういう企業の事業モデルを研究して、それを分析して次の一手を、その社長に直接プレゼンするんですよ。そんなの社員でもしたことないのに。
東:はい、そうですね。(笑)
森辺:というか、できないのに、こんなありがたい機会、もうこっちからしてみたら、特任講師という立場はね、言ったら。
東:置いておいてと。
森辺:教授のコネで、米倉教授のコネでそんな人をゲストで呼んでもらって、そこに生徒がプレゼンできるとか、もう2週間血反吐を吐くほどやれと思うわけですよ。
東:(笑)
森辺:そんなことは僕は言わないけどね。だって、そうでしょう?
東:そんな機会はないですもんね、普通の人には。
森辺:うん。米倉先生みたいな、いわゆる愛の人というか、教育者みたいな人はさ、一生懸命やっているんだけども、僕みたいな器の小さい人間はね、その一生懸命にも「血反吐を吐くまでじゃ!」みたいなことを思っちゃうんだけど。
東:(笑)
森辺:米倉先生ぐらいの心の広い人はね、「おまえらもうちょっと頑張ってほしかったな」ぐらいで済んだりするわけですよ。
東:へえー。
森辺:でも、それぐらいありがたい機会。
東:はいはい。
森辺:あれが最大の価値じゃないかな。だって、会えないもんね。
東:そうですよ。普通、話せないですもんね、そういう。
森辺:だから、こっちも本当に申し訳ないと思いながら、精一杯のおもてなしをしますけど。昔からの関係がいろいろあるんでしょうね。だから、そういう教授、どういう人が来るのかということをベースに選んでいくという、自分の専門とか、自分の聞きたい内容とか。MBAなのでね、似通ったことだと思いますけど、でも、それも本当に、それもというか、最大の最も大きなメリットじゃないかなと思います。メンバーとの共有される苦しい時間、そこから生まれる人脈、そして、いわゆる普段会えないような人に対する事業プレゼン、それからあと、言った、客観的に自分の会社を見れるというね、ことかな。だから、MBA、ほら、終わったら、客観の話に戻るけど、MBAが終わったら会社を辞めちゃう人がいるじゃない?
東:うんうん。
森辺:会社のお金でMBAに来て、取ったら辞めますみたいな、その気持ちもよく分かるよね。本当にものすごい狭い世界に、今でこそそういう企業も少なくなってきたのかもしれないですけど、ここ以外の世界はないよぐらいの、意識的なのかどうなのか分かんないけども、A社に勤めていたら、A社の常識が世界の常識みたいな。
東:そうなっちゃいますよ。
森辺:なっちゃうよね。
東:まあまあ、そこしか知らないですしね。
森辺:知らないからね。
東:特に新卒で入った場合はそうですね。
森辺:だから、僕も思い出すんだけどね、そういう学生とかとそういう話をするわけですよ。今はコロナ禍でなかなかご飯を食べたりとかっていうのはないけども、そういう話をする中で、自分が会社に勤めていたときのことを思い出すわけですよ。もう20年以上前ですけど、そのときに、僕は入社してすぐに海外に出たいというお願いをしていたんだけど、それは叶わなかったんですよね。なぜならば、国内で基礎を積んで、それから海外に出ろということだったんだけども、当時の会社の役員がね、そんなことを言っていたりとか、先輩とかにもね、説得というか、「森辺君、やっぱりね、うちの会社は国内でこういうふうに強くて、こういうふうな素晴らしい人たちがいっぱいいて…」、うわーっと言われるわけですよ。
東:(笑)
森辺:それで、そういう先輩とかに言われるから、そうなのかなと、未熟な俺のその思いも一旦飲み込んでと。で、国内で頑張るわけなんだけども、その当時の先輩がね、Facebookとかでね、「今、インドネシアに駐在決まりました、やっぱりグローバルです、イエーイ!」みたいな投稿をしていると、イエーイ!とは言ってないけどね。
東:はい。(笑)
森辺:おまえ、国内が重要だって言ってたじゃないか!と思ったりするわけですよ。
東:(笑)
森辺:だから、まあ…。あと、もう1つ思ったのがね、当時の役員がね、「何言ってんだ、海外なんて」と言って、「国内だ!」とかって怒られたこともあったの、僕。
東:へえー。
森辺:その役員が定年して、Facebookで、ゴルフしながら、「セカンドライフ、ハッピーライフ」とかって投稿しているのを見てね、いや、あれだけ僕のことを海外と怒ったのに、定年したらセカンドライフはハッピーライフかよみたいなね、ゴルフでね。
東:(笑)
森辺:いや、そんなふうなことをちょっと思っちゃったりするわけよ。
東:分かりました。
森辺:なんか、ものすごい武闘派で。
東:じゃあ、ちょっと止まらなそうなので、ちょっと今日はここまでにしておきますか。(笑)
森辺:ここまでね。ごめんなさい。はい。
東:じゃあ、森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。