東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前3回でMBAの話をしてきたんですけど、MBAに通うきっかけって、何か悩みがあるからとか、たぶん、実業、実務的にやっているだけだと足りないと思うから、たぶん、足りないのか、プラスにしたいのか、何かきっかけがあると思うんですけど、どんなことに悩んでMBAに行こうと思うのか、もしくはどんなことを学びたいと思って行こうとするのかというのは、どんな感じなんですかね?
森辺:やっぱり、僕、いろいろ話していると、一番多いのが、今の現状、会社の現状に不満を、ある一定の不満を抱いているというのは、これは共通してあると思うんですよね。不満というか。
東:問題意識?
森辺:問題意識ね、課題感というのがね、本当はこうあるべきなんじゃないかとか、うちの会社は本当はもっとこうあるべきだと、それがグローバル化をもっとこうするべきだとか。
東:国内でもそうですもんね。
森辺:もう今の俗人的なやり方をもっと戦略的にすべきだとかね、いろんな課題認識を当人が持っていますと。たぶん、MBAに行くぐらいだから、アンテナの非常に高い人たちなわけですよ。
東:そうですよね。
森辺:いろんな情報を吸収しながらそう思っているんだけども、それを上司とか周りにぶつけても、あまりいい跳ね返りがないんですよね。これ、すごくよく分かるんだけども、「いや、そんなことはおまえの仕事じゃない、考えなくていいんだ」と、「おまえは言われたことをやればいいんだ」という、口悪く言うとね、そういう状況に大企業なんか特になっているわけじゃないですか。だって、「それは君の考えることじゃない」みたいな。そう言われて、はいはいと言って10年経って、15年経って、20年経つと、もう終わっちゃっているんだよね。もうそこから「しまった…」と思っても、もう取り戻せないわけなんですね。
東:はいはい。
森辺:そういうことを何となく気付いているような人たちが、「いけないんじゃないの?」と、僕のこの課題認識、会社では課題を打ち出してもね、いまいちみんなキョトンとしちゃっているんだけど、「これって、絶対、課題だよね?こうしないと駄目だよね?」みたいな人がMBAでそれを探りに来ているというか、それをこう。
東:どうにかしたいという。
森辺:どうにかしたいという、そういう思いで、今の会社を本当によくしたいという、そういう思いで来ている人がたぶん大半なんじゃないかなと思いますね。
東:じゃあ、中堅中小企業のオーナーさんもやっぱりそういう。
森辺:そうそう。
東:意味合いで来ている方も多いということですよね?
森辺:「自分の会社をより成長させよう」、大企業の会社員だったら「自分の課題認識、会社ではいまいちなんか響きが悪いけど、どうなんだろう?」ということを回答を得に来ているんじゃないかな。みんな、来ている人が「来なきゃよかった」という声はね、1人も聞いたことがないんですね。「来てよかった」と、「やっぱり正しかったんだ、自分の思っていたことは」ということが分かったということと、あと、自分が実践でやってきたことを理論でもう1回整理される。「これで初めて人に説明できる」ということを言っていて。こういうことだと思うんだけど、実践でさ、山に登ったら、「きれいだったんだよ、山が」と言っているわけなんだよね、部下にね。なんだけど、部下は「そうですか」と。見たことがないからね、どんなに「きれいだ」と言われても、「ああ、そうですか。よかったですね」しか言いようがないんだけど、たぶん理論を学ぶということは、その景色を写真に撮って見せられるぐらいの納得感を学びに行くものだと思うんだよね。だから、そういう意味では非常にいいということを言っているかな。だから、やっぱり意識の高い人たちじゃないかな、MBAに来るというのはね。
東:そうですね。自費なのか、社費なのか、分からないですけど。
森辺:結構、自費が多いみたいだよ。
東:へえー。
森辺:会社で出してくれるというのは、今そんなに。
東:多くはないですよね、きっと。
森辺:日本企業も多くはないみたいで。だから、自費みたいですけどね。
東:すごいですね。
森辺:うん。まあ、そんな感じですかね。
東:なるほど、なるほど。じゃあ、そういう中でMBAを、1年間ですか、2年間?
森辺:2年だね。2年行って。
東:2年間学んで、会社に戻って、その問題解決をしようと試みる人が多いという。
森辺:うん。多いというね。なんかね、そうそう、もう1つ感じたのがね、やっぱりね、上を動かすために、上を動かせるぐらいの圧倒的な絵を描かないと駄目なんですね。「いや、こうすべきじゃないですか。だって、僕、こう思うから」と言っていたって、「は?おまえ何言ってんだ?」って話じゃないですか。「おまえ、自分の仕事やっておけよ」で終わっちゃうんですね。でも、そうじゃなくて、「こうすべきですよ。こういうふうにやって。そしたら、こんな結果が出ますよ。ほらほらほら…」ということを、より具体的に分かりやすくシンプルに上に言えば、上も、「おっ、あっ、えっ…。あ、本当だ!」となるわけじゃないですか。
東:うんうん。
森辺:こんなの、普通に人間で考えたらそうなるでしょう?
東:はいはい…。
森辺:そこまでのことをやろうとしているんじゃないかな、みんなね、上を動かすために来ているみたいなね、そんなことを言っていた子もいたかな。
東:なるほど。分かりました。じゃあ、今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。