東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回に引き続き、最近の傾向とかをお聞きしてなんですけど、ベトナムがちょっと目立って問い合わせが、悩んでいる方が多いかなという印象だと思うんですけど。
森辺:そうね、ベトナム、インドネシアね。
東:はい。どんな悩みが多いのかというのは、チャネルの中でもいろいろあると思うんですが。
森辺:やっぱりベトナム多いのは、圧倒的にB2Cのクライアントさんが多くて、B2Cで悩まれているのは、伝統小売の攻略をどうするかというところが1つ悩みの種ですよと。基本的には、近代小売だけやっていても儲からないしという中で、Traditional Tradeをやるために、どういうふうにチャネルをつくっていけばいいかという問題がありますと。ただ、これはもちろんチャネルをつくっていくという問題も非常に重要なんだけども、4Pで言うところのプレースでしょう、チャネルって。
東:はい。
森辺:プロダクト、プライスのところの修正もしていかないといけないし、プロモーションの投資だってしないといけないから、四輪駆動で初めて前に進むみたいなね。それ、チャネルだけいじったって前に進みませんよと、なんだけども、チャネルが一番重要ですよということなので、伝統小売の攻略の悩みが非常に大きいんじゃないかなというね。だから、そうだね、伝統小売に流通させるためのディストリビューション・チャネル、水道管を通しますと、伝統小売にね。なんだけど、中を流れている水が濁っていたりとか、中を流れている水が高かったり、値段がね、そしたら別に伝統小売に水道管を通しても、その先に待っている消費者は蛇口をひねらないじゃないですか。で、また、ここに蛇口がありますよってちゃんとプロモーションをしないと、蛇口をひねれないじゃないですか。だから、そういうことも加味した上でのチャネルづくりっていうのがやっぱりすごく重要で、そんな話がやっぱり圧倒的に多いですよね。
東:そうすると、商品のまず現地適合化じゃないですけど、そういったところもしっかり見ていかないといけないということですかね。
森辺:そうですね。これもね、現地適合化も本来は世界標準化があって、その上で現地適合化というか、ASEAN適合化とかね、アジア適合化みたいなことをしていかないといけないので、そもそも日本の本社で世界適合化、あ、世界適合化じゃないな、世界標準化ができていない企業というのがほとんどなので、ここも結構日本企業の今後の課題にはなってくると思うんですけどね。あと、インドネシアが多いかな。似てますからね、この2つの市場、フィリピンもそうですけど、VIPは伝統小売がキーだという意味ではね、チャネルのところはどうしても出てくるので。そうですね。
東:なるほど。森辺さんから見て、伝統小売になかなか商品が行きつかない理由というのは、どういう、一般論で構わないんですけど。
森辺:大きく分けると2つ理由があって、1つは近代小売の売れ筋になってないという、そういう理由があるんですよね。伝統小売の店先ってスペースが限られているので、回転率の悪いものをオーナーは絶対置きたくないわけですよね。そうすると、回転率のいいものを置きたいと。でも、近代小売でそもそも目立っていないのに、=回転率が悪いということなので、伝統小売には置きたくないよという、そういう問題が1つ。パッケージを小さくするとか、グラム数を少なくするとかね、伝統小売に合った適合化みたいなことは、別にこれは物理的にやればいいだけだから、別に誰でもできるので、一番のポイントは、やっぱり伝統小売のオーナーが売りたいと思えない状態が近代小売で続いているというのが1つなんですよね。ここで近代小売だけでは儲からないんだけど、やっぱり伝統小売をやるときには近代小売である程度ブーストさせないと、赤切ってでもバーッとまくり立てないとね、なかなか最初の導入期、伝統小売にはスッと入っていかないので、そこの問題が1つです。あと、もう1つの問題が、そもそも伝統小売に配荷できるディストリビューション・ネットワークが組まれていないよねという、チャネルの物理的な問題。この2つが解決しないといけない。先に言ったほうは、どちらかと言ったらプロモーションの問題かもしれない。あとに言ったほうは、後者はチャネルの問題ですよね。プロモーションの問題というか、プロダクトとプライスとプロモーションの問題ですね、最初のほうはね、近代小売のほうはね。一方で、伝統小売のほうはチャネルの問題なので、その両輪をやっぱり回していくというところに課題があるのが大半ですかね。
東:分かりました。森辺さん、今日は時間がきたのでここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。