東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回の続きで、もう少し話せることをかいつまんで共有いただければと思うんですけど。
森辺:僕ね、あと話したかったことはね、その大使が言っていたんだけど、70年代に『おしん』を見て頑張ったんだと。70年代のアフリカのその某国はね、大変だったと。とにかく大変だったと、毎日生きるのがと。でも、それを『おしん』を見てね、自分を奮い立たせて頑張っていたというね。「日本に行く」と言ったら、いまだに古い世代は、「おしんによろしく伝えてくれ」とかって言う人とかいるらしい。
東:(笑)そうなんですね。
森辺:これはアフリカだけじゃなくて、ASEANもそうなのよ。
東:はいはい。
森辺:ASEANもそうだし、中国だってそうだし、いろんな所でね、『おしん』は流されまくったんだよね。
東:そうですね。
森辺:1970年代とか1980年代のアフリカとおしんってね、いや、おしんのほうがまだいい感じの生活なんじゃないのと、僕は一見思うんだけども、生活自体はそうなのかもしれない、一応食べてるでしょう、おしんはちゃんとご飯をね。
東:そうですね。
森辺:なんだけどね、やっぱりあのハングリー精神というか、いろんな試練がのしかかるじゃない?
東:うんうん。
森辺:それをグーッと涙をこらえて前に進むあの姿が、やっぱりね、すごかったらしいのよ。
東:そうなんですね。
森辺:当時、あれはたぶん戦略的にコンテンツ輸出をしたのかどうか、ちょっと僕も詳しくは分からないんだけど、とにかく日本の経済がものすごく成長していたので、海外から「えっ、日本ってどんな国?」という興味を持たれて、こんな面白いものがあるって、そのコンテンツが出ていったという、そういう流れだと思うんだよね。一方で、今って日本の経済は停滞して30年だから、日本への興味が薄れているから、誰も「日本のコンテンツ」とはならないじゃない?
東:そうですね。
森辺:そろそろmade in Japanの威力ももう切れるみたいなね。そんな中で、やっぱり韓国のコンテンツパワーがものすごくて。
東:やっぱりそうなんですね。
森辺:その国でね、イカゲームがめちゃめちゃ流行っていると言って。
東:何ですか、イカゲームって?
森辺:「何だろう、イカゲーム?」と思っていろいろ検索したら、知らない時点で老害なんだけど、めっちゃ流行ってるらしいよ。ドラマなんだよ、韓国のね。
東:ああー。ゲームじゃないんですね。(笑)
森辺:うん。暗号資産にもなって暴落してどうのこうのって、そういう事件もしばらく前にあったらしくて、イカコインとかっていう。(笑)
東:(笑)
森辺:怪しそうなコインがあったらしいんだけども。なんだけど、そういうものらしいんですよ。もちろんBTSとかね。そういうのを、ダンスをコピーしたりしてやっててね。もう言われて長いですけど、やっぱり韓国映画とかドラマとか面白いじゃないですか、日本人もこれだけ熱狂するわけだからね。
東:そうですね。
森辺:言ったら、アメリカのビルボードであれだけの影響力を持ったのも韓国だし、アジア人のステータスが絶対に上がっているから、僕はすごくいいことだと思うんだけども。でも、やっぱり、今コンテンツでは韓国だしね、日本のコンテンツが全然あれだということもすごくおっしゃってたね。もったいないと言ってたね。
東:これだけ。
森辺:うん、そう。日本はいい製品もつくれるし、いいコンテンツもつくれるのに、それをどう、じゃあ、外に出していくか、どうプラットフォーム化して広めていくかみたいなところがやっぱり弱いよねということをすごくおっしゃっていたので、そうだなということを改めて痛感した、そういう会食だったな。
東:なるほど。分かりました。あとは何か、気になった。
森辺:あとね、うーん…。
東:なかなか普段皆さんが、リスナーの皆さんがお会いできないような方なので。
森辺:なんかね、しきりに「『おしん』をリメイクしたほうがいい」とすごい言っていたね。
東:そうなんですか。そんなに、じゃあ、やっぱり印象深いってことですね。
森辺:それはASEANでも言われるんだよね。インドでも、僕、言われたことあるし、中国でも散々言われたし。今、『おしん』を見ると、やっぱり画像もさ、ちょっと昔の感じだよね。
東:ちょっと、そうですね。
森辺:だから、『おしん』をリメイクして、ああいうコンテンツをこのまま潰しちゃうのって、だってね。
東:全世界の人が知っているわけですもんね。
森辺:現代の日本人でも見ていないようなものをね。でもね、その人も言っていたけど、そうそう、何を言っていたかと言ったら、僕らの歳の人は『おしん』なんだと、60歳前後。でも、今の20~30代は『おしん』なんて知らないと、BTSだと。
東:そうですよね。
森辺:イカゲームだと。そうなったときに、僕らが亡くなったらね、もう日本の影響力って本当になくなるんだなということをすごく感じて。やっぱり、何て言うのかな、コンテンツ。でも、これって戦略的に配信する必要性もあるんだけども、結局、日本の中が元気じゃないと、元気じゃないとって言うか、日本そのものが元気じゃないとね、コンテンツだけ配信してさ、日本のイメージを上げようと図っても、それって本末転倒な話なので、やっぱり日本がもっと外に出ていって、日本の中を元気にしていくということをしないといけないんだなということを痛感した、そんな会食でしたと。
東:分かりました。では、今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。