森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も1人Podcastでございます。忙しくて東さんと日程が合いません。引き続き、1人でふわっとしたお話をします。ふわっとした感じで聞いてもらえればなというふうに思います。
前回の続きかな。今回は前回の続きで、「マーケティングにとって一番重要なことって何ですか」というお話をいろんなところでよく聞かれると。そのときに僕は、視点とセンスがすごく重要じゃないかなというふうに思っているので、その話を引き続きしていきたいなというふうに思います。
マーケティング、いろんなフレームワークを覚えるということは、前回もお話しましたけど、非常に重要ですねと。何か真実を見極めるときに、フレームワークを使うことによってそれが客観的に見れるし、それをより早期に導き出すことができるので、便利なツールなんですよね。だから、マーケティングの教科書に書いてあることってほぼフレームワークなので、フレームワークの使い方がどうだああだと書いてあるわけなので、これを学ぶということは、僕は、非常に重要なことだと思います。
ただ、このフレームワークも、ものすごく細分化して細分化してということを学べるんだったら学べたらいいと思うんですけど、それを頭に詰め込み過ぎると、逆に僕は、この視点とセンスという一番重要なところを見失っちゃうような気がしていて。あんまり勉強し過ぎるのはよくないなというふうに思っています。そういう話をよくします。
やっぱり、どんなにマーケティングの教科書を読んで、それを暗記して覚えても、視点とセンスがなければまったくもって、これはツールなので、使いようがないんですよね。どういう視点で見るべきかということのほうが、マーケティングの教科書を読むより圧倒的に重要で。ここで言っているのは、自分もマーケティングの、グローバル・マーケティングの本を書いていて、マーケティングの本を読むなと言っているのではなくて、基本的なことは理解をしておく必要があります。ただ、お勉強し過ぎるのはよくないですと。なぜならば、実践でマーケティングを使ってこそなんぼで、知識としていくら蓄えたって、それは無価値なわけですよね。知識としてマーケティングをいくら蓄えても、マーケティングの先生にでもなればいいんでしょうけども、基本的に皆さんはマーケティングで学んだことを実践で活用して、それに対してアウトプットなりアウトカム、究極は利益を導き出すということができなければ、まったくマーケティングをやる意味はないので。お勉強はほどほどにしたほうがいいと。なぜならば、勉強をし過ぎると視点が、本来はこういう視点で見なきゃいけないというところの視点を見誤る傾向が、僕は、強いんじゃないかなという気がすごくしていて。賢いばっかりで、本当に重要な視点を見誤ってしまうという、そこがやっぱり非常に危惧するところで。
結局、よく言うのは「顧客視点に立つ」という、もうマーケティングの本当に最も重要な基本中の基本ですよね。買う人の立場になってどうやって見れるかという、これも視点なわけですよね。メーカー側からの視点で見ていたら、これはプロダクトアウトになってしまって、まったくもって商品がっていうお話、よくありますけども。マーケットインで顧客視点に立ってということをよく言いますけども。視点もそれ1つ、そうですよね。あと、グローバルビジネスの場合、日本国内の視点で見ているのか、それとも現地法人でね、現地の人たちの視点で見ているのかによって、これは全然顧客に対する視点って違うわけですよね。かたや日本から遠い海外の顧客を見ているという視点と、現地で現場で目の前の顧客を見ているという視点、これはもう全然違うので。そういうふうに考えると、やっぱり、どの視点で見ているかということはすごく重要。なぜならば、視点が変わると視野が変わる、視野が変わるということは見ている景色がまったく違うものになるわけですね。見ている景色が違えばね、考え方なんて人間絶対変わるんですよ。東京本社の人はその景色が見えてないから、いや、いいものをつくっていれば売れるんでしょうって。でも、現場は、違うんです、そうじゃないんです。だから、景色が変われば人間の考え方は変わるし、考え方が変われば行動って絶対変わっていくわけですよね。これがやっぱり目指すべきアウトプットとかアウトカムを生むプロセスなので、この視点がやっぱりすごく重要で。
この視点に対して、もう1つ僕が重要だと言っているのはセンスなんですけど。これもね、僕もね、大学の教授じゃないので、学術的にセンスがどう重要なんだということを研究・分析したことはないので、非常に感覚値的な抽象的な話で申し訳ないんだけども。マーケティングをやっていく…。僕はね、このセンスを1つの感受性みたいなところだというふうに捉えていて。センスのある人とない人ってどう定義するのかって、僕はセンスのある人は、今、ターゲットにしている顧客なり消費者なりが求めているものを、もしくは潜在的なインサイトを感じ取れる、このセンスなんですよね。それって、こっちについてる受容体みたいな、向こうから出ている電波をね、感じ取るようなものがしっかりピピッと反応するから、あ、こうしたほうがいいんじゃないか、ああしたほうがいいんじゃないかというふうになるわけで。センスのない人がどれだけマーケティングをやったって、これは感じ取れないんですよね。だって、相手の気持ちが分からないんだもん。だから、相手の気持ちが分からない人は、僕はマーケティングには向いてないと思う。相手の気持ちが分かる人こそ、僕はマーケティングをやるべきだと思っていて。人それぞれ長所・短所があって、マーケティングができるからいいとか悪いとかじゃないと思うんですね。向き不向きがあるので。なので、このセンスと僕が言っているというのは、感性なんですよね。人の気持ち、あ、今の表情でこの人はどういうふうに思ったんだろうとか、人間付き合いしていてもそうだと思うんですけども。そこの部分がやっぱりすごく重要で。
それって最初に話した視点の話をものすごく結びついてくる。だって、その人の顔を正面から見える視点で見ていたらね、その人が今すごく悲しい思いをしているんじゃないかとか、すごくつらい思いをしているんじゃないかということはしっかり見てあげられるけど、その人のことをずっと後ろから見る視点で見てたら、一生その人の気持ちなんて気付かないわけなんですよね。だから、この視点とセンスというのは、すごくつながっていてね、この2つがやっぱりすごく重要なので。何が言いたいかと言うと、あんまり勉強し過ぎずに、勉強そこそこで、やっぱり意識すべきは視点とセンスなんじゃないかというふうに思います。
また今日も長くなっちゃいました。これぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。