森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は何のお話をしようかな。今日はね、ディストリビューターのお話をしようかなというふうに思います。
日本の製造業さん、B2BでもB2Cでもそうなんですけど、ディストリビューターの選定がなかなか難しいというか問題を抱えている。「今現在、自分たちのディストリビューターに本当に満足しています」と言える企業、8割9割満足していたらいいと思うんですけど、「8割9割満足です」と言えるところってどれだけあるのかなと言うと、意外にそんなに多くないという中で、「ディストリビューションどうしたらいいでしょうか」という相談を受けることが非常に多いです。言っても、日本の製造業、数十年という時間付き合ってきていて、特にアジア新興国においては。今までどちらかと言うとそんなに重要視もしてなかったので、少々問題があっても売上の大半は日本だし、その次に重要なのは米国、EUという中で、新興国市場ってどうなんだろうという状況でした。中国に関してはもう新興国ではないので、そういう状況は脱していて大きな市場と、欧米と同じような市場というふうに捉えると、やっぱり「ASEAN、インド、南米、アフリカみたいなところのディストリビューションをどうしよう」みたいな、そういうお話が問題意識がやっぱり強いですよね。
今日お話したいのが、ディストリビューターをそもそも決めるときに、やっぱり重要なのって「誰と」売るかよりも「誰に」売るかということがすごく重要ですよと、この番組でも採算お話をしてきたと思うんですけど。ここがはっきりしていたらディストリビューターの選定なんてものすごく簡単になるんですよね。だって、「自分たちの売り先がここだ」って決まっているわけですから、じゃあ、そこに売れるディストリビューターと組むというのがもう最善のパートナーなわけですよね。数だってそうですよね。日本企業の多くは、大した理由なき1カ国1ディストリビューター制みたいのを引いているケースというのが多いんですけど。でも、ターゲットがここというのが決まっていて、でも、このターゲットを攻めるには1社じゃ無理ですということが分かれば、2社3社4社必要なんだなと。「特にB2Cの伝統小売をやります。ターゲットは伝統小売10万店です」とかっていう話が出たときに、10万店獲らないと勝てないんですと、マーケットシェア上がらないんですというふうになったときには、やっぱりディストリビューター1社で10万店回るということは、そのディストリビューターの営業マンが10人しかいませんと。その10人が1日何件回って、10万店獲ろうと思うと、もう20年かかりますみたいな計算ができてしまうので、やっぱり数が必要だよねと。もうすでにこのエリアしか今のディストリビューターは伝統小売を持っていないので、あのエリア、そのエリア、このエリアを持っている別のディストリビューターをやっぱりエリア別に活用していく。そうすると、必然的に複数のディストリビューターのほうが得策だという話になるので。
基本的に現産現販、現地でつくっていて、現地に販売法人もあって販売していて、伝統小売も狙っているような状態において、ディストリビューターが1社なんていうのはまずもってあり得ないので、B2Cの場合はですね。輸出でやっていますよという場合であれば、伝統小売には売れないので、伝統小売を考える必要はないので、基本的には近代小売だけになるということは1カ国1ディストリビューター制というのはあり得る話なわけですけども、そこはやっぱり気を付けていかないといけないし。B2Bもそうですよね。インダストリー別にやっぱり得意不得意というのがあるのに、どのインダストリーも1社のディストリビューターで賄えるわけがないですし、B2Bになればなるほどターゲットってバイネームで企業名でターゲットが出来上がってくるわけなので。そうすると、今現状、自分たちのディストリビューターが自分たちのターゲットに出入りしていなければ、もしくはほとんど取引がなければ、そのディストリビューターに期待をしても、これはやっぱり時間かかりますよね。こじ開けて、その穴を広げてということをやっていく、時間がかかると。その時間軸も加味してここなんだということであればいいですけども、やっぱりそうでなければ顧客別にディストリビューターを分けるということも選択肢の1つですし。そうやってディストリビューターを選定していくということはすごく重要で。だから、結局は「誰に」売るかということがふにゃふにゃしていると、「誰と」売るかということもふにゃふにゃしてきてしまうので、「誰に」売るかということは本当に重要で。まずそれがあって、それが明確になればなるほど「誰と」売ればいいのかということが明確になりますよという、そういうお話です。
今日はこれぐらいにしようかな。最近、東さん、また忙しそうで、なかなか番組に出てこれていませんけども、近いうちに一緒に収録をしたいなというふうに思います。それでは今日はこれぐらいにして、また皆さん次回お会いいたしましょう。