森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、ディストリビューターの話をしようかなというふうに思います。ディストリビューターの選定方法みたいなところのお話をちょっとしていきたいなというふうに思うんですけども。
ディストリビューター選びって本当に重要で、どういうディストリビューターを選ぶかで新興国市場の成功の可否の、僕は7割が決まる思っているんですよね。この7割というのは、7割ぐらいのアウトプットが出るのかって、そういうことではなくて。100%になったときに初めて成功ということになるとすると、成功の100に対して7割ぐらいはもうこのディストリビューターで決まりますよと。もちろんどういうディストリビューターを選んだかで7割なんだけども、残りの3割をロスすると、当然100にはならないので成功はしないんですけども、ものすごく大きな範囲をディストリビューターの選定というのは占めていますよと。ここにやっぱり時間と労力とお金をかけていくということはすごく重要で。日本の企業のディストリビューター選定とかを見ていると、何か基準が細かくいろいろあるにせよ、結局のところ大手でしょうみたいな、もしくは同じ日系のどこどこが付き合っているからでしょうみたいな、そういう感じがやっぱり垣間見れて、なかなか自分たちのターゲットベースの話になっていない。
ちょっと前にもその話しましたけど、ターゲットはやっぱり絶対的に重要なので、そのターゲットに確実に売れますよという先を選んでいかないといけないという、ここってまさにスキルセットの部分なんですけど。そういう意味では「ターゲットを明確にしてくださいね」みたいな話をこの間しましたけどもね。ディストリビューターを選ぶときに、ターゲットが明確になっているということを前提として、今は選ぶということを今日はやりますけども、今日お話しますけども。
1つは、B2BでもB2Cでもディストリビューターは、1カ国でディストリビューターなんていうのは数十ぐらいしかないんですよ、だいたい選択肢に何となく入ってくるような。なので、そのインダストリーのディストリビューターを全部可視化するということをたぶんやったほうがよくて。そうすると、抜けがないですよね。A社と組んだんだけど、後々気付いたらB社だったとかね。B社とやったんだけど、実はしばらくしてみたらC社という新しい存在がありましたみたいな、そういう話になるのが一番無駄なので。もう全部横並びにするということがまず重要で。まず全部可視化しましょうと。リストをつくりましょうと。
ディストリビューターのリストができたタイミングで、自分たちが欲しいスキルセットを持っているところ、自分たちが欲しいマインドセットを持っているところに絞り込んでいくということをやるわけなんですけども。その最初の絞り込み基準というのはやっぱり絶対評価なんですよね。自分たちは、B2BだったらA社、B社、C社に売りたいんですということは、今、A社、B社、C社と取引がないところは、もう絶対評価で消去されていくべきなんですよね。B2Cでも、A小売、B小売、C小売に置きたいと。そしたら、今、A小売、B小売、C小売と取引があって、強い交渉力を持っていないようなディストリビューターというのは選択肢から絶対評価で排除されていくという、消去されていくということになるわけですよね。だから、そういう意味で自分たちが誰に売りたいのか、自分たちが何をしたいのかという目的が明確だと、絶対評価でバッサリ切れるわけですよね。
例えば、数年以内に数十億やりたいですと、30億やりたいですみたいな目標が、計画があるのであればね、今、10億の会社と付き合ったって、一緒に例えば30億やりたいです、30億まで持っていくって、10億だったらいけちゃうかもしれないですけど、でも、やっぱり自分たちが50億やりたいと、で、売上が5億しかない。極端な例で説明したほうが分かりやすいですかね。そしたら5億と一緒に、3年後に50億狙っているのに、今5億しかないところとやったって10倍の売上規模にはならない。そうやって消去していくわけですよね。だって、5億しか売上ないということは、ディストリビューターってキャッシュを回す仕事ですから、キャッシュを回せないということは、やっぱり与信に不安が出てくるわけなので、こことは付き合えないという話になったりするので。そうやって自分たちが必要なスキルセットが本当にあるかどうかということでまず絶対評価していきますよと。
スキルセットで絶対評価で絞り込んでグーッとしてくると、ある一定の母集団になってくるわけですよね。5社とかね、3社とか5社とか、それぐらいの数になってきたときに初めて、スキルセットは全部クリアしているから、どこと組んだってスキル的には問題ないわけですよ。そしたら、そのスキルが最大限活用されるかどうかというのはマインドセットにかかってくるわけですね。じゃあ、誰のマインドセットかと言うと、社員のマインドセットでもないし、ナンバー2、ナンバー3のマインドセットでもなくて、ナンバー1のオーナー社長のマインドセットがどうなのかと。自分たちの商品をどれぐらい理解してくれていて、自分たちの商品にどれぐらい共感をしてくれて、どれぐらいの投資をしようとしてくれているのかというところがまさにマインドセットで。そこがしっかりとこちらのトップ、向こうのトップ、こっちは社長じゃなくてもいいですよ。メーカーなのでね、担当役員ぐらい。しっかり握れて初めてマインドセットもクリアという話になるので、相対評価するわけですよね。残った3社5社のそれぞれのオーナー社長のマインドを相対的に評価したときに、やっぱりここだねということで選んでいくと、かなり高いパフォーマンスを発揮できますよということになりますし。
今日は時間がないのであれですけど、この絞り込みをしていく、そのプロセスがそもそも一緒に契約締結後にロケットスタートをきるための戦略を一緒につくっていく、すり合わせていくということに繋がっているわけなので、実はこの選定作業というのは戦略作りに入っているということなんですけどもね。その話は次回か、また今度か、ちょっとやりましょうかね。
ということで、今日はこれぐらいにします。また次回お会いいたしましょう。